玄関のバリアフリー化|スロープと手すりの選び方

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「玄関の段差で足が上がらなくて……」というご相談を多くいただきます。玄関は外出・帰宅のたびに必ず通る場所なので、ここのバリアフリー化は暮らしの安心・自立に直結します。

この記事では、玄関の段差解消・スロープの選び方・手すりの設置位置・玄関ベンチの活用について詳しくご説明します。

玄関の段差を把握する

玄関のバリアフリー化を検討するとき、まず以下の場所の段差を確認します。

  • 玄関ポーチ(外部)から玄関土間(内部)への段差:外と内の高さの違い
  • 玄関土間から廊下(室内)への段差:「上がり框(かまち)」と呼ばれる段差
  • 玄関ポーチから道路・駐車場までの段差・傾斜

玄関の上がり框は15〜20cm程度の段差があることが多く、この部分でのつまずき・転倒が多い印象です。

スロープの種類と勾配の目安

玄関の段差解消にはスロープが効果的です。スロープには大きく工事型置き型(携帯用)の2種類があります。

工事型スロープ

コンクリートや木材でつくる固定式のスロープです。耐久性が高く、車椅子でも安心して利用できます。介護保険の住宅改修費(段差解消)の対象になります。

置き型(携帯用)スロープ

アルミやゴム製で設置・撤去が容易なスロープです。工事不要なものは介護保険のレンタル対象(段差解消スロープ)になる場合があります。

勾配の目安

スロープの勾配(傾き)は使いやすさ・安全性に直結します。

利用者の状況 勾配の目安
歩行器・杖を使う方 1/8〜1/10程度(高さ1cmに対して水平距離8〜10cm)
自走式車椅子の方 1/12〜1/15程度
介助型車椅子(介助者あり) 1/8程度まで対応可能なケースも

勾配が急すぎると車椅子が使いにくく、緩すぎると長いスロープが必要になります。段差の高さと設置スペースのバランスを確認してください。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

わたしが伺ったあるご家庭では、玄関前のポーチが狭く、適切な勾配のスロープが設置できないため、置き型スロープとポーチへの手すり設置を組み合わせた対応をしていました。住宅の構造によってベストな方法は異なりますので、現地確認が重要です。

縦手すりの設置位置

玄関でよく使われる手すりは縦型の手すりです。立ち上がり・立ち座り・段差の昇降動作を支えます。

設置位置の目安

  • 玄関土間〜廊下の上がり框付近:框を昇降する際に体重をかけられる位置に縦手すりを設置
  • 玄関ポーチの扉横:玄関扉の開閉時に掴まれる位置
  • 靴の着脱場所:片足立ちになる動作を支えるため、腰の高さより少し上に横手すりを合わせた組み合わせも有効

高さの目安は、床から手すりの中心まで75〜85cm程度ですが、使う方の身長・体格に合わせて調整します。

壁の下地補強について

手すりを安全に固定するには、壁内部の下地(木材)への取り付けが必要です。下地がない場合は補強工事が必要になります。設置前に施工業者に確認してもらいましょう。

玄関ベンチ・腰掛け台の活用

玄関での靴の着脱は、片足立ちになるバランスの難しい動作です。玄関ベンチや腰掛け台を設置することで、安全に靴の着脱ができます。

選び方のポイント

  • 高さの目安:膝が直角になる高さ(目安として40〜45cm)
  • 安定性:体重をかけてもぐらつかないものを選ぶ
  • 肘掛け・背もたれの有無:立ち上がり補助のために肘掛けがあると便利

玄関の広さに合わせてコンパクトなものから据置型まで選択肢があります。福祉用具の中には「玄関台(踏み台)」として介護保険レンタルの対象になるものもあります。

(出典:厚生労働省「介護・高齢者福祉」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html

介護保険の住宅改修費との関係

玄関のバリアフリー工事で住宅改修費の対象になる可能性のある工事は以下のとおりです。

  • 固定式スロープの設置(段差の解消)
  • 壁固定の手すり設置(手すりの取り付け)
  • 上がり框の段差縮小(段差の解消)
  • 扉の引き戸化(引き戸等への扉の取り替え)

工事前の事前申請(市区町村への申請)が必要です。

よくあるご質問

Q
スロープを設置するスペースがない場合はどうすればいいですか?
A
玄関の横幅や奥行きが限られている場合は、段差解消機(小型リフト)の設置や、段差を縮小する工事(框のかさ下げ)なども選択肢のひとつです。施工業者やケアマネージャーに現地確認を依頼してみてください。
Q
賃貸住宅の玄関に手すりは設置できますか?
A
家主の許可があれば設置できます。許可を得た上で住宅改修費を申請する際は、家主の承諾書が必要です。
Q
玄関台(踏み台)はレンタルできますか?
A
介護保険の対象にはなっていないことが多いですが、自費での購入が比較的安価にできます。選択肢のひとつとしてご検討ください。
Q
車椅子対応にするためにはどの程度の工事が必要ですか?
A
車椅子での出入りには、スロープの勾配・幅・扉の幅などの要件があります。住宅の構造によって対応内容が変わるため、専門業者に相談することをおすすめします。
Q
玄関ベンチは福祉用具として購入補助がありますか?
A
一般的な玄関ベンチは介護保険の特定福祉用具には含まれていませんが、腰掛け台として利用できる製品の中にはレンタル・購入対象のものもあります。担当のケアマネージャーや福祉用具専門相談員にご相談ください。

参考にした情報

まとめ

  • 玄関のバリアフリー化は段差解消・手すり設置・靴着脱の安全化が3本柱
  • スロープは勾配の目安(自走車椅子で1/12〜1/15程度)に注意して選ぶ
  • 縦手すりは上がり框の昇降・玄関扉の開閉動作を支える位置に設置
  • 玄関ベンチ・腰掛け台で靴の着脱が安全になる
  • 工事型スロープ・手すりは介護保険の住宅改修費の対象になる可能性がある

玄関は「最初の1歩」の場所。ここを安全にすることで外出する意欲が維持されるケースも多くあります。ぜひ早めにご相談ください。

千葉県で福祉用具・住宅改修のご相談なら、株式会社シルバーとっぷへ。お気軽にどうぞ。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。住宅改修の詳細は担当ケアマネージャーまたは市区町村にご確認ください。

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