介護用杖の選び方|T字杖・四点杖・多脚杖の使い分け

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「杖を使った方がいいといわれたけれど、どんな種類を選べばいいかわからない」——そんなご相談を、訪問先でよくいただきます。

杖にはT字杖・四点杖・多脚杖など複数の種類があり、使う方の状態や使用場所によって適切なものが異なります。また、杖の長さが合っていないと、かえって体への負担が増えることもあります。

この記事では、種類ごとの特徴と使い分け、長さの調整方法、介護保険の扱い、屋内外での使い方を詳しくお伝えします。

介護用杖の概要

杖は歩行の安定を補助し、転倒リスクを軽減するための器具です。歩行時の支持面積を増やすことで、バランスの取りにくい状態でも安全に歩行できるよう助けます。

介護保険制度では「歩行補助つえ」として福祉用具貸与の対象品目に定められており、要支援1以上の方がレンタルできます(一部の杖は購入のみの取り扱いとなる場合もあります)。
(出典:厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html

T字杖(ステッキ)の特徴

T字杖はグリップ(握り部分)がT字型になっているもっとも一般的な杖です。木製・アルミ製・カーボン製などの素材があります。

  • 向いている方の目安:軽いバランスの補助が必要な方、主に一側の上肢でサポートする場合
  • メリット:軽量でコンパクト。屋内外問わず使いやすい。デザインが豊富
  • 注意点:設置面が1点(先端のみ)のため、四点杖に比べると安定性は低くなります

四点杖の特徴

四点杖はグリップの下に4本の脚(支点)がある杖です。設置面積が広く、安定性が高いのが特徴です。

  • 向いている方の目安:脳梗塞後の片麻痺など、一側の力が弱い方。T字杖では安定しにくい方
  • メリット:4点で支えるため安定性が高い。杖を離しても自立する機種が多い
  • 注意点:T字杖より重くなりやすい。段差や狭い場所では脚が引っかかることがある

(出典:公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム(TAIS)」 https://www.techno-aids.or.jp/

多脚杖の特徴

多脚杖は3点・4点・5点など複数の脚を持つ杖の総称です。四点杖もこのカテゴリに含まれることがありますが、より脚の数が多いものや特殊な形状のものも含まれます。

  • 向いている方の目安:より広い支持が必要な方、立ち上がり補助としても使いたい方
  • メリット:支持面積が広く安定性が高い
  • 注意点:重量があるため腕の力が必要。床の段差や不整地では全脚を床につけにくい場合があります

杖の長さの調整方法

杖の長さが合っていないと、姿勢の乱れや肩・腕への余計な負担につながることがあります。

杖の長さの目安

立った状態で、腕を自然に下ろしたときの手首(大転子の高さ)に合わせるのが基本とされています。

  • 杖を持って立ったとき、肘が約20〜30度曲がる程度が目安といわれています
  • 身長の約43〜45%が大まかな目安とされることもありますが、個人差があります

調整のポイント

  • 靴を履いた状態で長さを調整する
  • 調整後、実際に歩いてみてぐらつきや肩への負担がないか確認する
  • 「長すぎる」と感じたら0.5cm単位で少しずつ短くして試す

設置時にわたしたちも一緒に長さを確認し、歩いていただきながら調整しています。

屋内・屋外での使い分け

屋内での使用 屋外での使用
路面の状態 フローリング・畳・廊下 舗装路・砂利・濡れた路面
重視するポイント 滑り止めゴムの状態・取り回しのしやすさ 石突き(先端)のグリップ力・耐久性
杖先(石突き) 室内用ゴム(柔らかめ) 屋外用ゴム(硬め・溝あり)

杖先のゴム(石突き)は消耗品です。摩耗してきたら早めに交換することが転倒予防につながります。

介護保険での扱い(歩行補助つえ)

介護保険の福祉用具貸与制度では、T字杖・四点杖・多脚杖は「歩行補助つえ」として対象品目に定められています。要支援1以上の方がレンタルできます。

ただし、市販の一般的なステッキや木製のT字杖は、事業者によって購入対応のみの場合もあります。介護保険でのレンタル・購入については、担当のケアマネージャーや福祉用具専門相談員に確認してください。

現場でのエピソード

以前、脳梗塞の後遺症で右片麻痺のある方のお宅を訪問したことがあります。T字杖を使っていたのですが、「歩くと杖がぐらついて怖い」とおっしゃっていました。

右手の握力が低下しており、T字杖の1点支持では安定が難しくなっていることがわかりました。四点杖に変更したところ、「置いたときに倒れないし、ぐらつきが減った」とご本人に喜んでいただけました。長さも靴を履いて再調整し、歩くときの姿勢が少しずつよくなってきたとのことで、うれしい変化を感じることができました。

よくあるご質問

Q
右と左、どちらの手で杖を持てばよいですか?
A
一般的には、痛みや麻痺のある側と反対の手で持つとされています。ただし、状態によって異なりますので、リハビリ担当の専門職にご確認ください。
Q
杖の先端(石突き)はどのくらいで交換すればいいですか?
A
ゴムが薄くなってきたり、滑り止めの溝がすり減ってきたら交換の目安です。目安として数カ月〜1年程度で確認することをお勧めします。
Q
杖は介護保険で購入できますか?
A
歩行補助つえは介護保険の福祉用具貸与(レンタル)の対象品目です。ただし、品目によっては購入補助の対象外となります。ケアマネージャーにご確認ください。
Q
T字杖と四点杖、どちらが屋外で使いやすいですか?
A
屋外の平坦な舗装路ではT字杖の方が動かしやすいことが多いです。四点杖は段差や不整地で全脚をつきにくい場合があります。使用環境によって使い分けを検討することをお勧めします。
Q
杖を使う際に気をつけることはありますか?
A
杖先のゴムが磨耗していないか定期確認すること、ぬれた路面や滑りやすい床面では特に注意すること、杖に全体重をかけ過ぎないようにすることなどが大切です。

参考にした情報

まとめ

  • T字杖:軽量でシンプル。軽いバランス補助に。1点支持のため安定性は低め
  • 四点杖:4点支持で安定性が高い。片麻痺の方などに向いていることが多い
  • 多脚杖:支持面積が広い。安定性は高いが重量・取り回しに注意
  • 杖の長さは手首の高さ(大転子)が基本。靴を履いた状態で調整
  • 杖先のゴムは消耗品。摩耗したら早めに交換
  • 介護保険では「歩行補助つえ」として要支援1以上から対象

杖の選択でお悩みの際は、シルバーとっぷへお気軽にご相談ください。千葉県内のご自宅へ訪問し、実際の歩行状態を確認しながらご提案します。

千葉県で介護用杖のレンタルをお考えなら、株式会社シルバーとっぷへ。お気軽にお電話ください。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。杖の長さの調整はあくまで目安であり、個人差があります。

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この記事を書いた人
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雲居 愛

株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部

福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。

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