こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です。
「仕事を辞めて介護に専念するしかない」——そう思っているご家族は多いのですが、介護離職は経済的にも精神的にも、長期的に大きなダメージを与えることがあります。わたしが担当するご家族の中でも「もっと早くサービスを使えばよかった」「辞めなくても何とかなったかもしれない」とおっしゃる方がいます。この記事では、千葉市で仕事を続けながら介護を実現するための具体的な方法をお伝えします。
介護離職の現状と千葉市での実態
全国では年間約10万人が介護を理由に離職していると言われています(出典:厚生労働省「雇用動向調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html)。その多くは40〜60代の女性ですが、男性の介護離職も増加しています。
千葉市でも、共働き世帯での介護負担が増加しており、「時短勤務で何とかしのいでいるが限界」「週に3日しか出社できない」というご相談を多くいただきます。
介護離職が引き起こすリスクは深刻です。
- 収入減少・老後資金への影響
- 社会とのつながりが断たれることによる孤立リスク
- 介護が終わった後に再就職が難しくなる
- 介護に専念することで逆に精神的に追い詰められる場合もある
「仕事を辞める前に」、できることを全部試してみることを強くおすすめします。
「自動化・外部委託できる部分」を増やす発想の転換
「介護は家族がするもの」という考え方から「介護サービスと福祉用具で社会全体で支える」という発想に切り替えることが、介護離職防止の第一歩です。
特に「夜間の不安」と「日中の見守り」をどう解決するかが、仕事を続けられるかどうかの分かれ目になります。
- 夜間の不安を解消する用具
- 電動介護ベッド(高さ・角度を自動調整。起き上がり時の転倒リスクを減らす)
- 離床センサー(夜中にベッドを離れたら介護者に知らせる)
- 自動体位変換マット(2〜3時間おきに自動で体位を変えてくれる。床ずれ防止と夜間介護の削減)
- 日中の見守りを補う仕組み
- 訪問介護(ヘルパー)による昼間の見守り・生活支援
- デイサービスによる日中の活動と安全確保
- 夜間対応型訪問介護(夜間にも訪問してくれるサービス)
介護者が仕事に行ける体制の具体的モデル
「フルタイム勤務を続けながら在宅介護する」ための組み合わせ例を紹介します。
モデルケース:千葉市在住・50代女性(フルタイム勤務)・同居の80代母親を介護
- 月〜金:デイサービス(8時〜17時)+訪問介護(帰宅後の夕食・入浴介助)
- 夜間:電動ベッド・離床センサー設置(起き上がりの自動補助・感知アラーム)
- 月2回:ショートステイ(介護者が出張や休暇を取れる日を確保)
このモデルでは、仕事中は「デイサービスに任せている」という安心感があるため、職場でも集中して働けます。わたしが担当するご家族でも、デイサービス+介護ベッドの組み合わせで「仕事を続けられるようになった」という声を多くいただいています。
千葉市で「仕事と介護の両立」を相談できる窓口
千葉市内の地域包括支援センターには、介護だけでなく「働きながら介護を続けたい」という相談にも対応できるソーシャルワーカーが在籍しています。「今の状態で使えるサービスを全部教えてほしい」「仕事を辞めずに済む方法を一緒に考えてほしい」と率直に伝えてください。
また、千葉市の各区役所の高齢障害支援課でも介護保険サービスに関する相談が可能です。「どのサービスを組み合わせれば仕事を続けられるか」という相談も受け付けています。
(出典:千葉市「地域包括支援センター」 https://www.city.chiba.jp/)
介護休業制度を「体制構築期間」として活用する
介護を理由に仕事を辞める前に、介護休業制度の活用を強く検討してください。介護・介護休業法に基づく制度の概要は以下の通りです。
- 介護休業:対象家族1人につき通算93日を上限として取得できる。3回まで分割して取得可能
- 介護休暇:年5日(対象家族が2人以上なら10日)を時間単位で取得可能
- 勤務時間の短縮:介護のために勤務時間を短縮できる制度(勤務先・雇用形態によって異なる)
介護休業は「仕事を辞める前の猶予期間」ではなく、「介護体制を整えるための準備期間」として使うことをおすすめします。93日間に、ケアマネの選定・福祉用具の設置・デイサービスの契約・職場への相談などを集中的に行うことで、休業明けも仕事を続けやすい状態を作れます。
(出典:厚生労働省「介護休業制度について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)
職場への相談で得られること
「会社に介護のことを話すのは恥ずかしい」「評価が下がるのでは」という不安はよく聞きますが、上司や人事担当に状況を伝えることで、以下のような対応を引き出せることがあります。
- フレックスタイム制の活用(病院の付き添いや急な対応に対応しやすくなる)
- テレワーク勤務の許可(自宅で様子を見ながら仕事ができる)
- 介護休暇の取得調整(デイサービスの送迎など定期的な対応が必要な場合)
「言わなければわかってもらえない」という状況が、介護離職の一因になることがあります。まず相談してみることが大切です。
よくあるご質問
まとめ
- 全国で年間約10万人が介護離職しており、早めのサービス導入が最大の対策
- 夜間の不安は電動ベッド・離床センサー・自動体位変換マットで解消できる
- 日中はデイサービス+訪問介護で「仕事に行ける体制」を作れる
- 介護休業93日間は「体制構築期間」として活用することが賢明
- 職場への相談がフレックス・テレワーク活用につながる場合がある
- 千葉市の地域包括支援センターが「仕事と介護の両立」の相談窓口になる
参考にした情報
- 厚生労働省「介護休業制度について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html(2026年6月時点)
- 厚生労働省「雇用動向調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html(2026年6月時点)
- 千葉市「地域包括支援センター」 https://www.city.chiba.jp/(2026年6月時点)
雲居 愛(くもい あい)
株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員
免責事項:本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。
