こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です。
千葉県内有数の人口を誇る船橋市ですが、JR船橋駅を囲む旧市街(本町・海神・夏見・市場地区)には、昭和の雰囲気が色濃く残る古い住宅街が広がっています。表通りは商店や飲食店でにぎわっていても、一歩路地に入ると細い路地と古い木造家屋が続く——そんな二面性が船橋旧市街の特徴です。
この旧市街エリアで在宅介護のご相談をいただくと、真っ先に気になるのが住宅の構造と段差の問題です。古い木造住宅や狭小住宅では、福祉用具を設置する「空間」そのものが課題になることがあります。
船橋旧市街の住宅事情——古い木造・狭小住宅が多い理由
船橋市は明治〜大正時代から東京近郊の農漁村として発展し、JR総武線・東武野田線・京成本線が集まる交通の要衝として旧来の市街地が形成されました。本町・夏見・海神などの地区では、戦前・戦後に建てられた木造2階建て・狭小間口の住宅が今も多く残っています。
こうした古い住宅の特徴として:
- 玄関の段差が大きい(土間と廊下の高低差が15〜20cm以上)
- 廊下幅が狭い(60〜70cm程度で車椅子が通れない)
- 階段が急勾配(45度近い急な階段が多い)
- トイレが狭い(手すりを設置するスペースがない)
- 浴槽が深い(古い在来工法の浴室では浴槽の高さが60cm以上のことも)
こうした住宅環境は「そもそも福祉用具を置く場所がない」という状況を生み出します。訪問時に間取りを見ながら「どこに何を置けるか」を慎重に検討する必要があります。
(出典:国土交通省「住宅・土地統計調査」 https://www.mlit.go.jp/toukei/list/jutaku-1.html)
廊下幅の問題——車椅子が通れない住宅での対策
標準的な車椅子の幅は約60〜65cmです。廊下を安全に通行するには廊下幅が最低80cm以上(できれば90cm以上)必要です。しかし古い木造住宅では廊下幅が60〜70cm程度しかないことも珍しくありません。
このような環境での対策として:
廊下が狭い場合の福祉用具の選び方
- スリム型歩行補助つえ:できるだけ体の動きを補助しながら通行を確保
- コンパクト歩行器:幅55〜58cm程度のスリム型歩行器を選定
- 廊下用手すり(壁付けタイプ):住宅改修が必要ですが、廊下に手すりをつけることで壁を伝い歩きするより安全に移動できる
- 自走用小型車椅子:幅55cm程度のコンパクト型が廊下の通行に対応できることも
「廊下が狭くて車椅子が通れないから諦めた」というご家族もいらっしゃいますが、諦める前にぜひ一度ご相談ください。コンパクト型の機種を試してみると通れるケースがあります。
段差解消——玄関・居室・トイレの段差への対応
旧市街の古い住宅では、家の中のいたる所に段差があります。玄関の上がり框だけでなく、居室間の敷居(2〜5cm程度)も足が上がりにくくなった高齢者には転倒の原因になります。
場所別の段差対策:
- 玄関:携帯用スロープ(レンタル対象)を設置。15〜20cmの段差には長さ60cm以上のスロープが必要です
- 廊下の敷居:厚さ2〜3cmのゴム製段差スロープ(購入対応)で解消できることが多い
- 浴室入口:介護保険の住宅改修として「段差の解消」が認められています(最大20万円まで)
- 和室から洋室の段差:畳から廊下への段差は据置型スロープで対応
特に夜間の移動中の転倒リスクが高いため、寝室からトイレへの動線上のすべての段差を洗い出し、優先的に解消することをお勧めします。
(出典:千葉県「介護保険住宅改修の手引き」 https://www.pref.chiba.lg.jp/kourei/kaigohoken/service/juukaiku.html)
狭いトイレへの対応——据置型手すりの活用
古い木造住宅のトイレは広さが1帖未満であることが多く、手すりを設置するスペースが限られています。また床から便器までの間隔も狭く、「立ち上がり時のふらつき」が特に危険です。
このような狭いトイレでの対策:
- 便器用据置型手すり(挟み込み式):便器を挟むように設置するタイプで、工事不要・狭いトイレでも使用可能
- 補高便座(座面を高くするアタッチメント):便座の高さを5〜10cm上げることで立ち座りが楽になります(購入対応)
- 壁付け手すり:住宅改修として設置(介護保険で最大20万円)
訪問の際は必ずトイレの広さを実測し、設置できる機種を確認します。「こんな狭いトイレに手すりを置けるの?」という疑問が解決するケースが多いです。
船橋市立医療センターと在宅復帰支援
船橋市旧市街の中核医療機関は船橋市立医療センターです。同センターは救急・急性期医療から回復期リハビリ、地域連携まで幅広く担う船橋市最大の公立病院です。入院から退院後の在宅復帰にあたり、地域の居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)や福祉用具事業者との連携が積極的に行われています。
退院前カンファレンスに福祉用具専門相談員が参加し、自宅の住環境に合った用具を事前に準備できると、退院後の転倒事故リスクが大幅に下がります。船橋市立医療センターの退院支援部門やソーシャルワーカーを通じて、ご担当のケアマネジャーにシルバーとっぷへの連絡をご依頼いただくことも可能です。
(出典:船橋市立医療センター公式サイト https://www.fmc.chiba.jp/)
市場・夏見地区の高齢化——漁師町・農村の面影が残るエリア
本町の東側に広がる市場地区・夏見地区は、かつての漁村・農村の面影が残るエリアです。古い商店街と住宅が混在し、高齢住民の割合が高い地区です。この地区では「昔から住んでいる高齢者が多く、引っ越しを考えていないが今の家が住みにくくなってきた」というご相談が多い印象です。
長年住み慣れた家から離れることなく、安全に暮らし続けるための住環境整備——これこそが福祉用具専門相談員の大切な仕事だと感じています。「この家をもっと住みやすくしたい」というご家族の思いに応えられるよう、わたしたちは知識と経験を積み重ねています。
よくあるご質問
まとめ
- 船橋旧市街(本町・海神・夏見・市場地区)は古い木造・狭小住宅が多く、段差・廊下幅問題が深刻
- 廊下幅が60〜70cmしかない場合でもコンパクト型車椅子・歩行補助具で対応できる可能性あり
- 玄関段差には携帯用スロープ(レンタル)と住宅改修を組み合わせて対応
- 狭いトイレには挟み込み式据置型手すりと補高便座が有効
- 船橋市立医療センターからの退院前連携で、退院当日から安全な在宅生活を確保
- シルバーとっぷは船橋市全域に対応
「古い家だから仕方ない」ではなく、「古い家だからこそ、できる対策がある」と考えていただければと思います。わたしたちは旧市街の住宅にも精通していますので、ぜひご相談ください。
船橋市旧市街(本町・海神・夏見・市場地区)の福祉用具レンタルはシルバーとっぷへ。狭い住宅にも対応した選定をご提案します。
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参考にした情報
- 船橋市立医療センター https://www.fmc.chiba.jp/ (2026年6月時点)
- 千葉県「介護保険住宅改修の手引き」 https://www.pref.chiba.lg.jp/kourei/kaigohoken/service/juukaiku.html (2026年6月時点)
- 国土交通省「住宅・土地統計調査」 https://www.mlit.go.jp/toukei/list/jutaku-1.html (2026年6月時点)
著者:雲居 愛(くもい あい)
株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。2024年シルバーとっぷ入社。趣味は読書と犬の散歩。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新情報は各関係機関の公式サイトをご確認ください。
