福祉用具はレンタルと購入どちらがお得?判断基準と賢い使い分け

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「福祉用具はレンタルと購入、どちらがいいの?」というご相談は、わたしが最もよくいただくご質問のひとつです。

結論から申し上げると、どちらが一律にお得ということはなく、用具の種類・ご本人の状態・今後の見通しによって使い分けることが大切です。

介護保険制度では、レンタルできる品目と購入で給付を受けられる品目が制度上で分かれています。まずはその仕組みを知ることが、賢い選択への第一歩です。この記事では、制度の違いから実際の判断基準まで、できるだけわかりやすくお伝えします。

レンタル対象品目と特定福祉用具販売品目の違い

介護保険の福祉用具には、「貸与(レンタル)」と「特定福祉用具販売(購入)」の2種類があります。どちらの対象になるかは、国が品目ごとに定めています。

貸与(レンタル)対象の13品目

手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ・車椅子・車椅子付属品・特殊寝台・特殊寝台付属品・床ずれ防止用具・体位変換器・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト・自動排泄処理装置(本体部分)の13品目です。
(出典:厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html)

これらは原則としてレンタルのみで介護保険の給付が受けられます。購入でも使うことはできますが、購入費用への介護保険給付は原則ありません。

特定福祉用具販売(購入)対象の品目

腰掛便座・自動排泄処理装置の交換可能部品・入浴補助用具(シャワーチェア・浴槽用手すり・浴槽内いす・入浴台・浴室内すのこ・浴槽内すのこ)・簡易浴槽・移動用リフトのつり具部分の5種類が対象です。

これらは直接肌に触れるものや衛生面の理由から購入給付とされています。レンタルができないわけではありませんが、介護保険の給付は「購入」で受ける仕組みです。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)

特定福祉用具販売(年10万円まで)の制度概要

特定福祉用具販売では、1年度(4月〜翌年3月)に10万円を上限として、購入費用の1割〜3割の自己負担でご利用いただける制度です。

主な特徴

  • 上限:年度ごとにおよそ10万円まで(税込)
  • 自己負担:購入費用の1割・2割・3割のいずれか(所得に応じて異なる)
  • 手続き:購入後に領収書等を添えて市区町村に申請(償還払い)、または指定事業者では受領委任払いの場合もある
  • 対象:要支援1以上の認定を受けている方

10万円の上限はあくまで目安であり、複数の品目を合わせて購入することもできます。ただし合計が10万円を超えた分は全額自己負担となりますので、計画的に利用することをおすすめします。

レンタルと購入の比較表

比較項目 レンタル 購入(特定福祉用具販売)
初期費用 月額費用のみ(低め) 購入費用が一時的にかかる
介護保険の給付 月額のうち1〜3割自己負担 購入費の1〜3割自己負担(年10万円上限)
状態変化への対応 機種変更・返却がしやすい 一度購入すると変更しにくい
メンテナンス 事業者が対応(通常の使用範囲) 自己管理が原則
衛生面 共用品のため気になる方もいる 新品を使用できる
長期利用 長期になると総額が高くなる場合も 長期使用ならコストメリットが出やすい
保管・処分 不要になれば返却するだけ 処分・保管の手間が生じる

レンタルが向いている用具・状況

次のような場合は、レンタルのほうが合っていることが多いです。

  • 状態が変化しやすい時期(退院直後・認定を受けたばかりなど):身体機能や必要な機能が変わりやすいため、交換しやすいレンタルが便利です
  • 高額な用具(電動介護ベッド・電動車椅子など):購入すると大きな初期費用がかかりますが、レンタルなら月々の費用で利用できます
  • 試用してから決めたい場合:実際に使ってから継続するかを判断できます
  • メンテナンスを自分でできない場合:レンタルなら事業者がサポートしてくれます
  • 使用期間が短い可能性がある場合(短期入院後など):使わなくなっても返却できます

わたしが担当させていただいたお客様の中に、退院直後に介護ベッドをレンタルで始め、半年後に状態が改善してベッドの種類を変更したケースがありました。「最初から購入していたら無駄になっていた」とご家族がおっしゃっていたことが印象に残っています。

購入が向いている用具・状況

次のような場合は、購入(特定福祉用具販売)が向いていることが多いです。

  • 肌に直接触れる用具(シャワーチェア・腰掛便座など):衛生面から購入を選ばれる方が多いです
  • 状態が安定していて長期使用が見込まれる場合:長く同じ用具を使うなら、購入のほうがトータルコストを抑えられる場合があります
  • レンタル対象外の品目:特定福祉用具販売品目はそもそも購入給付の制度です
  • 本人の強いこだわりがある場合:「自分だけのもの」という安心感が使い続けるモチベーションになることもあります

状態変化に応じた使い分け方

「今は状態が安定しているけれど、これからどうなるか不安」という場合は、以下のような使い分けが考えられます。

状況 おすすめの選択 理由
認定を受けたばかり・状態が不安定 レンタル中心 身体機能や必要な機能が変わりやすいため
状態が安定し、長期使用が見込まれる 購入を検討 総コストが抑えられる可能性がある
入浴・排泄補助用具 購入(特定福祉用具販売) 衛生面・制度上の理由
電動ベッド・車椅子など高額品 レンタル中心 初期費用を抑えながらメンテも受けられる
リハビリ中・退院直後 レンタルで様子を見る 状態改善に応じて用具を変えやすい

状態の変化に合わせてレンタルと購入を組み合わせることも選択肢の一つです。まずはケアマネージャーさんや福祉用具専門相談員にご相談ください。

よくあるご質問

Q
レンタルと購入を同時に利用することはできますか?
A
はい、できます。レンタル対象品目はレンタルで、特定福祉用具販売品目は購入で、それぞれ介護保険を利用することが可能です。
Q
特定福祉用具販売の年10万円の上限は毎年リセットされますか?
A
はい、原則として年度(4月〜翌年3月)ごとにリセットされます。年度をまたいで計画的に利用することもできます。
Q
購入した福祉用具が合わなかった場合、どうすればよいですか?
A
購入品はレンタルのように返却することはできません。購入前に試用できるか、福祉用具専門相談員に相談してみてください。
Q
レンタルを長く続けると、購入よりも高くなることがありますか?
A
用具の種類や月額費用によっては、数年使用した場合に購入の総額を上回ることがあります。ただしメンテナンス費用や交換コストも考慮する必要があり、一概にどちらが高いとは言い切れません。
Q
要支援でも特定福祉用具販売は利用できますか?
A
はい、要支援1以上であれば特定福祉用具販売の給付対象となります。ただし、担当のケアマネージャーや地域包括支援センターへの確認をおすすめします。
Q
自費でレンタルや購入することもできますか?
A
はい、介護保険を使わず全額自費で利用することも可能です。介護保険の認定を受けていない方や、支給限度額を超えてサービスを利用したい場合などに選ばれることがあります。

参考にした情報

まとめ

  • 介護保険の福祉用具にはレンタル(貸与)対象13品目特定福祉用具販売(購入)対象品目がある
  • 特定福祉用具販売は年度ごとにおよそ10万円まで介護保険の給付が受けられる
  • レンタルは状態変化への対応・メンテナンス・初期費用の低さがメリット
  • 購入は衛生面・長期使用時のコスト・本人専用の安心感がメリット
  • 状態が不安定な時期はレンタル中心、安定したら購入検討という使い分けが現実的
  • 迷ったときはケアマネージャーや福祉用具専門相談員に相談するのが一番の近道

「うちの親に向いているのはどちらか」と悩まれることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に最適な方法を探します。

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※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。

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