こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です。
「最期は自宅で過ごしたい」——そうお話しになるご本人の言葉を、わたしは何度も聞かせていただきました。在宅での看取りを選ぶことは、決して特別なことではありません。本人・家族・医療・介護が連携して、「その人らしい最期」を支える選択です。
この記事では、千葉市で在宅看取りを検討されているご家族に向けて、ターミナル期(終末期)に必要な福祉用具と、訪問診療・訪問看護との連携体制について、わたしが知る限りの情報をお伝えします。
「自宅で最期を」という選択と千葉市の現状
日本では長年「病院で亡くなる」ことが一般的でしたが、近年は「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」という方が増えています。国の調査では、約70%の方が「自宅で最期を迎えたい」と回答していますが、実際に自宅で亡くなる方は全体の約15〜20%にとどまっています。
(出典:厚生労働省「終末期医療に関する調査」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/seisakubigaiyou/index.html)
千葉市でも、在宅医療・在宅看護の体制整備が進み、訪問診療クリニックや訪問看護ステーションが増えています。地域包括ケアシステムの推進とともに、千葉市内でも在宅看取りを支える体制は少しずつ充実してきています。
(出典:千葉市「地域包括ケアシステム」 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/korei/chiikishien/)
看取り期の段階と福祉用具の変化
ターミナル期(終末期)は、医療の世界では大きく3つの段階で捉えることができます。この段階に合わせて必要な福祉用具も変化していきます。
月単位の時期
活動量が徐々に減り、外出が難しくなってくる時期です。この段階では、移動の補助(歩行器・手すり・車椅子)や、安全な生活環境の整備(段差解消スロープ・ポータブルトイレ)が中心になります。介護ベッドを導入して、寝る・起きるの動作を楽にすることも大切です。
週単位の時期
ほぼ臥床(横になっている)状態になる時期です。この段階で特に重要になるのが床ずれ(褥瘡)の予防です。長時間同じ体位でいることによる組織の圧迫が引き起こす床ずれは、非常に苦痛を伴います。エアマット(床ずれ防止用具)の導入をこの段階で強くお勧めします。
日単位の時期
意識が遠くなり、呼吸が不規則になってくる時期です。この段階では本人の苦痛を最小化することが最優先です。呼吸が楽になる体位(ベッドの背上げ機能)や、吸引などの医療処置に対応できる環境が求められます。
看取り期に特に重要な福祉用具
① 電動介護ベッド(特殊寝台)
背上げ機能により、呼吸が楽になる姿勢(ファウラー位)をとることができます。また、高さ調整で介護者の腰への負担も軽減できます。看取りの段階では昼夜を問わず使用時間が長くなりますので、クッション性・操作性に優れた機種の選択が重要です。要介護2以上の方が介護保険でレンタルできます。
② エアマット(床ずれ防止用具)
電動ポンプで空気の圧力を自動的に変化させることで、体の同じ部位への持続的な圧迫を防ぎます。看取り期の方は皮膚が非常に弱くなっていることが多く、数時間で床ずれが発生することもあります。エアマットの早期導入が床ずれ予防の鍵です。要介護2以上が対象です。
③ ポータブルトイレ
移動が困難な時期でも、ベッドのそばでトイレができる環境を整えることで、本人の尊厳を守ることができます。介護保険の特定福祉用具販売の対象品目です(購入の場合、1割〜3割負担)。
④ 体位変換クッション(体位変換器)
エアマットとあわせて使用することで、定期的な体位変換を補助します。介護者の腰への負担を軽減しながら、効果的に除圧することができます。
訪問診療・訪問看護との連携
在宅看取りを実現するためには、訪問診療クリニック(在宅医)と訪問看護ステーションとの連携が不可欠です。
- 訪問診療医:定期的に自宅を訪問して医療管理を行い、看取りの際には死亡診断書を作成します。
- 訪問看護師:日常的なケア(バイタル測定・処置・症状管理)を担い、急変時には迅速に対応します。
- 福祉用具専門相談員(わたしたちシルバーとっぷ):医療チームと連携して、本人の状態に合わせた用具の選定・調整を行います。
シルバーとっぷでは、千葉市内の訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所(ケアマネ)と連携し、看取り期の用具変更に迅速に対応しています。「今週から動けなくなってきた。エアマットが必要かもしれない」というご連絡には、できる限り早くお応えするよう努めています。
看取りのケアプランに福祉用具を組み込む
看取りを選択した場合、ケアマネージャーが「看取りのケアプラン」を作成します。このプランには、福祉用具の選定も含まれます。
福祉用具の組み込みを考える際のポイントは次の通りです。
- 本人が「いかに苦痛なく過ごせるか」を第一に考える
- 家族がケアしやすい環境を整える(介護負担の軽減)
- 医療処置(吸引・点滴など)に対応できるスペースと動線を確保する
- 状態の変化に応じて素早く用具を変更できる体制を整えておく
家族のための精神的サポート
在宅看取りを選択したご家族には、精神的な負担も大きくのしかかります。「自分でやり切れるだろうか」「何かあったときにどうすればいいか」という不安は自然な感情です。
千葉市内の地域包括支援センターや訪問看護ステーションでは、家族への精神的サポートも行っています。「不安なことがある」と伝えるだけで、専門職が一緒に考えてくれます。
また、看取り後の悲嘆(グリーフ)への支援として、千葉市内のいくつかの医療機関や相談窓口でグリーフケアの相談を受け付けています。「大切な人を自宅で看取った後、気持ちの整理がつかない」という場合は、担当のケアマネや地域包括支援センターにご相談ください。
看取り後の福祉用具返却について
ご逝去の後、レンタルしていた福祉用具は返却が必要です。ご逝去の連絡をいただいた後、シルバーとっぷのスタッフが適切なタイミングにお伺いして引き取ります。
「まだ気持ちの整理がついていない」という場合でも、無理に急ぐ必要はありません。ただし、レンタル費用はお引き取りの日まで発生することをご了承ください。ご逝去後のご連絡は、できれば1週間以内が目安です。
わたしたちシルバーとっぷは、長いお付き合いのなかで、ご本人・ご家族のことを大切に思っています。引き取りの際には、感謝の気持ちとともに、ご冥福をお祈りしながらお伺いします。
よくあるご質問
まとめ
- 看取り期は「月単位→週単位→日単位」の段階があり、段階に合わせて福祉用具を変える
- 電動介護ベッド・エアマット(床ずれ防止)・体位変換クッション・ポータブルトイレが看取り期の必需品
- 訪問診療医・訪問看護師・福祉用具専門相談員の連携チームで在宅看取りを支える
- 「看取りを希望している」とケアマネと主治医に早めに伝えておくことが大切
- 看取り後の悲嘆(グリーフ)支援も地域包括支援センターに相談できる
「自宅で最期を迎えたい」という願いを叶えるために、わたしたちシルバーとっぷは全力でサポートします。千葉市内での在宅看取りの準備について、いつでもご相談ください。
千葉市での在宅看取りの準備を、福祉用具の面からサポートします。シルバーとっぷにご相談ください。
お問い合わせフォームはこちら
参考にした情報
- 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197665.html(2026年6月時点)
- 千葉市「地域包括ケアシステム」 https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/korei/chiikishien/(2026年6月時点)
- 厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html(2026年6月時点)
雲居 愛(くもい あい)
株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
※本記事の情報は2026年6月時点のものです。医療・看取りに関する判断は必ず主治医・訪問診療医にご相談ください。最新の制度内容は千葉市または各担当機関にご確認ください。
