家族で介護する時の役割分担|キーパーソンと支援者の決め方

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「介護を頑張っているのに、兄弟が協力してくれない」「誰が何をやるか決まっていないから混乱している」——こんなご相談を伺うことがあります。

介護は一人で担うには限界があります。家族の中で役割を分担し、適切に協力し合うことが、長期的な介護を続けるために欠かせません。この記事では、介護におけるキーパーソンの役割家族内の役割分担の具体的な方法を解説します。

キーパーソンとは何か

介護の場面で「キーパーソン」とは、介護される方を代表して医療・介護の専門家と連絡を取り、家族をまとめる役割を担う人のことを指します。

キーパーソンの主な役割:

  • ケアマネージャーとの連絡窓口になる
  • 医療機関(病院・かかりつけ医)との連絡をとる
  • 緊急時の判断・連絡を担う
  • 家族内の情報共有をまとめる
  • 行政手続き(要介護認定など)を担当する

キーパーソンは「全部自分でやる人」ではなく、「家族の代表として窓口になる人」です。実際の介護作業を一人でこなす必要はありません。

「キーパーソンを明確にしておくことで、専門家側も誰に連絡すればいいかがわかりやすくなります。家族の中で決めておくことが、スムーズな介護への第一歩です。」

役割分担の3つの視点

介護の役割分担を考えるとき、「金銭」「時間」「労力」の3つの視点から整理すると、それぞれの状況に応じた分担を考えやすくなります。

1. 金銭(お金による支援)

遠方に住んでいる・仕事が忙しいなどで直接介護に関われない場合、費用の負担という形で貢献することができます。介護費用・サービス料金・住宅改修費・交通費などの分担を話し合いましょう。

2. 時間(時間を使った支援)

近くに住んでいる家族が通院の付き添い・買い物代行・見守りなどを担当する形です。仕事や子育ての状況によって負担できる時間には差があるため、正直に話し合うことが大切です。

3. 労力(身体的・精神的な介護)

食事・入浴・排泄介助などの身体的な介護や、精神的なサポート(話し相手になる・外出に同行する)も重要な役割です。これが最も疲弊しやすい部分でもあるため、一人に偏らないよう注意が必要です。

支援の種類 向いている状況
金銭支援 遠方在住・仕事が多忙
時間支援 近くに在住・比較的時間がある
労力支援 体力がある・介護技術を学んだ

わたしが担当させていただいたあるご家族では、長男が県外在住でお金の面を多く負担し、地元在住の長女が通院同行や買い物を担い、次女がデイサービスの手配や行政手続きを担うというように、それぞれの状況に合わせた分担を作っていました。「全員で介護している」という感覚が生まれて、長女さんの負担感が大きく減ったとおっしゃっていました。

家族会議の進め方

役割分担を決めるには、家族全員が集まって話し合う「家族会議」が効果的です。感情的になりがちなテーマではありますが、ルールを決めて進めることでスムーズに話し合えます。

家族会議のステップ

  1. 事前に情報を共有する:要介護認定の結果・現在のサービス内容・費用・今後の見通しを全員に伝える
  2. 本人の意向を確認する:介護される方本人が参加できるなら、まず本人の希望を確認する
  3. 各自の状況を正直に話す:仕事・子育て・健康状態・居住地など、各自がどれくらい関われるかを正直に伝える
  4. 役割を具体的に決める:「誰が・何を・いつ」という形で具体的に決める
  5. 定期的に見直す:状況は変わります。半年〜1年ごとに見直す機会を設ける

会議をうまく進めるコツ

  • 「責める」ではなく「どうしたらいいか」を中心に話す
  • 一度で全部決めようとしない(複数回に分けてもよい)
  • 決まったことはメモに残す
  • ケアマネージャーに同席してもらうことで、専門的な視点を加えられる

「家族会議という形式にこだわらなくても、LINEのグループで情報を共有するだけでも、関係が変わることがあります。大切なのは全員が同じ情報を持てる状態を作ることです。」

ケアマネへの連絡窓口の一本化

複数の家族がバラバラにケアマネージャーに連絡すると、情報が混乱したり、対応が重複したりすることがあります。ケアマネへの連絡は家族の中で1人が担当することをおすすめします。

窓口を一本化するメリット:

  • ケアマネがどの情報を誰に伝えたかわかりやすくなる
  • 家族内の意見の食い違いによる混乱を防げる
  • 緊急時の連絡がスムーズになる

ただし、窓口担当者が情報を独占しないよう、家族全員に共有する仕組みを作ることが前提です。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)

よくあるトラブルと対処法

「自分ばかり介護している」という不満

担っている介護の内容が「見えにくい」ことで、貢献が認められにくいことがあります。何をしているかを記録・共有することで、貢献が可視化されます。

「遠くに住んでいるきょうだいが口だけ出す」

関与できる量が違うことを正直に話し合い、役割分担を明確にすることが大切です。意見を言う立場と実際に動く立場のズレが原因になることが多いです。

「お金の分担で揉める」

介護費用の全体像を明確にした上で、「収入に応じた割合負担」や「ひとまず誰かが立て替えて後で精算する」など、具体的なルールを作ることで解決しやすくなります。

よくあるご質問

Q
キーパーソンは長男・長女でなければいけませんか?
A
決まりはありません。地域や家族の事情よりも「実際に動きやすい人・情報を集めやすい人」が担うことが現実的です。
Q
家族会議にケアマネージャーを同席させることはできますか?
A
ケアマネージャーによっては同席してくれる場合があります。事前に相談してみてください。
Q
介護にかかる費用は親の資産から出すべきですか?
A
原則として本人の資産から支出するのが基本です。ただし資産の状況によっては家族が補う場面もあり、事前に話し合っておくことが重要です。
Q
介護で家族の関係が悪化しました。どこに相談できますか?
A
地域包括支援センターや家族介護支援センターに相談することができます。ケアマネージャーも家族関係の調整を支援してくれることがあります。
Q
一人っ子で兄弟がいない場合はどうすればいいですか?
A
家族内の分担は難しい状況ですが、介護保険サービス・民間サービスを積極的に使うことと、ケアマネージャーとの連携を密にすることが大切です。
Q
仕事と介護で手が回らない場合、どこかに相談できますか?
A
ケアマネージャーか地域包括支援センターにまず相談してください。サービスを見直すことで、家族の負担を軽くできる場合があります。

参考にした情報

まとめ

  • キーパーソンは「全部やる人」ではなく「家族の代表として窓口になる人」
  • 役割分担は「金銭・時間・労力」の3つの視点で考える
  • 家族会議は全員が同じ情報を持てる状態を作ることが目的
  • ケアマネへの連絡窓口は家族の中で1人に一本化する
  • トラブルが起きたら、一人で悩まずにケアマネ・地域包括支援センターに相談する

「介護の役割分担についてもっと話し合いたい」「何から整理すればいいかわからない」という方は、担当ケアマネージャーか地域包括支援センターに相談することをおすすめします。シルバーとっぷでも、千葉県内での在宅介護を支える情報をご提供しています。

千葉県で福祉用具・在宅介護のご相談はシルバーとっぷへ。家族の状況に合わせた提案をします。
お問い合わせフォームはこちら

※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました