介護保険法改正案が衆議院を通過|過疎地対策・住宅型ホーム規制強化のポイントを解説

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

2026年5月26日、介護保険法・老人福祉法・社会福祉法などの改正案が衆議院本会議で賛成多数により可決されました。今後は参議院での審議に移り、今国会での成立が見通されています。

「法改正が通ったって聞いたけど、何が変わるの?」——先日、担当のお客様のご家族からそんな質問をいただきました。正直なところ、わたしも最初にニュースを見たとき「どこが変わって、現場にどう影響するの?」と気になったひとりです。

この記事では、今回の改正案の主な3つのポイントを、現場の福祉用具専門相談員の目線でできるだけわかりやすくお伝えします。

今回の改正案とは

今回可決された改正案は、介護保険法を中心に老人福祉法・社会福祉法なども含めた複数の法律の一括改正です。
(出典:厚生労働省「令和8年介護保険法等改正について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html)

背景にあるのは、急速に進む高齢化と介護人材の不足です。都市部と地方では状況が大きく異なり、特に過疎地では「介護が必要な方はいるのに、サービスを提供できる事業所が維持できない」という深刻な課題が生じています。

また、住宅型有料老人ホームの運営に関しても、利用者保護の観点から制度整備が求められてきた経緯があります。

改正のポイント①:過疎地向けの特例スキーム新設

改正案の大きな柱のひとつが、中山間地域・人口減少地域を対象とした特例スキームの新設です。

具体的には、過疎地の事業所に対して人員配置基準の緩和を認めることで、限られた人手でも「必要なサービスを提供し続けられる効率的な体制」を構築できるようにする狙いがあります。

この改正が想定する地域の課題

  • 高齢者の割合が高い一方、介護職員の確保が難しい
  • 事業所の採算が取れず撤退・廃業するリスクがある
  • 移動距離が長く、訪問サービスの効率が悪い

ベテランの先輩から「地方では、今いるスタッフで今いる利用者さんを支えるしかない現実がある」と聞いたことがあります。この特例が現場の実態に合ったかたちで機能するかどうか、今後の省令・告示の内容を注視したいと思います。

なお、千葉県内でも山間部や過疎化の進む地域があります。具体的な適用基準や対象エリアについては、今後の政省令で定められる予定です。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)

改正のポイント②:住宅型有料老人ホームへの登録制導入

2つ目のポイントは、住宅型有料老人ホームに対する規制強化です。

今回の改正では、中重度の要介護者を受け入れる住宅型ホームを対象に登録制が導入されます。これにより、運営の健全化と入居者の安心・安全の確保を図ることが目的とされています。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームは、介護が必要な方が生活支援サービスを受けながら暮らすタイプの施設です。特別養護老人ホームのような介護保険施設とは異なり、居住の場に外部の介護サービス(訪問介護など)を組み合わせて利用する形式が一般的です。

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、入居者の要介護度が上がった際に適切なサービス調整が行われているかどうか、透明性の確保が課題として指摘されてきた経緯があります。

登録制導入のねらい

改正前 改正後(予定)
届出制(事前の審査なし) 中重度受け入れホームは登録制を導入
運営状況の透明性が不十分なケースも 行政による確認・監督が強化される
入居者保護の仕組みが施設ごとにばらつき 安心・安全の確保に向けた統一的なルール整備

施設をお探しのご家族にとっては、登録されている施設かどうかが選択の基準のひとつになる可能性があります。詳細は今後公表される省令等を確認する必要がありますが、「どんな施設に入れればいいかわからない」というご相談にも、少しずつ指標が増えていく改正だと感じています。

改正のポイント③:住宅型ホーム入居者向けの新ケアマネジメント類型

3つ目は、「登録施設介護支援」という新たなケアマネジメント類型の創設です。

住宅型有料老人ホームの入居者に特化したこのケアマネジメントの仕組みは、これまで外部のケアマネージャーが担ってきた役割を制度として明確に位置づけるものとされています。

なぜ新類型が必要なのか

住宅型ホームの入居者は、外部の介護サービスを組み合わせて利用するため、ケアマネジメントの役割がとりわけ重要です。しかし、従来の制度では住宅型ホームに特化したルールが整備されていなかった面がありました。

今回の改正により、住宅型ホームにおける介護支援の質と安全性をより制度的に担保することが期待されています。

わたしが担当させていただいているお客様の中にも、住宅型ホームに入居されている方がいらっしゃいます。ケアマネージャーさんとの連携が日常の支援の要になっているだけに、この新類型が現場でどのように機能するか、関心を持って見守っています。

施行時期と今後の見通し

改正案は2026年5月26日に衆議院を通過し、参議院での審議に移っています。今国会(2026年通常国会)での成立が見通されており、成立後は政省令の整備を経て段階的に施行される予定です。

各制度の具体的な施行日・適用基準については、今後厚生労働省から公表されます。最新情報は厚生労働省の公式ページでご確認ください。
(出典:厚生労働省「介護保険法令・通知等」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html)

ご注意:本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。改正内容の詳細・施行日・適用基準は今後変更される場合があります。正確な情報は厚生労働省または各自治体の公式発表でご確認ください。

よくあるご質問

Q
今回の介護保険法改正は、在宅介護にも関係しますか?
A
今回の改正は主に過疎地の事業者支援と住宅型ホームの規制整備が中心ですが、在宅介護を支えるサービス事業所にも間接的な影響が及ぶ可能性があります。施行後の詳細はケアマネージャーさんにご相談ください。
Q
住宅型有料老人ホームに入居中ですが、登録制の導入で何か手続きが必要になりますか?
A
入居者側での手続きは基本的に発生しない見込みです。登録・届出の手続きは施設側が行います。ご不明な点は入居中のホームの担当者またはケアマネージャーさんにご確認ください。
Q
過疎地の人員配置基準が緩和されると、サービスの質は下がりませんか?
A
懸念はごもっともです。今回の緩和はあくまで「過疎地でサービス自体が消滅するのを防ぐ」ための措置とされており、質の担保については今後の省令で規定される見込みです。適用基準や条件の詳細を引き続き確認したいと思います。
Q
「登録施設介護支援」という新類型は、どのケアマネージャーが担当するのですか?
A
現時点では施行後の省令・告示で詳細が定められる予定です。基本的には住宅型ホームの入居者を担当するケアマネージャーが関わる類型とされていますが、具体的な要件は今後の公表情報をご確認ください。
Q
介護保険法の改正内容はどこで確認できますか?
A
厚生労働省の公式ウェブサイト(https://www.mhlw.go.jp/)に最新の法令・通知等が掲載されます。また、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口でも情報を入手できる場合があります。

参考にした情報

まとめ

  • 2026年5月26日、介護保険法等の改正案が衆議院を通過し、参議院での審議に移行
  • 改正の3本柱は、①過疎地向け人員配置基準の緩和、②住宅型有料老人ホームへの登録制導入、③新ケアマネジメント類型「登録施設介護支援」の創設
  • 各制度の具体的な施行日・適用基準は今後の省令・告示で定められる予定
  • 最新情報は厚生労働省公式サイトや市区町村窓口でご確認ください

制度改正は、現場で働くわたしたちにとっても、介護を受けるご本人・ご家族にとっても、直接関係する大切な話です。「何が変わったかよくわからない」という方は、担当のケアマネージャーさんに気軽に聞いてみてください。わたしも訪問先で同じ質問をいただいたら、一緒に確認するようにしています。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

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※本記事の情報は2026年5月時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。

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