こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!
「親の介護が必要になったから、仕事を辞めなければいけないかもしれない」——そんなご相談を、ご家族から伺うことがあります。実際、日本では毎年多くの方が介護を理由に仕事を辞める「介護離職」が起きています。
しかし、事前に制度を知り、サービスを上手に活用することで、仕事と介護の両立は多くの場合実現できます。この記事では、介護離職を防ぐために知っておきたい制度やサービスを整理してご紹介します。
介護離職のリスクと現状
介護離職には、仕事を辞めた後の経済的なリスクと社会的なリスクがあります。
- 収入が途絶えることで、自分自身の老後の備えが減る
- キャリアの空白期間により再就職が難しくなることがある
- 家にいる時間が増えることで、かえって介護負担が重くなるケースもある
- 社会との接点が減り、精神的な孤立につながることがある
「仕事を辞めてしまえばラクになる」と感じる方もいますが、実際には辞めてから後悔するケースも多いです。まず制度を活用し、続けられるかどうかを試してみることをおすすめします。
介護休業・介護休暇の制度概要
仕事と介護の両立を支える主な制度として、介護休業と介護休暇があります(育児・介護休業法に基づく制度)。
介護休業
対象家族1人につき、通算93日まで取得できる休業制度です。3回に分割して取ることも可能です。介護体制を整えるための「まとまった時間」として活用できます。
介護休暇
対象家族が1人の場合は年に5日、2人以上の場合は年に10日取得できます(1日単位または半日単位)。通院の付き添いや、ケアマネージャーとの打ち合わせなどに使いやすい制度です。
その他の両立支援制度
- 所定外労働の制限(残業免除)
- 時間外労働の制限(月24時間・年150時間まで)
- 深夜業の制限
- 所定労働時間の短縮等の措置(勤務時間の短縮など)
「制度があっても、上司や職場に相談しにくいという声はよく聞きます。しかし、相談しなければ使えません。会社には制度の周知義務がありますので、遠慮なく確認してみてください。」
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)
介護休業給付金について
介護休業を取得した場合、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。給付額の目安は休業開始時の賃金の67%です。
受給するための主な条件:
- 雇用保険の被保険者であること
- 介護休業開始前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上あること
- 休業中の賃金が休業前の80%未満であること
申請は勤務先を通じて行い、ハローワークが支給します。申請のタイミングや書類については、勤務先の人事担当者に確認してください。
(出典:厚生労働省「雇用継続給付について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)
デイサービス・ショートステイの活用
仕事と介護を両立するうえで、デイサービス(通所介護)とショートステイ(短期入所)の活用は特に効果的です。
デイサービス(通所介護)
日中に施設に通い、食事・入浴・機能訓練などを受けるサービスです。定期的に利用することで、日中の見守り不安を解消しながら、介護者が仕事に集中できる時間を確保できます。
ショートステイ(短期入所生活介護)
施設に数日〜数週間の単位で泊まるサービスです。出張・残業・急な仕事の際や、介護者自身が体調を崩したときなどに活用できます。事前に申し込みが必要なため、いざというときのために定期的に利用しておくと施設との関係が作りやすくなります。
わたしが担当させていただいたあるご家族では、週3回のデイサービスと月に1回のショートステイを組み合わせることで、フルタイム勤務を継続されていました。「デイサービスに行っている日は安心して仕事に集中できる」とおっしゃっていました。
勤務先への相談手順
職場への相談は、早めに行うほどスムーズに進む傾向があります。以下のステップで進めてみてください。
- まず人事・総務部門に制度内容を確認する:会社の介護両立支援制度の有無や手続きを把握する
- 直属の上司に相談する:介護の状況(どの程度の支援が必要か)を具体的に伝える
- 必要な配慮を具体的に依頼する:「急な早退への対応」「テレワーク希望」など、具体的な依頼内容を準備しておく
- 短時間勤務や時差出勤などを検討する:制度を活用しながら継続勤務できる形を模索する
「「介護が必要です」とだけ伝えても、上司は何をしてあげればいいか分からないことが多いです。「この日は早退が必要かもしれない」など、具体的に伝えると職場も動きやすくなります。」
公的サービスと民間サービスの組み合わせ
介護保険の公的サービスだけではカバーしきれない部分を、民間サービスで補う方法も有効です。
| ニーズ | 公的サービス | 民間サービスの例 |
|---|---|---|
| 日中の見守り | デイサービス | 民間訪問介護・シッターサービス |
| 夜間の対応 | 訪問介護(夜間対応) | 民間夜間見守りサービス |
| 食事の準備 | 訪問介護の生活援助 | 宅配弁当・配食サービス |
| 緊急時の対応 | 緊急時訪問介護加算 | 緊急通報サービス |
公的サービスは費用を抑えられますが、利用時間・回数に制限があることがあります。必要に応じて民間サービスを組み合わせることで、生活全体をカバーしやすくなります。
よくあるご質問
参考にした情報
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html (2026年5月時点)
- 厚生労働省「高齢者の介護」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html (2026年5月時点)
- 千葉県公式ウェブサイト https://www.pref.chiba.lg.jp/ (2026年5月時点)
まとめ
- 介護離職は経済的・社会的リスクが高く、辞める前に制度を試すことが重要
- 介護休業(通算93日)・介護休暇(年5〜10日)は育児・介護休業法で守られた権利
- 介護休業中は雇用保険から賃金の目安67%が給付される
- デイサービス・ショートステイを定期的に活用することで、仕事との両立がしやすくなる
- 職場への相談は早めに、具体的な配慮内容を伝えることがポイント
- 公的サービスと民間サービスを組み合わせて、生活全体をカバーする
「仕事を続けたいけれど、介護との両立に不安がある」という方は、まずケアマネージャーや地域包括支援センターに相談することをおすすめします。シルバーとっぷでも、千葉県内の介護サービスの選び方についてご相談をお受けしています。
千葉県での介護用品・福祉用具のご相談はシルバーとっぷへ。仕事と介護の両立を支える情報もご提供します。
お問い合わせフォームはこちら
※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。
