こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です。
「夫が妻の介護をしているけれど、夫自身も腰が痛くて大変そう」「高齢の親同士で介護し合っているようだが、二人とも限界が近いのではないか」——こうしたご相談は、千葉市内を訪問していると決して珍しくありません。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」は、日本全体の課題ですが、千葉市でも、特に大規模ニュータウンで深刻化しています。
この記事では、千葉市での老老介護の実態と、介護者自身の体・心を守りながら在宅介護を続けるための福祉用具・サービスの活用法をお伝えします。
千葉市の老老介護の実態
千葉市では、美浜区の海浜ニュータウン・若葉区の千城台・稲毛区など、高度経済成長期から昭和40〜50年代に整備された大規模ニュータウンで、入居当時の若いファミリー世帯が現在70〜80代を迎えており、「高齢夫婦二人きりで暮らす世帯」が急増しています。
国の調査では、在宅で介護を行う介護者のうち約6割が60歳以上であり、老老介護は全国的に増加しています。
(出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html)
千葉市でも、稲毛区を中心に「70代の夫が80代の妻を介護」「80代の妻が認知症の夫を一人で支えている」というケースをわたし自身が担当させていただいています。老老介護では介護する側もすでに体力・健康面での課題を抱えていることが多く、「共倒れ」を防ぐための対策が急務です。
介護者の腰痛・膝痛を引き起こす介護動作とその対策
老老介護の介護者が最も多く訴えるのが腰痛・膝痛です。毎日の移乗介助(ベッドから車椅子への移動、トイレへの移動など)は、前傾姿勢・持ち上げ動作の繰り返しで腰に大きな負担をかけます。体力がある若い介護者でも腰痛になるのですから、70〜80代の高齢介護者には特に深刻です。
腰への負担を軽減する代表的な福祉用具をご紹介します。
電動介護ベッド(特殊寝台)の高さ調整機能
介護ベッドの高さを介護者の腰の高さに合わせることで、前傾姿勢での介助が不要になります。科学的研究でも、適切な高さの介護ベッドを使うことで介護者の腰部負担が大幅に軽減することが示されています。特に移乗介助の際は「ベッドを高くして作業する」「ベッドを低くして本人が立ち上がりやすくする」と場面に合わせて調整できます。
スタンディングマシン・移乗補助用品
スタンディングマシン(立位補助器具)を使うと、介護者が持ち上げなくても本人が自力で立ち上がる動作を補助できます。また、スライディングボードを使うとベッドから車椅子への横移動が「持ち上げ」ではなく「滑らせる」動作でできるようになり、介護者の腰への負担を劇的に減らすことができます。
移動用リフト
要介護度が高くなり自力での立ち上がりが困難になった場合は、移動用リフトの検討をお勧めします。つり具(スリング)で本人を抱え込み、電動または手動で持ち上げて移動させる器具で、介護者が本人の体重をほぼ支えなくてよくなります。要支援1以上の方が介護保険でレンタル可能です。
老老介護世帯での認知症への対応
老老介護の世帯では、介護される側だけでなく介護する側も認知機能の低下が進む場合があります。「夫が妻の介護をしているが、夫自身も最近物忘れが増えてきた」というケースは珍しくありません。
認知症が疑われる状況で特に重要な福祉用具が認知症老人徘徊感知機器です。ドアセンサーや床センサーで外出・転倒を感知して通知します。要介護2以上の認知症のある方が介護保険でレンタルできます。
千葉市では認知症が疑われる方への早期支援として認知症初期集中支援チームが各区の地域包括支援センターに配置されており、相談・訪問支援を行っています。「もしかして認知症かも」と思ったら、早めに相談してください。
介護者自身が要支援・要介護になった場合
老老介護の介護者自身が体調を崩したり、転倒・病気で要支援・要介護状態になることがあります。その場合、介護する側・される側の両方がサービスを受ける「2人分のケアプラン」が組まれることになります。
ケアマネージャーが2人分のケアプランを別々に担当するか、同一のケアマネが両方を担当するかは状況によります。いずれにしても、介護者自身の状態悪化に気づいたら早めにケアマネ・地域包括支援センターに相談することが重要です。
