車椅子は障害の制度と介護保険どちらで借りる?補装具と福祉用具の関係を解説

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家族のお宅へ福祉用具のご相談にうかがっています。

先日、介護のニュースを読んでいて「これはご家族が戸惑いやすいところだな」と感じた話題がありました。2026年9月10日、厚生労働省が「補装具費支給制度」と「介護保険制度」の適用関係について、あらためて留意事項を整理する事務連絡を出したのです。少しかたい話に聞こえますが、じつは車椅子ひとつをとっても「どちらの制度で用意するの?」と迷うご家族はとても多いんです。今日はこのニュースを入口に、現場目線でかみくだいてお話ししますね。

そもそも「補装具」と「介護保険の福祉用具」って何が違うの?

みなさんは、「補装具」という言葉を聞いたことはありますか。わたしも福祉の勉強を始めるまでは、正直あまりなじみがありませんでした。

ざっくり言うと、それぞれこんな制度です。

  • 補装具費支給制度…障害者総合支援法にもとづく制度です。身体障害者手帳をお持ちの方などが対象で、その方の身体状況に合わせてつくる車椅子や義肢、装具などが支給の対象になります。
  • 介護保険の福祉用具…要支援・要介護の認定を受けた方が、標準的な既製品の車椅子や介護ベッド、歩行器などをレンタルできる仕組みです。

ここでややこしいのが、車椅子のように「どちらの制度にも登場する用具」があるという点です。ご高齢の親御さんが、もともと障害者手帳をお持ちで補装具の車椅子を使っていて、その後に介護保険の認定を受けた——こうした場合、「これからはどちらで用意すればいいの?」という疑問が生まれます。わたしも最初は混乱しました。

2026年9月のニュースが伝えていること

今回の厚労省の事務連絡では、重複する品目について、原則として介護保険法にもとづく給付が優先されるという考え方があらためて示されました。標準的な既製品でご本人の状態に合うのであれば、まずは介護保険の福祉用具を検討する、というイメージです。

一方で、記事によれば、医師や身体障害者更生相談所などが「その方の身体状況に個別に対応する必要がある」と判断した場合には、介護保険の被保険者であっても補装具費として支給して差し支えないとされています。つまり、身体に合わせた個別のつくりが必要な車椅子などは、介護保険の認定を受けていても補装具の制度が使える場合がある、ということですね。

また、この事務連絡では、介護保険を使う前の補装具の利用実績がきちんと確認されていない例や、問い合わせがあったときにだけ優先原則を説明している例があった、という現場の課題にも触れられています。だからこそ、ケアマネージャーさんや福祉用具専門相談員などの関係職種が情報を共有し、「その方にはどちらの制度・どの用具が合っているか」を一緒に検討していきましょう、という趣旨です。制度の細かな解釈は変わることもありますので、詳しくはお住まいの自治体の障害福祉窓口や専門家にご確認くださいね。

ご家族が現場でつまずきやすいポイント

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、いちばん多いのは「うちの親は障害者手帳も持っているし、介護保険の認定も受けた。車椅子はどっちで頼めばいいの?」というご質問です。

わたしが担当させていただいたお客様の中には、以前から補装具でご自身の身体にぴったり合わせた車椅子を大切に使っていらっしゃる方もいれば、「まずは一般的なタイプを試してみたい」という方もいらっしゃいます。どちらが良い・悪いということではなく、ご本人の身体の状態と暮らし方によって、合う制度・合う用具が変わってくるのです。

ここで大切にしたいのは、次のような視点です。

  • 過去に補装具でつくった用具があるかどうか(利用実績の確認)
  • 既製品で身体に合うのか、それとも個別のつくりが必要なのか
  • 主治医や相談機関がどう判断しているか

このあたりは、ご家族だけで結論を出すのはなかなか難しい部分です。ベテランの先輩によると、「制度のどちらが正解かを家族が悩みすぎるより、まず関係者に相談の場をつくることが近道」なのだそうです。わたしもそのとおりだと感じています。

まずどこに相談すればいい?(千葉市の場合)

現場でよくいただくご質問なのですが、「そもそも最初にどこへ連絡すればいいのか分からない」という声も多いんです。目安として、次のような窓口が入口になります。

  • 介護保険のこと・福祉用具のレンタル…担当のケアマネージャーさん、またはお住まいの地域包括支援センター。千葉市は6つの区それぞれに窓口があります。
  • 補装具・障害福祉のこと…お住まいの区の障害福祉の担当窓口。身体障害者手帳の等級や身体状況によって判断が変わるため、専門の相談機関につないでもらえる場合があります。

「介護保険の方に聞いたら障害の窓口へ、障害の窓口に聞いたら介護保険へ、と行ったり来たりしてしまった」というお話をうかがうこともあります。そんなときは、わたしたち福祉用具専門相談員やケアマネージャーさんが橋渡し役になれます。制度の入口で迷ったら、遠慮なく声をかけてくださいね。

制度の名前は難しくても、目指しているのは同じ——ご本人が安全に、その人らしく暮らせることです。どちらの制度を使うにしても、まずは「今のお身体に合っているか」を一緒に確認していきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:社会保険研究所

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