こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。先日、あるニュースが目にとまりました。介護ニュースJointによると、経済産業省・厚生労働省・こども家庭庁の3省庁が、家事支援サービスやベビーシッターの利用にかかった費用をもとに所得税や住民税を軽くする案を要望した、という内容です(2026年8月26日公開)。
働きながらお仕事と介護を両立されている、いわゆる「ビジネスケアラー」のご家族の負担を少しでも軽くしよう、という狙いだそうです。わたしが担当させていただくお客様のご家族にも、日中はお仕事、夜と週末は親御さんの介護、という方が本当に多くいらっしゃいます。今日はこのニュースを入口に、ご家族が知っておくと安心なポイントを整理してみますね。
今回のニュースを、まず正しく受け止めましょう
大切な前提として、これは「決まったこと」ではなく、あくまで3省庁からの要望(税制改正要望)の段階だとされています。実際に制度になるかどうか、なるとしてどんな条件になるかは、これから議論されていく話です。
ニュースで触れられていた範囲では、対象として想定されているのは「家事支援サービス」や「ベビーシッター」で、新しく作られる国家資格を持った方によるサービスが念頭にあるようです。掃除・洗濯・買い物といった家事のサポートを使ったとき、その費用に応じて税金を軽くする、というイメージですね。
ここで気をつけたいのは、細かい制度の中身や、いつから使えるのかといった点は、まだはっきりしていないということです。わたしも制度のニュースを読むと、最初は「で、うちは対象になるの?」と気になってしまうのですが、こういうときこそ焦らず、確定した情報を待つのが安心です。詳しい内容は、今後の国の発表や、お住まいの自治体の窓口・税務署などでご確認いただくのが確実です。
「家事支援」と「介護保険サービス」は別ものです
現場でよくいただくご質問なのですが、「家事の手伝いって、介護保険でやってもらえるんじゃないの?」という点です。ここは混同しやすいので、整理しておきますね。
- 介護保険の訪問介護(ヘルパー)…要介護認定を受けたご本人の生活に必要な範囲で、調理や掃除などの「生活援助」をお願いできます。ただし、ご本人以外のご家族の分の家事や、大掃除のような日常外の作業は対象外になることが多いです。
- 今回話題の家事支援サービス…介護保険とは別の、民間のサービスにあたります。ご家族全体の家事を頼めたり、内容の自由度が高い一方で、原則は全額自己負担です。
つまり、「ヘルパーさんには頼めない部分を、家事支援サービスで補う」という使い分けをしているご家庭が増えています。今回の税優遇の要望は、その自己負担が重い部分を後押ししよう、という流れなのですね。わたしも最初は制度の線引きに混乱しましたので、分かりにくくて当然だと思います。
福祉用具でも「介護する側の負担」は減らせます
お仕事と介護の両立でご家族が疲れてしまう大きな原因のひとつが、介護そのものにかかる時間と体の負担です。ここは、家事支援サービスだけでなく、福祉用具の活用でも和らげられる部分があります。
- 介護ベッド…高さを調整できると、起き上がりや移乗の介助でご家族が腰を痛めにくくなります。夜間の介助が続くお宅では、負担の差が大きいと感じます。
- 手すり・スロープ…ご本人がご自分で移動できる範囲が広がると、その分だけ見守りや付き添いの手間が減ります。
- 見守りセンサー・徘徊感知機器…夜間や、ご家族が仕事に出ている日中の「何かあったら」という不安を軽くしてくれます。遠くにお住まいのご家族からのご相談でも、よく話題になります。
ベテランの先輩によると、「介護は一人で抱え込まず、道具とサービスと制度を組み合わせて分散させることが、長続きのコツ」とのことです。わたしもその通りだと感じています。
働きながら介護するご家族が、いま使える制度
今回の税優遇はこれからの話ですが、すでに使える支援もあります。目安として、次のようなものは早めに知っておくと安心です。
- 介護休業・介護休暇…お勤め先を通じて取得でき、要件を満たせば介護休業給付金が受けられる場合があります。
- 地域包括支援センターへの相談…千葉市には各区に窓口があり、介護保険の入口としてまず相談できます。「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。
- ケアマネージャーさんとの相談…ケアマネさんは、介護サービスと福祉用具、ご家族の働き方まで含めて一緒に考えてくれる心強い存在です。
ただし、どの制度が使えるか、どのくらい負担が軽くなるかは、ご家庭の状況によって変わります。税金にかかわる部分は税務署や専門家に、介護サービスの範囲はケアマネさんや自治体の窓口に、それぞれご相談いただくのが確実です。
千葉で「両立」に悩むご家族へ
わたしが訪問でうかがうと、「仕事を辞めたほうがいいのかもしれない」と思い詰めているご家族に出会うことがあります。でも、辞めてしまう前に使える手立ては、思っているより多いものです。今回のようなニュースも、国が「介護離職を減らそう」と動いている表れだと受け止めています。
福祉用具は、ご本人の安全を守るだけでなく、支えるご家族の暮らしを守る道具でもあります。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
参考:介護ニュースJoint
