こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です。
「老人ホームへの入居が決まりました。レンタルしている福祉用具はどうすればいいですか?」——そのようなご連絡をいただくとき、わたしはいつも複雑な気持ちになります。長く在宅介護を続けてきたご家族の選択を尊重しつつ、手続きがスムーズに進むよう丁寧にお伝えしたいと思います。
施設入居に際しての福祉用具の返却・解約は、タイミングを誤ると費用が余計にかかったり、入居後に必要なものが手元にない状況になることもあります。この記事では、千葉市でよくある施設移行のパターンに合わせて、福祉用具の整理手順を解説します。
施設入居が決まったらまず福祉用具事業者に連絡する
施設への入居が正式に決まったら、できるだけ早くケアマネージャーと福祉用具事業者(シルバーとっぷなど)に連絡してください。入居日が決まっている場合は、その日程を伝えることが重要です。
返却申し込みのベストなタイミングは、入居予定日の1〜2週間前が目安です。あまり早すぎると入居前に用具が使えない期間が生まれます。逆にギリギリになると、引き取りのスケジュール調整ができずに余分な費用が発生することがあります。
なお、ケアマネージャーは施設への移行に際して「サービス担当者会議の終結処理」を行います。この際に福祉用具事業者への連絡・調整もケアマネが担ってくれることが多いので、まずはケアマネに施設入居の日程を報告するところから始めましょう。
レンタル契約の月割り清算と返却時の注意点
福祉用具のレンタル料金は月単位で計算されることが多く、返却した月の扱いは契約内容によって異なります。一般的には以下のようなパターンがあります。
- 月の途中で返却しても、その月は1か月分の料金が発生するケース
- 日割り計算で返却日までの料金を清算するケース
シルバーとっぷでは、できる限り利用者の負担が少なくなるよう対応していますが、具体的な清算方法については担当スタッフにご確認ください。
返却の際の傷・汚れについては、「通常の使用による汚損」は事業者が負担しますが、明らかな破損・過失による損傷の場合は費用が発生することがあります。契約書に記載されていますので、不明な点は事前に確認してください。
施設の種類によって福祉用具の扱いが異なる
入居する施設の種類によって、福祉用具の持ち込み・継続利用の可否が変わります。
特別養護老人ホーム(特養)
特養は「施設サービス」のため、入居後は施設が提供する福祉用具を使用します。在宅でレンタルしていた介護ベッドや車椅子は原則として返却が必要です。ただし、個室型の施設では一部の私物的な用具の持ち込みが認められるケースもありますので、施設に確認してください。
介護老人保健施設(老健)
老健は「在宅復帰を目指す」中間施設です。入所中は施設のサービス内に福祉用具が含まれますが、在宅復帰を想定している場合は、自宅の福祉用具の環境を一時的に維持しておく選択肢もあります。退所後にまた使えるよう、レンタルを継続しておくケースもあります。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームでは、共用の福祉用具と個人持ちの用具が混在することがあります。車椅子など個人のサイズに合わせた用具が必要な場合は、施設と相談のうえ持ち込みが認められることもあります。
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)
特定施設の場合、施設のケアプランの中に福祉用具が含まれますが、個人の状態に合わせた用具が必要な場合は施設の福祉用具担当と相談することになります。
購入した福祉用具(特定福祉用具販売品)の扱い
介護保険を使って「購入」した福祉用具(シャワーチェア・ポータブルトイレ・入浴台など)は、レンタルと違って返却義務はありません。施設への持ち込みが可能な場合はそのまま使用できます。
持ち込みが難しい場合は、家族が引き取る・リサイクルショップへ持ち込む・処分するなどの方法があります。ただし、個人の体に合わせて購入したものは他者への転用が難しいケースもありますので注意が必要です。
老健入所中の「在宅復帰を目指すケース」での注意点
老健(介護老人保健施設)は「在宅復帰」を目的とした施設です。入所期間が一般的に3〜6か月程度であることを考えると、自宅の福祉用具を維持したままにしておくこともひとつの選択肢です。
特に、入所中に自宅の手すりや段差解消スロープを撤去してしまうと、退所後に再設置が必要になります。入所前と環境が変わることで本人が混乱することもあります。老健入所中の場合は、退所の見通しをケアマネと相談しながら、自宅の福祉用具をどうするかを判断してください。
シルバーとっぷでは、「老健入所中に一旦レンタルを止めたいが、退所時にまた使えるようにしてほしい」というご要望にも柔軟に対応しています。お気軽にご相談ください。
施設入居後も「在宅復帰」の知識を活かせる場面
「一度施設に入ったら在宅には戻れない」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。老健からの在宅復帰、または健康状態が改善して一時帰宅・在宅復帰を目指すケースでは、在宅の福祉用具の知識が再び役立ちます。
施設入居中も、定期的にご家族が担当ケアマネや施設の介護スタッフと情報共有し、将来の選択肢を把握しておくことをお勧めします。
よくあるご質問
まとめ
- 施設入居が決まったら1〜2週間前を目安に福祉用具事業者に返却申し込みをする
- 返却月の費用清算は契約内容によって異なるので事前確認を
- 特養・グループホームは原則返却、老健は在宅復帰を見込んで維持する選択肢もある
- 購入品(特定福祉用具販売品)は返却義務なし・施設への持ち込み可否は施設に確認
- ケアマネがサービス終結処理と各事業者への連絡を担ってくれることが多い
施設入居は、長く在宅介護を続けてきた末の大きな決断です。福祉用具の返却手続きもわたしたちにお任せください。長いお付き合いに感謝しながら、誠意を持って対応いたします。
千葉市での福祉用具の返却・解約手続きもシルバーとっぷにご相談ください。
お問い合わせフォームはこちら
参考にした情報
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html(2026年6月時点)
- 厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html(2026年6月時点)
- 千葉市「介護保険サービスの情報」 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/korei/kaigo/(2026年6月時点)
雲居 愛(くもい あい)
株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。最新の制度内容・サービス内容は千葉市または各担当機関にご確認ください。
