介護の自己負担2割拡大が議論に|ご家族が今から確認したいこと

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。2026年9月18日、国の専門家部会で、介護保険制度の見直しに向けた議論が始まったというニュースがありました。NHKの報道によると、高齢化で介護サービスを利用する方が増えるなか、利用者の自己負担のあり方が話し合われ、自己負担額が2割となる方の対象を広げるかどうかが検討項目のひとつになっているそうです。

このニュースを見て、「うちの親も2割になるのかしら」と不安になったご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。先日も、お客様のお宅にうかがった時に、新聞の切り抜きを手に「これ、どうなるの?」と聞かれたばかりです。今日は、今の段階で分かっていることと、ご家族が今のうちにできる備えを、福祉用具の現場目線で整理してみます。

まず押さえたいのは「議論が始まった段階」だということ

報道で伝えられているのは、専門家が集まる部会で見直しの議論がスタートした、という段階のお話です。自己負担2割の対象がどこまで広がるのか、いつからなのか、といった具体的な中身が決まったわけではありません。ですので、いま慌ててサービスを減らしたり、レンタル中の福祉用具を返したりする必要はまったくありません。

制度の細かい解釈や今後の進み方については、お住まいの自治体の介護保険担当窓口や、ケアマネージャーさんなどの専門家にご確認いただくのが確実です。わたしも最初は制度改正のニュースを読むたびに「明日から変わるの?」と焦っていました。ニュースは「これから話し合われること」を伝えている場合が多い、と先輩から教わってから、少し落ち着いて読めるようになりました。

そもそも介護保険の自己負担は、どう決まっているの?

いまの介護保険では、サービスを使ったときの費用のうち、ご本人が支払うのは原則1割です。そのうえで、一定以上の所得がある方は2割、さらに高い所得の方は3割と決められています。

判定は、目安としてご本人の前年の所得や年金収入、それに同じ世帯にいらっしゃる65歳以上の方の収入なども合わせて行われます。ただ、所得の種類によって計算の仕方が変わることもあるため、「うちはどうなの?」という具体的な判定は、市区町村の介護保険課にご確認いただくのがいちばん確実です。

手元の「介護保険負担割合証」で確認できます

ご自身やご家族の負担割合は、毎年だいたい7月ごろに郵送で届く介護保険負担割合証で確認できます。8月1日から翌年7月末までの1年間の割合が書かれていて、わたしたち福祉用具の事業所も、この割合証を拝見してレンタル料金のご請求額を決めています。

  • 切り替わりは毎年8月1日が目安。7月に届いたら中身を必ず確認
  • 薄い紙で小さいため、紛失しやすい。保険証と一緒に保管しておくと安心
  • 割合が変わったら、ケアマネージャーさんと利用中の事業所へ早めに共有を

現場でよくいただくご質問なのですが、「割合証を見せていないと損をしますか?」と聞かれることがあります。確認できないと請求の計算ができないので、更新のたびに見せていただけるとスムーズです。ご家族が遠方にお住まいの場合は、スマートフォンで撮影して共有しておくと、いざという時に慌てずにすみます。

もし1割から2割になると、福祉用具の費用はどう変わる?

イメージしやすいように、目安の数字でお話しします。たとえば介護ベッドと付属品(マットレス・サイドレールなど)に、玄関や廊下の手すりを組み合わせて、レンタル費用の総額がだいたい月1万5千円くらいのプランだとします。1割負担ならご負担はおよそ1,500円、2割になるとおよそ3,000円くらい、という計算になります。

金額は選ばれる用具や事業所によって変わりますので、あくまで目安としてご覧ください。ただ、毎月続く費用ですから、1,500円の差でも1年では小さくない、と感じるご家族は多いです。

あわせて知っておいていただきたいのが、負担割合が変わっても、要介護度ごとに決まっている支給限度額(1か月に使えるサービスの枠)そのものは変わらないということです。「2割になったら借りられる品目が減るのでは」とご心配される方がいらっしゃいますが、借りられる福祉用具の種類が減るわけではありません。

負担が増えたとき、用具は減らすべき?現場で思うこと

わたしが担当させていただいたお客様の中には、負担割合が変わったタイミングで「ベッドは残すけれど、手すりは返そうかしら」とご相談くださった方がいらっしゃいました。お気持ちはとてもよく分かります。

ただ、ベテランの先輩によると、費用を理由に用具を外す前に、まず「本当に毎日使えているか」を一つずつ見直すほうが、結果的にご本人の安全にもお財布にもやさしいことが多いそうです。実際にお話をうかがうと、使っていない用具が残っている一方で、いちばん転倒が心配な場所には何もない、というケースもあります。

転倒して骨折してしまうと、入院や手術で結果的に大きな出費になることもあります。減らす・変えるの判断は、ケアマネージャーさんとわたしたち福祉用具専門相談員を交えて、ご家族と一緒に考えていくのが安心です。

議論が続いている今、ご家族にできる3つの備え

  • 負担割合証を確認しておく…今が何割なのかを知っておくだけで、報道を見たときの受け止め方が変わります
  • 毎月の介護費用をざっくり把握しておく…福祉用具、デイサービス、訪問介護などの明細を1か所にまとめておくと、見直しの相談がしやすくなります
  • 負担を和らげる制度を知っておく…高額介護サービス費や医療費控除など、条件に当てはまれば使える仕組みがあります。該当するかどうかは市区町村の窓口へ

難しい制度の話が続きましたが、全部を覚える必要はありません。「割合証がどこにあるか分かる」「毎月いくらかかっているか、だいたい言える」。この2つだけでも、いざ制度が変わったときの動きがぐっと楽になります。

千葉県で暮らすご家族へ

千葉市をはじめ千葉県内では、お住まいの地域ごとに地域包括支援センターがあり、介護保険のことや費用の相談を無料で受け付けています。ケアマネージャーさんがまだ決まっていない段階でも相談できますので、「制度が変わりそうで不安」という段階のお話でも大丈夫です。

わたしたち福祉用具の事業所も、レンタル中の用具について「いま何をいくらで借りているか」をいつでもご説明できます。お手元の明細が分かりにくいときは、遠慮なくお声がけください。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:NHKニュース

タイトルとURLをコピーしました