デイの入浴介助加算が見直しへ|自宅のお風呂を続けるために家族ができる備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。朝晩の空気がひんやりしてきて、千葉でも温かいお風呂がうれしい季節になりました。

この時期になると、ご家族から「最近、親がお風呂に入りたがらなくて」「一人で入るのを見ていてヒヤッとする」というご相談が増えてきます。今回は、デイサービスの入浴に関するニュースをきっかけに、「自宅のお風呂に入り続けるために家族ができること」を一緒に考えてみたいと思います。

ニュースの概要|デイサービスの「入浴介助加算」見直しが提案されました

介護ニュースJointの報道によると、2026年10月14日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、厚生労働省がデイサービスの「入浴介助加算」の単価を引き上げる方向の案を示しました。物価高騰などを背景に、今の単価が「実態に見合っていない」という指摘があったそうです。

記事で紹介されているポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 現在の入浴介助加算は、加算Ⅰが1日40単位、上位区分の加算Ⅱが1日55単位
  • この単価を引き上げる方向で調整
  • 加算Ⅱは、ご本人が自分の力で、あるいはご家族やヘルパーさんの介助のもとで「自宅でも入浴できるように支援する事業所」を評価するもの
  • 加算Ⅱの要件である「医師らが利用者宅を訪問して浴室の環境などを評価する」部分について、介護職員が訪問し情報通信機器などで把握した内容をもとに医師らが評価・助言する方法を、より柔軟に認める案が示された
  • 年内にも施策の大枠を固める予定

あくまで「提案」の段階で、最終的な内容はこれから決まっていきます。利用料への影響など細かいところは、決まり次第ケアマネさんや利用中の事業所から案内があることが多いので、気になる方はそのタイミングで確認してみてくださいね。

「加算」「単位」と聞くと難しく感じますよね。わたしも最初は混乱しました。ざっくり言うと、介護サービスの料金は「単位」で計算されていて、特定の取り組みをしている事業所には「加算」という上乗せがつく仕組みです。

わたしが注目したのは「自宅で入浴できるように」という考え方

このニュースで、福祉用具専門相談員としてわたしが大切だと感じたのは、加算Ⅱが「デイで入浴して終わり」ではなく「自宅でも入れるように」を目指している点です。

デイサービスのお風呂は、広くて手すりも整っていて、スタッフさんもいます。でも、ご自宅の浴室は、またぎの高い浴槽、狭い洗い場、冬は冷え込む脱衣所……と条件がまったく違うことが多いんです。デイでは入れても、家では怖くて入れない。そんな「デイと自宅のギャップ」は、現場でもよく目にします。

自宅の浴室で、ご家族に見てほしいチェックポイント

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、まずはご家族の目で浴室を見てみるのがおすすめです。次のような場面で、ご本人が動きにくそうにしていないか確認してみてください。

  • 脱衣所から洗い場への段差:つまずきやすい場所です
  • 洗い場での立ち座り:低い椅子だと立ち上がりが大変なことがあります
  • 浴槽のまたぎ動作:片足立ちになる一番ヒヤッとする瞬間です
  • 浴槽内での立ち上がり:浮力がなくなる瞬間にふらつきやすいです
  • 床や浴槽の底のすべりやすさ
  • 脱衣所と浴室の温度差:寒い時期は特に気をつけたいところです

「どこが一番大変か」がわかると、必要な道具や手助けがぐっと絞りやすくなります。

入浴を支える福祉用具は「レンタル」ではなく「購入」が基本

現場でよくいただくご質問なのですが、入浴用の福祉用具は、介護ベッドや車椅子のような「レンタル」ではなく、介護保険の「特定福祉用具販売(購入)」の対象になっています。肌に直接触れるものなので、購入して使うという考え方です。

代表的なものをご紹介します。

  • 入浴用いす(シャワーチェア):座面が高めで、洗い場での立ち座りが楽になります
  • 浴槽用手すり:浴槽のふちに取り付けて、またぐときの支えにします
  • 浴槽内いす:浴槽の中に置いて、立ち上がりの高さを補います
  • 入浴台(バスボード):浴槽のふちに渡して、座ったまま浴槽をまたげるようにします
  • 浴室内すのこ:洗い場の床をかさ上げして、段差を小さくします
  • 入浴用介助ベルト:ご家族が介助するときに持ちやすくします

購入費には、目安として年間10万円までを上限に、負担割合に応じて介護保険が使える仕組みがあります。手続きや対象になるかどうかはお住まいの市区町村によって流れが違う場合もあるので、千葉市にお住まいの方も含めて、購入前にケアマネさんや福祉用具専門相談員に相談していただくと安心です。

また、壁への手すりの取り付けや段差の解消など工事が必要なものは「住宅改修」の対象になることがあります。こちらも事前の申請が必要になるケースが多いので、先に相談してくださいね。

現場で感じる「デイ」と「自宅」をつなぐコツ

先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。デイサービスでは問題なく入浴できているのに、自宅のお風呂は「怖いから」と何週間も入っていなかったお父さまがいらっしゃいました。ご家族と一緒に浴室を見せていただくと、浴槽のふちが高く、つかまる場所がなかったんです。

ケアマネさんやデイのスタッフさんとも相談して、浴槽用手すりと浴槽内いすを試していただいたところ、「これなら入れそうだ」と少し表情がやわらいだのが印象に残っています。もちろん、すべての方がこううまくいくわけではありませんが、デイでの様子と自宅の環境を関係者で共有することの大切さを感じた出来事でした。

ご家族にできることとして、次のようなことがあります。

  • デイの連絡帳や送迎時に「お風呂での様子」を聞いてみる
  • 自宅の浴室の写真を撮っておき、ケアマネさんとの面談で見せる
  • 「家ではここが不安」と具体的に伝える
  • デイで使っている道具(いすの高さ、手すりの位置など)を参考にする

今回のニュースでも、介護職員が訪問し情報通信機器などで浴室の状況を把握する方法の柔軟化が提案されていました。今後は写真や動画で自宅の様子を共有する場面が増えていくかもしれませんね。

体調面で気になることは主治医に

入浴は体に負担がかかる動作でもあります。血圧が不安定、心臓の持病がある、皮膚トラブルがあるなど、体調面で心配なことがある場合は、自己判断せずに主治医にご相談ください。「家で入浴しても大丈夫か」の判断は、医師やケアマネさん、サービス事業所の方と一緒に考えていくことが大切です。

まとめ

  • デイサービスの入浴介助加算について、単価の引き上げと上位区分(加算Ⅱ)の要件緩和が厚労省から提案された(年内にも大枠を固める予定)
  • 加算Ⅱは「自宅でも入浴できるように」支援する事業所を評価するもの
  • 自宅の浴室では、段差・またぎ・立ち上がり・すべり・温度差をチェック
  • 入浴用の福祉用具は介護保険の「購入」対象。購入前にケアマネさん・専門相談員に相談を
  • デイでの様子と自宅の環境を関係者で共有するのが、自宅のお風呂を続ける近道

わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:介護ニュースJoint

タイトルとURLをコピーしました