猛暑下の訪問介護ヘルパーも限界に|夏の在宅介護をご家族が福祉用具で支えるには

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市も連日きびしい暑さが続いていますが、みなさん、そしてご家族のお身体は大丈夫でしょうか。わたしも訪問でお宅をまわっていると、玄関を一歩出るだけで汗が止まらない毎日です。

先日、気になるニュースを目にしました。市民団体「ケア社会をつくる会」が、猛暑のなかで働く訪問介護のヘルパーさんを対象に、暑さ対策の実態調査を行っている、という記事です(ケアニュース by シルバー産業新聞・2026年8月7日)。今日はこのニュースを入口に、「夏の在宅介護で、ご家族が知っておきたいこと」を、現場目線でお話しさせてください。

ニュースの概要:猛暑の訪問介護、ヘルパーさんも大変な状況に

記事によると、この実態調査は訪問介護の現場で働くホームヘルパーさんを対象にしたもので、昨年はおよそ851人から回答が寄せられたそうです。炎天下の移動によって「めまいや頭痛、しびれ、嘔吐など熱中症に類する症状」が出た、倒れかけたという声も報告されているとのことでした。

  • ネッククーラーなど暑さ対策の用品を、自己負担で用意しているケースが多いこと
  • その負担の大きさから「退職を考えた」という回答もあり、離職が進むことへの懸念があること
  • 今回の調査は8月15日が締切で、国の支援策がどれくらい使われているか、物品だけでは解決できない困りごとを集めていること

記事に書かれていたのはここまでの内容です。制度や支援策の細かい部分については、わたしから断定することは控えますね。詳しくは各自治体の窓口や専門の方にご確認いただくのが安心です。

この記事を読んで、わたしは「ご家族にも知っておいてほしいな」と思いました。というのも、在宅介護は、ご本人・ご家族・ヘルパーさん・ケアマネージャーさんなど、いろいろな立場の人がチームで支えているからです。支え手のひとりであるヘルパーさんが夏にこれだけ大変ということは、めぐりめぐって在宅介護そのものにも関わってくるのです。

なぜこのニュースがご家族に関係するのでしょう

「ヘルパーさんが暑くて大変」というのは、一見すると事業者側の話に思えるかもしれません。でも、現場でよくいただくご質問なのですが、「夏場は訪問の時間どおりに来てもらえるのか不安」「人手が足りないと聞くけれど、これから大丈夫かしら」というお声を、ご家族からよくうかがいます。

ベテランの先輩によると、介護の担い手不足は年々話題になっていて、特に夏は体力的な負担が大きい季節なのだそうです。もちろん、ヘルパーさんもケアマネージャーさんも、みなさん一生懸命に工夫をされています。ただ、ご家族の側でも「訪問と訪問の合間の時間を、いかに安全に過ごしてもらうか」という視点を持っておくと、ご本人にとってもご家族にとっても、ぐっと安心感が増すことが多いのです。

むずかしい制度の話が続くと、わたしも最初は頭が混乱しました。ですので、ここからは「今日から家でできること」に絞って、やわらかくお話ししますね。

夏の在宅介護で、ご家族ができる3つの備え

1. まずは室内の環境を整える

高齢の方は、暑さやのどの渇きを感じにくくなることがあると言われています。エアコンを「もったいないから」と我慢してしまう方も少なくありません。目安として、日中も夜間もお部屋の温度をこまめに確認し、風の通り道をつくってあげるだけでも、ずいぶん過ごしやすくなります。ベッドの位置が西日の当たる窓ぎわにある、というお宅も意外と多いので、模様替えで解決できることもありますよ。

2. 「訪問の合間」を福祉用具で安全にする

ここは、わたしたち福祉用具専門相談員がいちばんお役に立てるところかもしれません。ヘルパーさんの訪問は1日のうち限られた時間です。その合間に、ご本人がひとりで動くときの転倒や無理を減らせる道具を整えておくと、暑い時期の思わぬ事故を防ぎやすくなります。

  • ポータブルトイレ:暑い時間帯に遠いトイレまで移動する負担を減らせます。夜間の転倒予防にもつながります。
  • 手すり:立ち上がりや廊下の移動を支えます。工事不要でレンタルできるタイプもあります。
  • 見守り・センサー機器:離れて暮らすご家族が、ご本人の様子をそっと見守る助けになります。認知症の方の外出(徘徊)が心配なご家庭でご相談をいただくことも多い品目です。
  • 介護ベッド:起き上がりや立ち上がりが楽になり、水分補給や着替えのときの負担が軽くなります。

どの用具が合うかは、お一人おひとりの状態やお住まいによって変わります。わたしが担当させていただいたお客様の中には、ポータブルトイレを1台お使いになっただけで、夜のトイレ移動の不安が減り、ご家族の睡眠も守られた、という方もいらっしゃいました。福祉用具はレンタル前に試せる場合もありますので、気になるものはお気軽にご相談くださいね。

3. ヘルパーさん・ケアマネさんと情報を分かち合う

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、夏場はとくに「ご本人の水分の摂り方」「エアコンの設定」「体調の変化」をチームで共有できていると、対応がスムーズになります。連絡ノートやアプリで、ちょっとした気づきを書き残しておくだけでも、訪問するヘルパーさんの助けになります。暑いなか来てくださる方への「涼しい導線」や「一言のねぎらい」も、めぐりめぐって在宅介護を長続きさせる力になると、わたしは現場で感じています。

千葉市エリアで夏の在宅介護に迷ったら

千葉県も、年々夏の暑さがきびしくなっていると感じます。千葉市にお住まいで「どこに相談したらいいの?」と迷われたときは、お住まいの区の地域包括支援センターが心強い窓口になります。まだ介護保険を申請していない段階でも、相談は受け付けてもらえることが多いです。すでにケアマネージャーさんがついている方は、まずはその方に夏の不安を伝えてみてくださいね。

先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。「暑くて外に出られないから、必要なものをどう揃えたらいいか分からなかった」とおっしゃるご家族がいらっしゃいました。福祉用具は、こちらからご自宅にお届けして、使い方もその場でご説明できます。夏の外出がむずかしい時期こそ、こうした訪問サービスを頼っていただければと思います。

まとめ:支え手を守ることが、在宅介護を守ること

今回のニュースは、直接には訪問介護のヘルパーさんの暑さ対策の話でした。でも、その先にいるのはご本人であり、ご家族です。支え手が無理なく続けられる環境を、みんなで少しずつ整えていくこと。それが、在宅介護を長く続けていくための、遠回りのようで確かな一歩だと、わたしは思っています。

数字や制度の細かいところは、目安としてお読みいただき、ご自身の状況に合うかどうかは、ケアマネさんや主治医、自治体の窓口にご相談いただくのがいちばん安心です。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

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雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。

参考:ケアニュース by シルバー産業新聞

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