通信機能つき福祉用具、介護保険の対象は5種目に限定へ|家族が知りたいこと

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市内もようやく朝晩がひんやりしてきて、訪問の車の中では温かい飲み物が手放せない季節になりました。

今日は、10月に介護業界の専門紙で報じられた「通信機能のついた福祉用具」のニュースをきっかけに、ご家族に知っておいていただきたいことをお話しします。少し制度寄りの話になりますが、できるだけ噛み砕いてお伝えしますね。

ニュースの概要|通信機能の給付対象は5つの種目に限定へ

シルバー産業新聞の「ケアニュース」によると、厚生労働省は、介護保険の福祉用具貸与(レンタル)で「通信機能」を給付の対象とする範囲を限定する方針を固めたそうです。記事によると、当初は貸与の種目全般に幅広く認める方向性が示されていました。しかし実態を把握するための調査を経て、そこで確認された機器に絞り込むことになったとのことです。

記事で対象として挙げられているのは、次の5つの種目です。

  • 自走用標準型車いすのうち、自走用パワーアシスト形
  • 普通型電動車いす
  • 車いす付属品のうち、電動補助装置
  • 特殊寝台(いわゆる介護ベッド)
  • 認知症老人徘徊感知機器

限定した理由について、厚労省の担当者は「操作履歴や故障履歴を把握し、福祉用具のモニタリングやメンテナンスに活用する機能が実際に確認できた種目に限定した」と説明したと報じられています。この話は、10月7日に国際福祉機器展(H.C.R.2026)の会場で開かれた、全国福祉用具専門相談員協会(ふくせん)のセミナーで紹介されたものだそうです。

そもそも「通信機能つきの福祉用具」ってどんなもの?

「福祉用具に通信機能?」とピンとこない方も多いと思います。イメージとしては、用具そのものが通信を使って、使われ方や不具合の情報を知らせてくれる仕組みです。

たとえば電動の車いすや介護ベッドには、「どのくらい操作されているか」「故障やエラーが起きていないか」といった情報を記録できるものがあります。徘徊感知機器なら、センサーが反応したことをご家族に知らせるタイプがありますね。

今回のニュースのポイントは、こうした機能のうち介護保険のレンタルで認める範囲を、「点検やメンテナンスに役立つことが実際に確かめられた種目」に絞る方向になった、という点です。わたしも最初にこの話を聞いたときは「対象が広がるの?狭まるの?」と混乱しました。ざっくり言うと、「通信機能なら何でも介護保険でOK」ではなく、「使われ方の確認や故障の把握に役立つと確認できたものから」という考え方だと受け止めています。

ご家族の暮らしにはどう関係するの?

現場でよくいただくご質問なのですが、「今借りているベッドや車いすはどうなるの?」と心配される方もいらっしゃると思います。今回の記事は、国の方針として対象種目を限定するという内容です。細かいルールや始まる時期などは、今後示される情報を確認していく必要があります。今お使いの用具がすぐに使えなくなるという話ではないことが多いと思いますので、まずは慌てなくて大丈夫です。

そのうえで、ご家族目線で知っておくと役立つことを3つ挙げてみます。

1. 「故障に早く気づける」ことは安全につながる

電動の車いすや介護ベッドは、ご本人が毎日使うものです。動きがおかしい、バッテリーの減りが早いといった小さな異変に早く気づければ、大きなトラブルを防ぎやすくなります。通信機能による記録は、わたしたち福祉用具専門相談員が定期的にうかがう「モニタリング(使い心地や用具の状態の確認)」の助けになる場合があります。

2. 「見守り」と「点検」は別ものとして考える

通信機能と聞くと、「離れて暮らす親の見守りに使えるのでは」と期待されるご家族も多いです。ただ、今回の記事で説明されている目的は、あくまで操作履歴や故障履歴をモニタリングやメンテナンスに活かすことです。見守りが主な目的なら、介護保険のレンタルだけでなく、自治体の見守りサービスや民間のサービスも含めて、ケアマネさんと一緒に考えるのがおすすめです。

3. 気になる機器は「介護保険の対象かどうか」を必ず確認

展示会やチラシで便利そうな機器を見かけても、その機能や機種が介護保険のレンタル対象になるかどうかは別の話です。購入やレンタルを決める前に、担当のケアマネさんや福祉用具専門相談員に「これは介護保険で借りられますか?」と一言聞いていただくと安心です。

現場で感じる「記録があると助かる」場面

先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。電動の介護ベッドについて、ご家族から「ときどき背上げが途中で止まる気がする」とご相談をいただきました。ところが、わたしがうかがった時には問題なく動き、いつ・どんな操作で止まったのかがはっきりしませんでした。そこで、ご家族に気づいたタイミングをメモしていただき、メーカーさんとも相談しながら原因を探ることにしました。

こういう時、「いつ・どんな操作をしたか」が分かると、原因の切り分けがぐっとしやすくなります。ベテランの先輩によると、用具のトラブルは「その場で再現しない」のがいちばん困るそうです。通信機能を点検に役立てるという今回の考え方は、こうした現場の悩みにもつながっているのかなと感じました。

もちろん、通信機能がなくても、ご家族の「いつもと違う」という気づきはとても大切な情報です。スマートフォンのメモや冷蔵庫に貼った紙に「◯月◯日 夜、ベッドが止まった」と書いておくだけでも、わたしたちにとっては大きな手がかりになります。

ご家族が今できること|チェックリスト

  • 今レンタル中の用具の種類(介護ベッド、電動車いす、徘徊感知機器など)を把握しておく
  • 用具の調子が気になったら、日時と状況を簡単にメモしておく
  • 通信機能つきの機器が気になる場合は、ケアマネさんや福祉用具専門相談員に相談する
  • ご自宅のスマートフォンやWi-Fiなどの通信環境を確認しておく
  • 見守りが目的なら、自治体の見守りサービスなども含めて相談する

千葉市やその周辺でも、日中はご家族がお仕事に出ていて、ご本人がひとりで過ごす時間が長いお宅は少なくありません。「何かあった時にどう気づくか」は、用具選びと同じくらい大切なテーマです。わたしが担当させていただいたお客様の中にも、用具と見守りの方法をセットで見直したことで、ご家族の気持ちが少し楽になったという方がいらっしゃいました。

まとめ|新しい機能は「目的」から考えましょう

今回のニュースは、通信機能つきの福祉用具について、介護保険で認める範囲を、点検やメンテナンスへの活用が確認できた5つの種目に限定する方針が示された、という内容でした。新しい機能はとても魅力的ですが、大切なのは「何のために使うのか」です。故障に早く気づきたいのか、見守りをしたいのか。目的によって、選ぶべきものは変わってきます。

制度の細かな取り扱いや開始時期については、今後の国や自治体からの情報をご確認ください。詳しくは、お住まいの市区町村の介護保険の窓口や、担当のケアマネさんにご確認いただくのが確実です。ご本人の体調や認知症の症状に関わることは、主治医にご相談ください。

わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:ケアニュース by シルバー産業新聞

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