こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!
「親に対してひどいことを言ってしまった」「何度同じことを伝えても聞いてもらえなくて、つい声を荒げてしまった」——介護をしていると、そんな瞬間に出くわすことが少なくないのではないでしょうか。
わたし自身、ご家族のお宅に訪問するなかで、「毎日疲れているのに、怒ってしまう自分がいやだ」とうちあけてくださる方と何度もお会いしてきました。そのたびに感じるのは、イライラは悪いことでも弱さでもなく、それだけ一生懸命介護をしている証だということです。
この記事では、介護中のイライラが生じる背景を整理したうえで、その場でできる短期対処法と、長い目で見たセルフケアの方法をご紹介します。
介護でイライラするのはなぜ?
介護中のイライラには、いくつかの背景が重なっていることが多いです。主なものを挙げてみます。
- 慢性的な睡眠不足・体の疲労:夜間の対応が続いたり、日中も気を張りっぱなしだと、心のゆとりがなくなっていきます。
- 先が見えない不安:「あとどれくらい続くのか」という見通しが立てにくい介護では、先行き不安が積み重なりやすいです。
- 自分の時間が持てない:趣味や友人との交流を諦めているうちに、心のガス抜きができなくなることがあります。
- 周囲に理解されない孤独感:「大変さをわかってもらえない」という気持ちが閉塞感につながることもあります。
こうした要因が重なると、ちょっとしたことでもイライラが爆発してしまうことがあります。まずは「自分がどんな状況に置かれているか」を客観的に見つめることが、対処の第一歩になります。
「介護者が自分自身の心身の健康を保つことは、介護を受ける方にとってもプラスになります。」
(出典:厚生労働省「介護に取り組む家族等への支援」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html)
その場でできる短期対処法
イライラが高まってきたと感じたとき、その場でできることをいくつかご紹介します。
① 深呼吸をする
感情が高ぶったときには、まず呼吸を整えることが効果的なことが多いです。鼻からゆっくり4秒吸って、口から8秒かけて吐く「4・8呼吸法」は、自律神経を落ち着かせるのに役立つといわれています。難しいときはただゆっくり息を吐くだけでもかまいません。
② その場を離れる
一時的にでも介護をしている空間を離れることが、気持ちのリセットに役立つことがあります。台所に行って水を一杯飲む、トイレに入って少しだけ一人になるだけでも違います。もちろん、安全を確認したうえでのことが前提です。
③ 声のトーンを意識する
感情的になりそうなとき、まず「声のトーンを落とす」ことだけを意識してみてください。声を落ち着かせることで、不思議と気持ちも落ち着いてくることがあります。
④ 「今日は疲れている」と認める
疲れているのに疲れていないふりをしている状態が続くと、感情の制御がきかなくなってきます。「今日は疲れている、だからイライラしやすい」と自分に声をかけるだけで、少し気持ちが楽になることもあります。
続けるための中長期セルフケア
その場の対処とあわせて、日常のなかでセルフケアを取り入れていくことも大切です。
睡眠の質を上げる工夫
夜間対応が多い方は、「昼間に少しでも横になる」「ショートステイを活用して夜通し眠れる日を作る」といった工夫ができることがあります。
小さな楽しみを残す
「介護を始めてから好きなことを何もしていない」という方は少なくありません。短時間でも自分の好きなことに触れる時間を意識して確保することが、精神的なゆとりにつながります。
記録する習慣
介護の記録だけでなく、自分の気持ちを日記やメモにつけることを習慣にすると、「自分がどんなときに辛いのか」が見えてくることがあります。また、書き出すこと自体がストレス発散になる場合もあります。
「家族介護者の健康管理と支援は、介護保険制度においても重要な視点として位置づけられています。」
(出典:厚生労働省「介護保険制度をめぐる状況について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)
レスパイトケアの活用
レスパイトケアとは、「介護者が休息できるよう、一時的に介護から離れるための支援」のことです。具体的には以下のようなサービスが活用できることがあります。
- ショートステイ(短期入所生活介護):数日〜数週間、介護施設に一時的に入所してもらうサービスです。介護者が旅行や病気の際にも利用されることがあります。
- デイサービス(通所介護):日中施設に通ってもらうことで、介護者が自分の時間を確保できます。
- 訪問介護(ホームヘルプ):ヘルパーが自宅を訪問してくれるため、その時間に買い物や通院ができます。
「サービスを使うのは申し訳ない」と感じる方もいらっしゃいますが、サービスをうまく活用してご自身が元気でいることこそ、長い介護を続けるための基盤になります。わたしも訪問先で「週に2回デイサービスを利用してから少し気持ちが楽になった」とおっしゃるご家族の言葉を聞くたびに、レスパイトケアの大切さを実感しています。
相談できる場所
一人で抱え込まず、相談できる場所を知っておくことも大切です。
- 地域包括支援センター:介護に関する総合的な相談窓口です。お住まいの市区町村に複数設置されており、無料で相談できます。
- ケアマネージャー(介護支援専門員):すでに介護保険サービスを利用している場合は、担当のケアマネージャーに率直に伝えてみてください。
- 家族介護者の会:同じ立場の仲間と話すだけで気持ちが軽くなることがあります。千葉県内でもいくつかの団体が活動しています。
- かかりつけ医:睡眠が取れない、食欲がないなど体の症状が続く場合はかかりつけ医に相談してみてください。
自分を責めないために
イライラしたり、強い言葉を言ってしまったりした後に「最低な自分だ」と落ち込む方は多いと思います。でも、それはむしろそれだけ真剣に介護に向き合っている証でもあります。
大切なのは「完璧な介護者」であることではなく、「介護を続けられる介護者」でいることではないでしょうか。ときにイライラしながらも、翌朝また向き合える。それで十分だとわたしは思っています。
もし「最近ずっとしんどい」「イライラが止まらない」と感じているなら、それはサービスを使うサインかもしれません。地域包括支援センターや担当のケアマネージャーに相談することをおすすめします。
よくあるご質問
参考にした情報
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html (2026年5月時点)
- 厚生労働省「介護に取り組む家族等への支援について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html (2026年5月時点)
- 内閣府「令和5年版高齢社会白書」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html (2026年5月時点)
まとめ
- 介護中のイライラは自然な感情であり、弱さではありません
- その場では深呼吸・その場を離れるなどで対処できることがあります
- レスパイトケア(ショートステイ・デイサービスなど)を活用して休息を取ることが大切です
- 相談先は地域包括支援センター・ケアマネージャー・介護者の会など
- 「完璧な介護者でなくていい」という気持ちを持つことが、長く続けるための基盤になります
おひとりで抱え込まず、ぜひシルバーとっぷにもご相談ください。千葉県内で35年、地域のご家族を支えてきた経験を活かしてお手伝いします。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的診断や治療を推奨するものではありません。心身に深刻な症状がある場合は、医療機関にご相談ください。記事の情報は2026年5月時点のものです。最新情報は厚生労働省または各自治体にご確認ください。
