こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です。
柏市というと「豊四季台団地」や「柏モデル」のイメージが強いかもしれませんが、実は市域の南部——旧沼南町エリアには、手賀沼を取り巻く農村の風景が今も広がっています。農家の古い造りの家と1960〜70年代の団地、そして2000年代の新興住宅地が同じ市内に共存する柏市。この多様さが、福祉用具を選ぶうえでも大きなポイントになります。
旧沼南町——2005年合併で柏市となった農村地帯の現在
2005年3月、旧沼南町が柏市と合併し「新・柏市」が誕生しました。旧沼南地区は手賀沼の南岸から大津ヶ丘・しいのき台・白井市境にかけて広がる農村・田園地帯です。
この地域では今も古い農家造りの住宅(土間・式台・廊下幅が狭い間取り)が多く残っています。訪問してみると、玄関に大きな式台の段差があったり、廊下が曲がりくねっていたり、トイレへの動線が複雑だったりと、住宅改修の必要性を感じる場面が多いです。
また旧沼南地区は農業従事者が多く、高齢になっても一人または夫婦二人で農作業を続けているケースがあります。そのため「農作業中に転倒した」「腰が痛くなってきたがまだ動けるうちに準備したい」というご相談をいただくことが増えています。
(出典:柏市「市の概要・統計」 https://www.city.kashiwa.lg.jp/shisei/profile/index.html)
農村部で深刻化する「介護の孤立」問題
旧沼南地区などの農村部では、都市部と比べて深刻な問題が隠れています。それが「介護の孤立」です。
具体的には次のような状況が起きています。
- 子どもが都市部(東京・千葉市・柏市中心部)に就職・転居し、高齢の親が農村の家に取り残される
- 近所付き合いが薄れ、体調変化に気づいてもらえない
- 介護サービス事業所が少なく、週1〜2回のデイサービスが精いっぱい
- 移動手段が車のみで、高齢者自身が通院・買い物も難しい
わたしが旧沼南地区でお客様を訪問する際、「一番近いコンビニまで車で10分以上」「ヘルパーさんが来ない日は丸一日誰とも話さない」という方にお会いすることがあります。
このような状況では、福祉用具の設置だけでなく、介護者が遠方でも状況を把握できる仕組みが重要です。たとえば徘徊感知センサーや緊急通報装置(別途自費サービス)と福祉用具を組み合わせることで、遠方の家族も安心しやすくなります。
農村の古い住宅で役立つ福祉用具
農村部の古い住宅では、次のような福祉用具が特に活躍します。
農家造りの住宅で特に役立つ福祉用具
- 玄関用手すり・式台補助手すり:土間から廊下への大きな段差に対応
- 携帯用スロープ(複数枚):複数か所の段差に対応するため2〜3枚必要になることも
- トイレ用手すり(据置型):和式トイレに洋式用の補助便座と組み合わせて使用
- 入浴補助用具(シャワーチェア・入浴台):深い浴槽での入浴リスクを低減
- 歩行器(屋外・屋内兼用):敷地内の移動も含めてサポート
農村部では住宅内だけでなく敷地内の移動(母屋から離れた納屋・トイレへの移動など)も課題になることがあります。砂利道や土の道での歩行には、通常の歩行補助つえより歩行車(車輪付き歩行器)の方が安定します。
(出典:厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html)
光ヶ丘・高柳・豊四季台の大規模住宅地——団地での福祉用具の選び方
一方、柏市西部から南部にかけての光ヶ丘・高柳・豊四季台など大規模住宅地では、1960〜80年代建設の中層団地(3〜5階建て)に高齢者が多く住んでいます。
これらの団地でよく聞く悩みが「上の階に住んでいて階段が辛い」という問題です。エレベーターがない棟の場合、3〜4階に住む高齢者は外出のたびに階段を何往復もしなければなりません。転倒リスクが高く、「怖くて外に出られない」という方も少なくありません。
団地での福祉用具活用ポイント:
- 階段用手すり(既設への補助):既設の手すりが片側だけの場合、反対側に据置型を設置することで両手に手すりを確保できます
- T字型歩行補助つえ:階段ではできるだけコンパクトな補助具が安全
- 室内でのベッド周り環境整備:立ち座り動作を楽にする介護ベッドサイドの手すり
- 廊下・トイレへの動線確保:廊下幅が80cm前後の団地では、コンパクト設計の歩行器を選定
また、団地内に入居している高齢者同士のコミュニティ(いきいきサロン等)が活発なエリアでは、「隣のAさんが使っていたから」という口コミで福祉用具の相談をいただくことも多いです。こうした地域コミュニティを通じた情報共有も、在宅介護の大切な資源です。
大津ヶ丘・しいのき台——農村と住宅地の混在エリア
旧沼南地区の中でも大津ヶ丘・しいのき台は、農村地帯に1970〜80年代に開発された住宅地が混在するエリアです。戸建ての分譲住宅も多く、入居第一世代が現在70〜80代になっています。
分譲戸建て住宅では、2階の寝室から1階のトイレへの夜間移動が大きなリスクになります。転倒事故の多くが夜間・朝方の移動中に発生することを考えると、
- 1階への寝室移動(介護ベッドを1階居間に設置)
- ポータブルトイレの活用(夜間の階段移動をなくす)
- 廊下・階段の足元照明の整備
といった対策が有効です。福祉用具専門相談員として訪問する際は、住宅の間取りを拝見しながら「夜中にトイレに行くとき、どのルートを通りますか?」といった具体的な質問を重ねて、リスクを洗い出していきます。
柏市の地域包括支援センターと在宅介護サポート体制
農村部・住宅地にかかわらず、在宅介護の第一歩は地域包括支援センターへの相談です。柏市では市内複数の地域包括支援センターが、介護保険の申請手続き・ケアマネジャーの紹介・介護予防プログラムの案内などを担っています。
旧沼南地区をカバーするセンターについては柏市公式サイトで確認できます。農村部で「どこに相談したらいいかわからない」という方は、まず電話一本で大丈夫です。
(出典:柏市「地域包括支援センター一覧」 https://www.city.kashiwa.lg.jp/koufuku/kaigo/chiikihoukatsu/center.html)
よくあるご質問
まとめ
- 旧沼南地区の農村部では古い農家造りの住宅に対応した福祉用具の選定が重要
- 農村部では介護の孤立問題が深刻で、遠方の家族でも早期相談が肝心
- 光ヶ丘・高柳・豊四季台の団地では階段昇降の安全確保が最大の課題
- 大津ヶ丘・しいのき台の戸建て住宅では夜間のトイレ動線整備が転倒予防のポイント
- 柏市全域の地域包括支援センターが在宅介護の入り口として機能している
- シルバーとっぷは柏市全域(旧沼南地区含む)に対応
「農村だから、田舎だから」という理由で在宅介護のサポートが手薄になってはいけません。わたしたちはどんな場所にでもうかがいます。遠慮なくご連絡ください。
柏市(旧沼南地区・光ヶ丘・高柳・豊四季台など全域)の福祉用具レンタルはシルバーとっぷへ。農村エリアにも対応しています。
お問い合わせフォームはこちら
参考にした情報
- 柏市「市の概要・統計」 https://www.city.kashiwa.lg.jp/shisei/profile/index.html (2026年6月時点)
- 柏市「地域包括支援センター一覧」 https://www.city.kashiwa.lg.jp/koufuku/kaigo/chiikihoukatsu/center.html (2026年6月時点)
- 厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html (2026年6月時点)
著者:雲居 愛(くもい あい)
株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。趣味は読書と犬の散歩。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新情報は各自治体・関係機関の公式サイトをご確認ください。