老老介護の介護者が要介護認定を受けることで、デイサービスや訪問介護を利用できるようになり、介護から離れて「休む時間」を確保できるようになります。
千葉市のデイサービス・ショートステイを使った「休息日」の確保
老老介護で最も危険なのは、介護者が「休まずに続ける」ことです。デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所)を組み合わせることで、介護者が「休める日」を意図的に作ることが大切です。
- デイサービス:週2〜3回程度、介護される側がデイサービスセンターへ通うことで、介護者はその時間を自分のために使えます。
- ショートステイ:月に数日から1週間程度、介護される側が施設に短期入所します。介護者が自身の受診・入院・旅行など、まとまった「自分の時間」を確保できます。
「施設に預けるなんて申し訳ない」と思う介護者は多いのですが、介護者が倒れてしまえばそれこそ在宅介護が続けられなくなります。デイサービスやショートステイの利用は、介護を「長く続けるための知恵」として前向きに捉えてほしいとわたしは思っています。
孤立しがちな男性介護者への支援
老老介護では「夫が妻を介護するケース」も増えています。男性介護者は「相談に行くのが恥ずかしい」「一人でなんとかしなければ」と思い込みやすく、孤立しやすい傾向があります。
千葉市内では、介護者向けの「介護者サロン」が各地区で開かれており、同じ立場の介護者が集まって情報交換・交流できる場があります。詳しくは地域包括支援センターにお問い合わせください。また、千葉市の公式サイトでも介護者支援事業の情報が確認できます。
(出典:千葉市「介護者支援」 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/korei/kaigo/)
「共倒れ」を防ぐ早期相談の重要性
老老介護の最大のリスクは「共倒れ」です。介護者が倒れると、介護される側も介護を受けられなくなります。千葉市の地域包括支援センターへの相談は早ければ早いほど有効です。
「まだなんとかなっている」「他の人に迷惑をかけたくない」という気持ちは理解できますが、専門職が早い段階から関わることで選択肢が広がります。「まだ限界ではないけれど不安がある」という段階での相談を、わたしたちは心からお勧めします。
稲毛区を拠点とするシルバーとっぷでは、老老介護の世帯に対して「介護者の体への負担を減らす用具」を優先的に提案しています。移乗補助・体位変換・ベッド高さ調整など、介護者の腰を守ることが在宅介護の継続につながると考えているからです。
よくあるご質問
まとめ
- 千葉市の大規模ニュータウンで老老介護世帯が増加中
- 電動介護ベッドの高さ調整・スタンディングマシン・移動用リフトで介護者の腰痛・体力低下を防ぐ
- 認知症の進行には徘徊感知機器と地域包括支援センターの認知症初期集中支援チームを活用
- デイサービス・ショートステイで介護者が「休める日」を計画的に確保する
- 介護者自身が要支援・要介護になったら早めに認定申請を行う
- 「共倒れ」を防ぐために早期相談が最大の対策
老老介護は、決して恥ずかしいことでも、特別なことでもありません。千葉市内でとても多くのご夫婦が向き合っていることです。お二人だけで抱え込まず、わたしたちや地域包括支援センターに気軽に声をかけてください。
千葉市の老老介護の悩み、シルバーとっぷにご相談ください。介護者の体を守る用具選びのプロが対応します。
お問い合わせフォームはこちら
参考にした情報
- 厚生労働省「国民生活基礎調査」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html(2026年6月時点)
- 千葉市「介護者支援」 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/korei/kaigo/(2026年6月時点)
- 千葉市「地域包括支援センターの一覧」 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/korei/chiikishien/chiikihoukatusien.html(2026年6月時点)
雲居 愛(くもい あい)
株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新の制度内容・サービス内容は千葉市または各担当機関にご確認ください。
