こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。
10月に入って、朝晩の空気がぐっと涼しくなりましたね。千葉市内のカフェでも秋のメニューが並びはじめて、季節の移り変わりを感じています。
さて今回は、少し気になるニュースを入口にお話しします。10月1日、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会で、高齢者の医療費の窓口負担の見直しについて議論が始まったと報じられました。「親の病院代が上がるの?」と不安に思われたご家族もいらっしゃるかもしれません。
先にお伝えしておくと、現時点では議論が始まった段階で、具体的な内容は何も決まっていません。この記事では、ニュースの内容を整理したうえで、在宅介護をしているご家族が「今のうちに確認しておけること」を、わたしの現場目線でまとめてみます。
ニュースのポイント|何が話し合われたの?
報道によると、10月1日の医療保険部会では、高齢者の医療費窓口負担の見直しについて議論が始まりました。記事に書かれている内容を整理すると、次のとおりです。
- 参考人として、日本退職者連合、日本退職公務員連盟、認知症の人と家族の会の3団体が招かれた
- 3団体からは、負担が増えることで受診控えや生活の困窮につながるのではないか、という懸念が示された
- 委員からは、「現役並み所得」の後期高齢者の医療費に公費負担がない構造の是正を求める意見や、過去に窓口負担を引き上げた際の受診行動の変化をふまえて慎重に検討すべきという意見が出た
つまり、「上げる・上げない」「どのくらい」といった結論はまだ出ておらず、これから議論が重ねられていく段階です。今後の動きは、厚生労働省の発表や報道で確認していく必要があります。
そもそも今の窓口負担はどうなっているの?
念のため、今の仕組みをざっくりおさらいしておきますね。目安として、70〜74歳の方は原則2割、75歳以上の方は原則1割(一定以上の所得がある方は2割)、現役並みの所得がある方は3割、という形になっています。
正直に言うと、わたしも最初は「医療は年齢で、介護は所得で割合が決まって…」と頭が混乱しました。医療保険と介護保険では負担割合の決まり方も、手元に届く証の種類も違うので、混乱するのは当然だと思います。ご自身の親御さんが何割なのかは、お手元の保険証(資格確認書など)や、お住まいの自治体の窓口で確認してみてください。
在宅介護のご家族にとって、なぜ気になるニュースなのか
在宅介護をしているご家庭では、医療費と介護費用の両方が毎月かかっていることが多いです。たとえば、
- 持病の定期通院や、訪問診療の費用
- お薬代
- 訪問介護やデイサービスの自己負担
- 介護ベッドや車椅子など、福祉用具レンタルの自己負担
こうした費用が重なると、どれか一つの割合が変わるだけでも、家計全体への影響は小さくありません。特に年金で暮らしている親御さんの場合、「病院代を節約しよう」と考えて、通院を減らしてしまうケースもあるかもしれません。ニュースで団体の方々が「受診控え」を心配されていたのも、まさにこの点だと思います。
現場でよくいただくご質問から
現場でよくいただくご質問なのですが、「介護保険と医療保険のお金って、まとめて考えていいんですか?」と聞かれることがあります。
わたしが担当させていただいたお客様の中には、ご本人が「病院代がかさむから、ベッドのレンタルはやめておこうかしら」とおっしゃった方もいました。ご家族と一緒にお話を最後までうかがってみると、実際には医療費と介護費それぞれの負担を軽くする制度が使える可能性があることがわかり、ケアマネージャーさんと相談しながら整理していくことになりました。「全部ひとりで抱えて計算しなくてよかったんですね」とほっとされた表情が、今も心に残っています。
お金の不安は、どうしても「何かを削る」方向に気持ちが向きがちです。でも、削ってしまう前に、使える制度や相談先がないかを確かめることが大切だと感じています。
今のうちにご家族が確認しておきたい4つのこと
制度がどう変わるかはまだわかりませんが、変わる・変わらないにかかわらず、今のうちに確認しておくと安心なことがあります。
1. 親の「医療」と「介護」の負担割合を把握する
医療保険の負担割合と、介護保険の負担割合(介護保険負担割合証に記載)は別々に決まります。両方を一度並べて見ておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
2. 1か月にかかっている費用をざっくり書き出す
通院費・お薬代・介護サービス・福祉用具レンタルなど、だいたいの金額で構いませんので、ひと月分を書き出してみてください。領収書をひとつの封筒やファイルにまとめておくだけでも、あとで確認するときにとても助かります。
3. 負担を軽くする制度があることを知っておく
医療費には高額療養費、介護費には高額介護サービス費という仕組みがあり、さらに医療と介護の両方の負担が重なったときの「高額医療・高額介護合算療養費制度」もあります。対象になるかどうかや申請方法は、目安だけで判断せず、自治体の窓口や専門家にご確認ください。
4. 通院を自己判断で減らさない
費用が心配でも、通院の回数やお薬を自己判断で減らすのは避けていただきたいです。体調の変化を見逃すことにもつながりかねません。通院の頻度やお薬については、必ず主治医にご相談ください。
福祉用具専門相談員として、できること
先輩から教わったのですが、「福祉用具は暮らしを続けるための道具で、ご家族の安心も一緒にお届けするもの」なのだそうです。わたしもその言葉を大切にしています。
医療費の話とは少し離れて見えるかもしれませんが、手すりや歩行器、介護ベッドなどで住まいの環境を整えることは、ご本人の転倒予防や、ご家族の介助の負担を減らすことにつながる場合があります。また、福祉用具のレンタル料は介護保険の自己負担として、毎月の費用に含まれます。「今の用具が本当に合っているか」「使っていないものはないか」を定期的に見直すことも、家計を整えるひとつの方法です。
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、用具の見直しはケアプラン全体とのバランスで考えることが大切です。気になることがあれば、担当のケアマネージャーさんや、わたしたち福祉用具専門相談員に遠慮なく声をかけてください。
千葉市・千葉県で相談できる場所
お金や制度のことで迷ったときは、ひとりで抱え込まないでくださいね。千葉市にお住まいの方なら、各区の区役所の窓口や、お住まいの地域を担当する地域包括支援センター(あんしんケアセンター)が相談先になります。千葉県内のほかの市町村でも、介護保険や高齢者医療の担当窓口が用意されています。
今回のニュースは、まだ「議論のスタート」です。今後どのような内容になるのかは、続報を待つ必要があります。わたしたちも引き続き動きを注視して、ご家族に関わる情報があればこのブログでもお伝えしていきます。
まとめ
- 10月1日、国の医療保険部会で高齢者の医療費窓口負担の見直し議論が始まった(具体的な内容は未定)
- 関係団体からは、受診控えや生活の困窮への懸念が示された
- 在宅介護のご家庭では、医療と介護の費用をセットで把握しておくと安心
- 負担を軽くする制度もあるので、自治体の窓口や専門家に確認を
- 通院やお薬は自己判断で減らさず、主治医にご相談を
わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
参考:m3.com(医療維新)
