こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市内でも朝晩の空気がひんやりしてきて、訪問の車の中で温かい飲み物が欠かせない季節になりました。
今回は、「要支援」の認定を受けている親御さんがいるご家族に関係するニュースをご紹介します。来年度の介護報酬改定に向けた国の会議で、要支援の方のケアプランづくりにも「病院との連携」をきちんと評価する仕組みを設ける案が示されました。「要支援だから、まだ介護は軽いほう」と思われがちですが、入院や通院はどなたにも起こりうること。この機会に、ご家族ができる備えを一緒に考えてみましょう。
ニュースの概要:要支援の方のケアプランにも「医療との連携」の評価を
介護ニュースJointの報道によると、厚生労働省は10月19日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会で、要介護の方のケアプラン(居宅介護支援)にすでにある医療・介護連携の加算を、要支援の方のケアプラン(介護予防支援)にも新しく設ける案を示しました。新設が提案されたのは、次の4つです。
- 入院時情報連携加算(入院したときに、ケアプランの担当者が病院へ暮らしの情報を伝える)
- 退院・退所加算(退院や施設からの退所にあたって、病院などと連携してケアプランを整える)
- 通院時情報連携加算(通院に同席するなどして、医師と情報をやりとりする)
- 緊急時等居宅カンファレンス加算(急な状態変化のときに、医療職と一緒にご自宅で話し合う)
※カッコ内は、わたしがご家族向けにざっくり言い換えたイメージです。正確な要件は今後の議論で決まっていきます。
記事では、要支援の方にも「一定の医療・介護連携が必要」という実態をふまえた案だと伝えられています。また、2024年度から居宅介護支援事業所も介護予防支援の指定を受けられるようになったものの、2025年度の調査では指定を受けた事業所はおよそ2割にとどまっているそうです。加算の新設でこの流れを後押しし、地域包括支援センターの負担を軽くするねらいがあるとのこと。年内に大枠を固める予定と報じられていて、現時点ではまだ「提案」の段階です。
そもそも「介護予防支援」ってなに?
現場でよくいただくご質問なのですが、「要支援の母のケアプランは誰がつくっているの?」と聞かれることがあります。
要介護1〜5の方は、居宅介護支援事業所のケアマネージャーさんがケアプランをつくります。一方、要支援1・2の方のケアプランづくりは「介護予防支援」と呼ばれ、主に地域包括支援センターが担当しています。最近は、指定を受けた居宅介護支援事業所のケアマネさんが担当するケースもあります。さらに、地域包括支援センターから居宅介護支援事業所へ一部を委託している場合もあり、ご家族からは少し見えにくいところです。
名前が似ていて、わたしも入社したばかりの頃はかなり混乱しました。まずは「要支援の親のケアプラン担当は、地域包括支援センターか、どこかのケアマネさん」と覚えておけば大丈夫です。
要支援の方でも、入院・通院は身近なできごと
先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。要支援で歩行器を使いながら一人暮らしをされていた方が、体調を崩して短い期間入院されました。退院の日、ご家族から「病院では歩けていたのに、家の玄関の段差が上がれなくて…」とお電話をいただきました。
入院中はベッドで過ごす時間が長くなるため、短い期間でも足の力が落ちてしまうことが多いです。このときは担当の方とすぐに相談し、玄関に工事不要の手すりを置くことでご自宅の生活に戻っていただけました。ただ、退院前に「家での動き」を誰かが病院とすり合わせていれば、ご本人もご家族も、もう少し安心して当日を迎えられたかもしれない…と、今でも思い出します。
今回の案は、まさにこうした「入院・退院・通院のつなぎ目」を支える動きを評価しようというものだと、わたしは受け止めています。
要支援の親を持つご家族ができる4つの備え
制度がどう決まるかにかかわらず、ご家族が今日からできることがあります。
1. ケアプランの担当窓口を確認しておく
親御さんのケアプランを担当しているのが、地域包括支援センターなのか、どこの居宅介護支援事業所なのか。担当者のお名前と電話番号を、介護保険証と一緒にメモしておくと安心です。千葉市の場合は、お住まいの区ごとに地域包括支援センターがありますので、分からないときは区役所の窓口で確認できます。
2. 入院したら、早めに担当者へ連絡する
急な入院のときは、病院のことで頭がいっぱいになりがちです。それでも、ケアプランの担当者に「入院しました」と一言伝えておくと、普段の暮らしぶりを病院に伝えてもらいやすくなります。介護保険証やお薬手帳と一緒に、担当者の連絡先を入院セットに入れておくのもおすすめです。
3. 退院前に「家の中の動き」を確認する
ベッドからの起き上がり、トイレまでの移動、玄関の段差、お風呂の出入り。入院前と同じように動けるかどうかを、病院のリハビリ職の方や担当者と確認しておきましょう。要支援の方でも、手すりやスロープ、歩行器、歩行補助つえなどは介護保険でレンタルできる場合があります。どの用具が合うかは、担当者やわたしたち福祉用具専門相談員にご相談ください。
4. 通院で聞いた主治医の話を共有する
「転びやすくなってきた」「薬が変わった」など、通院時の主治医のお話は、ケアプランを見直す大事な手がかりになります。ご家族が通院に付き添ったときは、簡単なメモでかまわないので担当者と共有してみてください。体の状態やお薬についての判断は、必ず主治医にご相談くださいね。
福祉用具専門相談員から見た「連携」の大切さ
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、退院の日程が急に決まり、用具の準備がぎりぎりになることは少なくありません。先輩から教わったのですが、「用具そのものより、退院前の情報の早さが在宅生活のスタートを左右する」そうです。
病院、ケアプランの担当者、福祉用具の事業所、そしてご家族。この輪がうまくつながると、退院した日からご本人が安心して過ごせる環境を整えやすくなります。要支援の方の場合も同じです。
制度の動きとの付き合い方
今回のニュースは、あくまで国の会議で示された「案」です。加算の名前や要件、いつから始まるかなどは、今後の議論で変わる可能性があります。実際の利用者負担やご自身のケースにどう関係するかなど、詳しいことはお住まいの自治体の窓口や地域包括支援センター、専門家にご確認ください。
大切なのは、制度の細かいところを全部覚えることではなく、「いざというときに誰に連絡すればいいか」をご家族が知っておくこと。それだけで、入院や退院のときの慌ただしさはだいぶ軽くなるはずです。
わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
参考:介護ニュースJoint
