介護のスポットワーク登録141万人に|親の福祉用具の使い方を家族で伝えるコツ

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉では朝晩が少しずつ涼しくなってきて、カフェで温かい飲み物を頼む日が増えてきました。

今回は、介護の現場で働く人の「働き方」に関するニュースをきっかけに、ご家族にできる小さな備えについてお話しします。

介護・看護のスポットワーク登録者が約141万人に

介護ニュースJointが2026年9月26日に報じた記事によると、介護・看護のスポットワーク(短時間・単発で働ける仕事)を仲介するサービス「カイテク」の登録ワーカーが約141万人、登録事業所が約3.2万か所になったそうです。記事では、47都道府県すべてでマッチングの実績があると紹介されていました。

記事の中で印象に残ったのは、次のような点です。

  • 同じ事業所で2回以上働くワーカーがおよそ9割、10回以上働く人もおよそ7割いて、単発で終わらず同じ場所で続けて働くケースが増えている
  • 利用が多いのはデイサービスや有料老人ホームで、特養や病院での利用も増えている
  • 一方で訪問介護での利用は限られていて、「個人宅に行くことになり難易度が高い」という社長のコメントがある

人手不足が続く介護の現場で、いろいろな働き方の人が支え手になってきている、ということですね。制度や事業の細かいところは、記事の元の情報や各事業所にご確認ください。

ご家族にとっては「関わる人が増える」ということ

このニュースを読んで、わたしが最初に思ったのは「親御さんに関わる人が増えていくんだな」ということでした。

デイサービスや施設では、これまでもシフトによって担当する職員さんが変わることはありました。これからは短時間だけ入る方も含めて、さらにたくさんの人がご本人を支える場面が増えるかもしれません。記事にあったように、同じ事業所で何度も働く方が多いのは心強いですね。それでも、初めてご本人に会う方がいる日はありえます。

そんなとき、ご本人の「いつものやり方」がきちんと伝わっていると、ご本人も職員さんも安心しやすくなります。特に福祉用具は、同じ車椅子や歩行器でも、使う方によって合わせ方やコツが違うことが多いんです。

福祉用具の「いつものやり方」は意外と伝わっていない

現場でよくいただくご質問なのですが、「デイに車椅子を持っていくとき、何か伝えておいたほうがいいですか?」と聞かれることがあります。

わたしが担当させていただいたお客様の中には、ご自宅で使っている車椅子のフットサポート(足をのせる台)の高さを、ご本人の足の長さに合わせて調整していた方がいました。ところが外出先で一度外して付け直したときに位置がずれてしまい、「なんだか座りにくい」とご本人がおっしゃったそうです。ご家族からご連絡をいただいて、お宅にうかがって元の位置に戻しました。どなたかが悪かったわけではありません。「いつものやり方」が、ちょっとしたところで伝わっていなかっただけなんです。

先輩から教わったのですが、福祉用具は「選ぶ」ことと同じくらい「その人に合わせて使い続ける」ことが大切だそうです。関わる人が多くなるほど、その「合わせ方」を言葉やメモで共有しておく意味が大きくなります。

ご家族が用意しておくと安心な「使い方メモ」

むずかしいものを作る必要はありません。A4用紙1枚ぐらいにまとめて、連絡帳にはさんだり、ケアマネージャーさんに渡したりするだけでも役に立つことがあります。目安として、次のような項目があると伝わりやすいです。

1. 使っている福祉用具と、その「クセ」

  • 車椅子:ブレーキのかけ方、フットサポートやひじ掛けを外すときの注意、クッションの向き
  • 歩行器・杖:いつもの高さ、左右どちらの手で持つか
  • ご自宅の介護ベッドや手すり:どこにつかまって立ち上がることが多いか

スマートフォンで写真を撮っておいて、「この向き」「この位置」と印をつけておくのもおすすめです。

2. 動作のときに気をつけてほしいこと

  • 立ち上がるとき、先にどちらの足を引くと楽なのか
  • 「せーの」などの声かけがあると動きやすいか
  • 痛みのある場所や、さわられると嫌がる場所

体の状態に関わることや、医療的な注意が必要なことは、自己判断で書くよりも主治医やリハビリの担当の方に確認してから書くと安心です。

3. ご本人が安心する言葉や好きな話題

福祉用具とは直接関係ないように思えるかもしれませんが、実はとても大事なところです。初めて会う職員さんでも、好きな話題がひとつわかると会話が始まって、ご本人の緊張がほぐれやすくなることが多いんです。

ケアマネさん・福祉用具専門相談員にも遠慮なく声をかけてください

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、デイサービスや施設と、ご自宅での福祉用具の使い方をそろえたいという声は少なくありません。サービス担当者会議(ケアマネさんを中心に、関わる事業所が集まって話し合う場)で、福祉用具の使い方を共有することもあります。

「こんなことまで伝えていいのかな」と迷うことでも、ぜひケアマネさんやわたしたち福祉用具専門相談員に話してみてください。ご家族だからこそ気づいているちょっとしたコツが、ご本人の安全や安心につながることがよくあります。

制度の話や事業所どうしの連携は、正直わたしも最初は混乱しました。「誰に何を伝えればいいの?」と迷ったら、まずはケアマネさんに相談するのが近道のことが多いです。お住まいの地域で相談先がわからないときは、千葉市なら各区の地域包括支援センターなど、自治体の窓口に確認してみてください。

「知らない人が来る」ことへの不安があるときは

ご家族の中には、「毎回違う人だと親が混乱しないか心配」と感じる方もいらっしゃると思います。そう感じるのは自然なことです。

気になることがある場合は、利用しているデイサービスや施設に「どんな体制で、どう引き継ぎをしているか」を聞いてみてもいいと思います。事業所によって工夫はさまざまですので、ひとつの事業所の話を全体に当てはめず、実際に確認するのが安心です。ご本人の状態の変化が心配なときは、主治医やケアマネさんにもご相談ください。

まとめ

  • 介護・看護のスポットワークの登録者が約141万人になり、デイサービスや施設で働く人の形が多様になってきています
  • 関わる人が増えるほど、福祉用具の「いつものやり方」を共有する意味が大きくなります
  • A4用紙1枚ぐらいの「使い方メモ」と写真があると、ご本人にも職員さんにも役立つことがあります
  • 迷ったらケアマネさん・福祉用具専門相談員に気軽に声をかけてください

わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:介護ニュースJoint

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