こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。
朝晩がぐっと冷えるようになりましたね。今回は、ショートステイ(短期入所生活介護)を利用しているご家族に関わりそうなニュースを取り上げます。
2026年10月15日の介護ニュースJointによると、厚生労働省は国の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、ショートステイを長く連続で使ったときの報酬を見直す案を示しました。ショートステイを長めに利用して在宅介護をつないでいるご家族もいらっしゃると思いますので、ニュースの中身と、今から考えておきたいことを整理しました。
ニュースのポイント|「連続31日以上」から特養と同じくらいの報酬に
元記事に書かれている内容は、だいたい次のとおりです。
- 今は、ショートステイを連続31日以上使うと「長期利用減算」として1日30単位が差し引かれる仕組みがあります。この減算を廃止する案が示されました。
- そのかわりに、連続31日以上の利用者は、今の「連続61日以上」と同じように、特別養護老人ホーム(特養)と同じくらいの単位数にする案になっています。
- 連続61日以上を特養と同じ単位数にする仕組みは、2024年度の改定で始まったものです。
- ねらいは「サービスの目的に合った使い方をうながすこと」とされています。
- 雪の多い時期や猛暑の時期など季節的な事情で使う場合や、在宅生活を続けるために必要な中長期の利用については、この見直しを当てはめない例外を設ける案もあわせて示されました。
- 年内にも大枠を固める予定とのことです。
あくまでも来年度(2027年度)の介護報酬改定に向けた「案」の段階で、まだ決まったわけではありません。今すぐ何かが変わるわけでもないので、まずは落ち着いて受け止めていただければと思います。
そもそも「単位」と「報酬」ってなに?
少しむずかしい言葉が続いたので、かみくだいてみますね。
介護保険のサービスには、それぞれ「単位」という点数が決まっています。事業所が受け取る報酬はこの単位をもとに計算されていて、利用者さんの自己負担(1割〜3割)も同じ単位から計算されます。
ショートステイは本来、「ご家族のお休み(レスパイト)」や「冠婚葬祭・出張などで一時的に介護できないとき」に、短い期間だけ泊まるためのサービスです。ところが、施設の空きを待つあいだなどに、ショートステイを何十日も続けて使う、いわゆる「ロングショート」になっているケースもあります。今回の案は、こうした長期の利用について、実際には施設に入所しているのに近い状態として、報酬を特養に近づけようという考え方のようです。
単位数が変わると自己負担がどう変わるかは、介護度やご家庭の状況によって違います。具体的な金額は、ケアマネージャーさんや自治体の窓口に確認していただくのがいちばん確実です。わたしも最初は「単位」と「円」の関係でかなり混乱しました。わからないところは遠慮なく聞いて大丈夫ですよ。
ロングショートで在宅介護をつないでいるご家族へ
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、「特養の順番待ちのあいだ、ショートステイを長めに使ってしのいでいる」「介護者が体調を崩して、しばらく家で見られない」というご家庭は少なくありません。
先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。お父さまが長めのショートステイから自宅に戻られる予定で、娘さんが「施設ではできていたことが、家ではできるか不安で……」とお話しされていました。施設はベッドの高さや手すりの位置が整っていますが、ご自宅はそうとは限りません。そこで、ケアマネージャーさんと相談して、ベッドの高さや手すりの位置をご自宅に合わせて見直しました。帰ってこられた日、娘さんがほっとしたお顔をされていたのをよく覚えています。
今回の見直しが進むと、「ショートステイをどのくらいの期間使うか」を、これまでより意識するご家庭が増えるかもしれません。そうしたときに考えておきたいことをまとめました。
1. ケアプランでの位置づけを確認しておく
ショートステイを何のために、どのくらいの期間使っているのか。ケアプラン(介護の計画書)にどう書かれているか、ケアマネージャーさんと一緒に確認しておくと安心です。今回の案には、在宅生活を続けるために必要な中長期の利用は例外にする考え方も入っているので、「在宅を続けるための利用です」とご家族のお考えを伝えておくことも大切だと思います。
2. 「家に戻る日」の準備を少しずつ
ショートステイから戻った直後は、生活のリズムが変わって転びやすくなる方もいらっしゃいます。ベッド、手すり、歩行器、ポータブルトイレなど、ご自宅で使う福祉用具が今のお体に合っているか、戻る前に見直しておくのがおすすめです。わたしたち福祉用具専門相談員も、ケアマネージャーさんと連携してご自宅の環境を一緒に確認できます。
3. 施設入所の検討も早めに
特養などの入所を考えている場合は、申し込みや見学を早めに始めておくと、あわてずに済むことが多いです。千葉市なら各区の地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)でも相談できます。
4. 季節ごとのニーズも伝えておく
今回の案では、雪の多い時期や猛暑の時期などの季節的な利用も例外にする方向が示されています。千葉県は雪の多い地域ではありませんが、夏の暑さが厳しくなってきていますよね。「夏場は家で過ごすのが心配」など、季節ごとの不安もケアマネージャーさんに伝えておくと、プランを考えるときの材料になります。
制度がどうなるかは、続報を待ちましょう
くり返しになりますが、今回の内容は審議会で示された「案」です。最終的にどんな形で決まるのか、いつから始まるのか、例外の条件はどうなるのかは、これから議論されていきます。細かい解釈やご家庭ごとの負担額については、担当のケアマネージャーさん、お住まいの市区町村の介護保険窓口、専門家にご確認ください。ショートステイの利用で体調面に心配がある場合は、主治医にもご相談くださいね。
ベテランの先輩によると、制度が変わるタイミングは「今のサービスの使い方を家族で見直すチャンス」でもあるそうです。ショートステイとご自宅での生活をどう組み合わせるか、一度ご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。
わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
参考:介護ニュースJoint
