親が一人暮らしのまま介護が始まったら|単身の要介護者が増える今できる備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家族のお宅へ福祉用具のご相談にうかがっています。

先日、こんなニュースを目にしました。厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2025年実施)で、要支援・要介護の方がいる世帯のうち、ご本人が一人で暮らす「単独世帯」が33.2%まで増えていたそうです。あわせて、75歳以上の方どうしで介護し合う、いわゆる「老老介護」の割合も37.1%に上がっていました。数字はあくまで目安ですが、「親が一人暮らしのまま、介護が始まる」ご家庭が、それだけ身近になっているということだと思います。

わたしが担当させていただくお客様の中にも、「離れて暮らす母が、最近つまずくようになって」「一人で置いておくのが心配で」とご相談くださるご家族が本当に増えています。今日は、そんな『単身の親御さんの在宅生活』を、福祉用具でどう支えられるのか、現場の目線でお話しします。

ニュースが伝えていること

今回の調査で分かったのは、大きく次の点です。

  • 要支援・要介護の方がいる世帯のうち、単独世帯(一人暮らし)が33.2%を占めていること
  • 75歳以上の方が介護する「老老介護」が37.1%に上がっていること
  • 同居して介護する方のうち、65歳以上のケースが61.9%にのぼること

あくまで元記事に書かれている範囲のお話ですが、「介護する側も、される側も高齢」というご家庭や、「日中はどうしても一人になってしまう」というご家庭が、けっして特別ではなくなってきた、ということかなと受け止めています。制度の細かな解釈は変わることもありますので、詳しくはお住まいの自治体の窓口や専門家にご確認くださいね。

一人暮らしの在宅介護で、ご家族が不安に感じやすいこと

訪問先でご家族からよくいただくのは、こんなお声です。

  • 「夜中にトイレへ立って、転ばないか心配」
  • 「お風呂で滑らないか、一人で入って大丈夫か気がかり」
  • 「離れて住んでいるので、日中に何かあっても気づけない」
  • 「認知症が出てきて、外に出て帰れなくならないか怖い」

どれも、そばに常にいられないからこその不安ですよね。わたしも祖母が脳梗塞で倒れて在宅介護が始まったとき、家族みんなが「次に何が起きるんだろう」とそわそわしていたのを覚えています。だからこそ、『起きてから慌てる』のではなく、『先に備えておく』ことが、ご本人にとってもご家族にとっても安心につながると感じています。

単身の在宅生活を支える福祉用具の考え方

まずは「転ばない環境」から

一人暮らしで一番こわいのが、転倒です。特に、立ち座りをする場所や、移動の途中に手をつける場所があると安心感がぐっと変わります。介護保険では、工事をしない置くだけタイプの手すり(貸与=レンタルの対象になることが多い品目です)もあります。ベッドから起き上がるときの手すりや、玄関・廊下の縦手すりなど、ご本人の動きに合わせて選んでいきます。目安として、よく通る動線に一つあるだけでも、ふらつきを支えてくれることが多いです。

夜間のトイレと入浴を、無理なく

夜中にトイレまで歩くのが不安な場合は、ベッドのそばに置けるポータブルトイレという選択肢もあります。入浴では、浴室で腰かけられるシャワーチェアや、浴槽の出入りを助ける手すり・すのこ(入浴補助用具)などがあります。これらは、実際にご本人の体格やお家の間取りを見せていただいて選ぶのが一番だと、先輩からも教わりました。

「見守り」でご家族の目を届かせる

離れて暮らすご家族にとって心強いのが、見守りの工夫です。認知症で外に出てしまうご不安がある場合には、居場所を家族へ通知してくれる徘徊感知機器といった福祉用具もあります。国のほうでも、こうした通信機能のある機器を給付対象に加えていく方向で議論が進んでいると聞きます。ただ、対象になる品目や条件はお一人おひとりの状況で変わりますので、「うちの場合は使えるのかな」と思ったら、遠慮なくケアマネージャーさんや、わたしたち福祉用具専門相談員にお声がけくださいね。

一人暮らしの親御さんの介護、どこから始める?

「何から手をつけたらいいのか分からない」というご相談も、とても多いです。制度の入口は少し複雑で、わたしも最初は混乱しました。おおまかな流れとしては、次のようになります。

  • お住まいの地域包括支援センター、または市区町村の窓口に相談する
  • 要介護(要支援)認定を申請する
  • ケアマネージャーさんと一緒にケアプランを考える
  • そのプランの中で、必要な福祉用具や住宅改修を選んでいく

千葉市の場合は、お住まいの区ごとに地域包括支援センターがあり、まずはそちらが心強い相談先になります。介護度の判定や制度の適用は、ケアマネさん・主治医・自治体の窓口が正式に判断する部分ですので、迷ったときはそちらにご相談いただくのが確実です。福祉用具については、認定を待つあいだでも動き出せる仕組みがある場合もありますので、退院日が迫っているようなときは、早めにご相談いただけたらと思います。

離れていても、できる備えはあります

単身の親御さんの介護は、「そばにいられない」という心細さがどうしてもつきまといます。それでも、お家の環境を少し整えたり、見守りの手立てを用意したりすることで、ご本人が『住み慣れた家で、もう少し安心して暮らせる』時間を延ばせることは多いです。わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。

参考:ハートページナビ

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