こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!
「要介護認定の申請をしたけれど、結果が出るまでに時間がかかると言われた。その間に必要な用具を使えないのか?」——そんなご相談をいただくことがあります。
結論から言うと、認定結果が出る前でも、一定の条件のもとで「暫定ケアプラン」を使って福祉用具レンタルを開始できる場合があります。ただし、認定結果が予想と異なった場合には自己負担が発生するリスクもあるため、仕組みをきちんと理解した上で利用することが大切です。
この記事では、暫定ケアプランの仕組みと利用条件、注意すべきポイントをわかりやすくお伝えします。
通常の要介護認定にかかる期間
要介護認定の申請から結果通知まで、原則としておよそ30日以内と定められています。ただし実際には、認定調査の日程調整・主治医意見書の取得・審査会の開催状況などによって、目安として1か月〜2か月程度かかることも少なくありません。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html)
骨折後の退院・急な身体機能の低下など、「今すぐ福祉用具が必要」という状況では、認定結果を待ってからサービスを開始するのが難しいケースがあります。そのような場合に活用できるのが「暫定ケアプラン」です。
暫定ケアプランとは
暫定ケアプランとは、要介護認定の結果が出る前に、認定結果を仮定して作成されるケアプランのことです。正式には「暫定のケアプラン」と呼ばれ、ケアマネージャー(または地域包括支援センター)が作成します。
暫定ケアプランを作成することで、認定前でも介護保険サービス(福祉用具レンタルを含む)の利用を開始することができます。認定結果が確定した後、正式なケアプランに移行します。
(出典:厚生労働省「介護保険サービス・地域支援事業」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html)
暫定利用が認められる条件
暫定ケアプランを使った福祉用具レンタルの開始には、いくつかの条件があります。
- 要介護認定の申請を行っていること(申請前では利用できません)
- ケアマネージャーが暫定ケアプランを作成していること
- 利用する福祉用具が、見込まれる認定区分の給付対象品目であること
- 利用者(または家族)が自己負担リスクを理解・同意していること
認定申請より前に「見切り発車」でサービスを開始すると、後から申請が受理されない場合や遡及が認められない場合があります。必ず認定申請後に、ケアマネージャーを通じて手続きを進めてください。
認定結果が予想と異なった場合の自己負担リスク
暫定ケアプランの最も重要な注意点は、認定結果が予想(暫定で仮定した区分)よりも低かった場合、差額を全額自己負担しなければならないリスクがあることです。
具体的なリスクの例
| 暫定の見込み | 実際の認定結果 | リスク |
|---|---|---|
| 要介護2を想定 | 要介護2以上 | リスクなし。通常通り介護保険給付が適用 |
| 要介護2を想定 | 要介護1 | 要介護2以上が必要な品目(例:特殊寝台)は介護保険外となり、費用を全額自己負担しなければならない場合がある |
| 要介護1を想定 | 要支援1・2 | ケアプランの作成者が変わるため手続きの見直しが必要。場合によっては費用の精算が生じる |
| 要介護1以上を想定 | 非該当(自立) | 利用期間中のサービス費用を全額自己負担となる場合がある |
このリスクをゼロにすることは難しいですが、ケアマネージャーや担当の相談員と丁寧に話し合い、認定結果が想定より低かった場合の対応をあらかじめ確認しておくことが大切です。
特に高額な用具(電動介護ベッドなど)を暫定で利用する場合は、費用のリスクについて事前に十分なご説明を受けた上でご判断ください。
暫定ケアプランの流れ
- 市区町村に要介護認定を申請する(これが最初のステップです)
- ケアマネージャーに相談し、「認定前から福祉用具を使いたい」と伝える
- ケアマネージャーが暫定ケアプランを作成する(見込まれる認定区分を仮定して作成)
- 福祉用具専門相談員が訪問し、用具の選定・貸与計画書を作成する
- 福祉用具レンタル開始
- 認定調査・審査会が行われ、認定結果が通知される
- 認定結果に基づき正式なケアプランに移行、必要に応じて用具の見直しを行う
ステップ1の認定申請が完了していることが、暫定利用のスタートラインです。申請前にサービスを開始することはできませんので、ご注意ください。
ケアマネへの早期相談の重要性
暫定ケアプランをスムーズに活用するためには、できるだけ早くケアマネージャーに相談することが大切です。
早期相談が大切な理由
- ケアマネージャーが暫定ケアプランを作成するための時間が必要
- 用具の搬入・設置には福祉用具専門相談員の訪問も必要で、スケジュール調整に時間がかかる場合がある
- 自己負担リスクについて、事前に十分な説明と合意が必要
- ケアマネージャーに状況を早く伝えるほど、適切な品目・見込み区分を検討してもらいやすい
「まだ認定が終わっていないから相談するのは早い」と考える必要はありません。認定申請と同時か、その直後にケアマネージャーへ状況をお伝えすることをおすすめします。
もしケアマネージャーがまだ決まっていない場合は、地域包括支援センターに相談することで、ケアマネージャーの紹介と暫定ケアプランの相談を同時に進められる場合があります。
現場から:暫定で始めたケース
以前、骨折で入院されていたお客様が退院される際に「認定はまだ結果が出ていないけれど、自宅に帰る前に介護ベッドを設置したい」とのご希望があり、ケアマネージャーさんと連携して暫定ケアプランのもとで退院前日に搬入したことがありました。
後日、認定結果が暫定で想定していた区分と同じだったため、費用の精算は不要でした。ご家族からは「退院してすぐに使えて本当に助かった」とおっしゃっていただき、早めにご相談いただいた価値があったと感じました。ただ、認定区分によっては費用が変わるリスクもあることを事前にご説明し、ご了承いただいた上での対応でした。
よくあるご質問
参考にした情報
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html (2026年5月時点)
- 厚生労働省「介護保険サービス・地域支援事業」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html (2026年5月時点)
- 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム」 https://www.techno-aids.or.jp/ (2026年5月時点)
まとめ
- 要介護認定の申請後、結果が出る前でも暫定ケアプランを使って福祉用具レンタルを開始できる場合がある
- 暫定利用には認定申請の完了・ケアマネージャーによるケアプラン作成・本人の同意が必要
- 認定結果が想定より低い場合や非該当の場合は、全額自己負担になるリスクがある
- 特に高額な用具を暫定で利用する場合は、事前にリスクの説明を受けた上で判断することが大切
- ケアマネージャーへの早期相談が、暫定ケアプランをスムーズに活用するための第一歩
- ケアマネージャーが決まっていない場合は地域包括支援センターに相談する
「今すぐ用具が必要だけれど認定が終わっていない」という場合は、一人で悩まずにまずご相談ください。できることとできないこと、リスクについてわかりやすくご説明します。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。
