こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。「近所のデイサービスがいっぱいで、なかなか通わせてあげられなくて…」と、ご家族が少し疲れたご様子でお話しくださいました。実はこうしたご相談、最近少しずつ増えているように感じます。
そんな折、気になるニュースが届きました。介護ニュースJointによると、全国のデイサービス(通所介護)の事業所数が、厚生労働省の統計で4年連続の減少となったそうです。今回は、このニュースを入口に、「親の通う場所が見つからないかもしれない」と不安なご家族に向けて、わたしたち福祉用具専門相談員の目線でできる備えをお話しします。
ニュースのポイントをやさしく整理します
記事によると、全国のデイサービス事業所数は4万2125ヵ所で、前年から531ヵ所減り、4年連続の減少となりました。地域に密着した小規模なタイプ(地域密着型)は1万7780ヵ所で、2017年と比べると1割以上減っているとのことです。通常規模・大規模のタイプも前年より少なくなったと報じられています。
減少の背景には、深刻な人材不足やコストの増加、事業所どうしの競争、地域によっては利用ニーズの変化などがあると分析されています。ただ、ここで大切なのは、これはあくまで全国の統計上の傾向だということです。お住まいの地域で今すぐ通えなくなる、という話ではありません。わたしも最初にニュースの数字だけを見たときは少し身構えてしまったのですが、地域ごとの事情はさまざまですので、まずは落ち着いて考えていきましょう。
ご家族が受け取っておきたいメッセージ
- デイサービスは「探せば必ずすぐ空いている」とは限らない時代になりつつあります
- だからこそ、早めに相談・見学を始めておくと安心です
- 通所が決まるまでの「在宅で過ごす時間」を、安全に整えておくことも大切です
デイサービスの通所先を探すときのコツ
「どこに相談したらいいの?」というのは、現場でよくいただくご質問です。デイサービス選びは、基本的にはケアマネージャーさんが中心になって進めてくださいますが、ご家族が知っておくと動きやすいポイントがあります。
1. まずはケアマネさんに希望を具体的に伝える
「家から近い方がいい」「入浴もお願いしたい」「機能訓練に力を入れているところがいい」など、ご希望はできるだけ具体的に伝えると、候補を絞りやすくなります。ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、ご家族の“こうだったらいいな”が伝わっていると、提案の精度がぐっと上がります。
2. 見学は複数、できれば早めに
気になる事業所は、可能であれば複数見学してみるのがおすすめです。実際に足を運ぶと、雰囲気やスタッフさんの様子、送迎の範囲など、パンフレットだけでは分からないことが見えてきます。人気のあるところは順番待ちになることもあるため、「まだ先でいいかな」と思わず、早めに動いておくと選択肢が広がりやすいです。
3. 千葉市なら地域包括支援センターも心強い味方です
まだケアマネージャーさんが決まっていない段階なら、お住まいの区の地域包括支援センターが相談窓口になります。千葉市は6つの区それぞれに担当エリアの窓口があり、地域のサービス状況にも詳しいです。わたしが担当させていただいたお客様の中には、まず包括に相談したことで、思っていたより近くに候補が見つかった、という方もいらっしゃいました。
通所先が決まるまで、在宅の時間を安全に整える
ここからが、わたしたち福祉用具専門相談員が特にお手伝いできる部分です。デイサービスがすぐに始められない期間や、通所は週に数回で残りはご自宅で過ごす、という場合、ご自宅での安全と、介護するご家族の負担軽減がとても大切になります。福祉用具は、その毎日を静かに支えてくれる道具です。
転倒を防ぐ「立つ・歩く・移る」の備え
- 手すり:工事不要で置くだけのタイプもあり、ベッドわきや玄関、トイレの立ち座りを支えます
- 歩行器・杖:お体の状態に合わせて、屋内用・屋外用を選べます
- 段差解消のスロープ:玄関やちょっとした段差でのつまずきを減らします
目安として、転倒は室内のわずかな段差や、立ち上がりの瞬間に起こることが多いです。「うちは大丈夫」と思っていた場所ほど、意外と危ないことがあります。
ご家族の介護負担をやわらげる備え
- 介護ベッド:起き上がりや立ち上がりがラクになり、介助するご家族の腰の負担も軽くなります
- ポータブルトイレ:夜間のトイレが不安な方に。介護される方もするご家族も、少し眠れる時間が増えます
難しく感じるかもしれませんが、これらの多くは介護保険を使ってレンタルできます。要介護度によって対象となる品目が変わりますので、「うちの親は何が借りられるの?」という点は、ケアマネさんやわたしたち福祉用具専門相談員にお気軽にお尋ねください。わたしも制度の仕組みは最初、正直かなり混乱しました。ですので、分からなくて当たり前だと思っています。
夏のこの時期は「暑さ対策」もあわせて
今は8月、千葉も蒸し暑い日が続いています。デイサービスに通えば涼しい環境で過ごせますが、ご自宅で過ごす時間が長くなる場合は、室内の熱中症対策も忘れずに。高齢の方は暑さを感じにくいことがあると、ベテランの先輩からも教わりました。エアコンの活用と、こまめな水分補給を、ご家族から声かけしてあげてくださいね。
「通える場所」と「暮らせる家」の両方を整えるという考え方
今回のニュースは少し不安をあおるように聞こえるかもしれません。でも、わたしはこう考えています。デイサービスという“外の支え”と、福祉用具で整える“家の中の支え”は、どちらか一方ではなく、両方をゆるやかに組み合わせていくものだと。片方が少し手薄になっても、もう片方で補えるように準備しておけば、ご家族の毎日はずっと穏やかになります。
制度や地域のサービス状況の細かい部分は、変わっていくこともあります。詳しくはお住まいの自治体の窓口や、担当のケアマネージャーさん、専門家にご確認くださいね。そして「福祉用具でこの不安は減らせるのかな?」と思ったら、そこはぜひわたしたちに聞いてください。
ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。一緒に考えていきましょう。
参考:介護ニュースJoint
