福祉用具レンタル料金の「上限価格」とは|全国平均貸与価格の公表をやさしく解説

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家族のお宅へ福祉用具のご相談にうかがっている福祉用具専門相談員です。

先日(2026年7月23日)、厚生労働省から「介護保険最新情報Vol.1526」という通知が出ました。少しかたい名前ですが、中身をかんたんに言うと、「令和9年(2027年)1月から貸し出される“新しい福祉用具”について、全国の平均レンタル価格と、その上限を公表します」というお知らせです(出典:ケアマネタイムス)。事業者向けの通知ではあるのですが、実はこれ、福祉用具を借りるご家族の家計にも静かに関わっている、大切な仕組みなんです。

現場でよくいただくご質問なのですが、「福祉用具のレンタル料金って、お店が自由に決めているの?」と不安に思われるご家族は少なくありません。そこで今日は、この「貸与価格の上限」について、わたしの現場目線でかみくだいてお話しします。

そもそも「福祉用具の貸与価格の上限」って何ですか?

介護保険を使って福祉用具を借りるとき(これを「福祉用具貸与」と呼びます)、実はレンタル料金に全国共通の“上限”が決められています。品目や商品ごとに「この金額を超えては貸してはいけません」というラインが国によって設定されているんです。

この仕組みは、以前は同じような商品でも事業所によって料金にかなり差があった、という背景から生まれました。ご家族が安心して借りられるように、価格の“上のふた”を用意してくれている、とイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

正直にお話しすると、わたしも入社したての頃、この上限のルールを聞いて「思っていたより細かく決まっているんだ」と少し混乱しました。先輩から教わったのですが、この上限は一度決めて終わりではなく、実際に全国でどれくらいの価格で貸し出されているかを国が集計し、定期的に見直して公表しているそうです。今回のニュースは、その見直しと公表の一環というわけです。

なぜ同じ車椅子でも、事業所によって料金が違うことがあるの?

「知り合いはもっと安く借りていた気がする」というお声も、現場でときどきいただきます。上限があるのに料金が違うのはなぜか、主な理由を整理してみます。

  • 商品そのものが違う:ひとくちに車椅子や介護ベッドといっても、メーカーや型番、機能はさまざまです。多機能なモデルほど価格の目安は上がりやすくなります。
  • 上限の範囲内で各事業所が料金を設定している:上限は「これ以上はダメ」というラインなので、その範囲内であれば実際の料金には幅が出ることがあります。
  • 提供されるサービス内容の違い:福祉用具のレンタルには、お届け・組み立て・使い方の説明、そして定期的な点検やメンテナンスが含まれます。この“見えない部分”も料金に関わってきます。

つまり、料金だけを見て「高い・安い」を判断するのではなく、お体に合った商品かどうか、きちんと点検してもらえるかまで含めて考えるのが、わたしたち専門相談員がいつも大事にしているところです。

「全国平均貸与価格」と「上限価格」がご家族にとって大事なワケ

今回公表されるのは、大きく分けて2つの情報です。

  • 全国平均貸与価格:その商品が、全国でだいたいどれくらいの料金で貸し出されているかの平均です。いわば“相場の目安”ですね。
  • 貸与価格の上限:これを超えて貸してはいけない、という金額です。

この2つが公表されていることで、ご家族は「今借りているものの料金は、全国の平均と比べて極端に高くないかな」と、ひとつの目安を持てるようになります。担当の福祉用具専門相談員は、商品を選ぶときにこの平均価格や上限をきちんと確認したうえでご案内していますので、ご不安なときは遠慮なく「これは平均と比べてどうですか?」と聞いていただいて大丈夫です。

ちなみに介護保険を使う場合、実際にお支払いいただくのは料金の1割〜3割(負担割合によります)が目安です。上限があることで、この自己負担が想定外に膨らみにくくなっている、とも言えます。※ご自身の負担割合や上限の詳しい適用については、負担割合証や担当のケアマネージャーさんにご確認くださいね。

今回のニュース:新しい福祉用具の価格が公表されます

今回の通知でポイントになるのは、対象が「新商品」だという点です。福祉用具は毎年のように新しいモデルが出てきますが、市場に出たばかりの新商品はまだ全国の相場が定まっていません。そこで、新しく登場した福祉用具についても平均価格と上限をあらためて公表し、令和9年(2027年)1月の貸与分から適用する、という内容です。

「令和9年1月から」という点にご注意

ここは現場でも誤解されやすいところなので、そっと補足させてください。今回のお知らせは「今日からすぐ料金が変わる」というものではなく、来年(2027年)1月の貸し出し分からの適用です。今まさに福祉用具を借りているご家族が、明日あわてて何か手続きをする必要はありません。「そういう見直しが定期的にあるんだな」と知っておいていただくだけで十分です。制度の細かい適用時期や対象商品については、厚生労働省やテクノエイド協会の情報のほか、詳しくは自治体の窓口や担当のケアマネージャーさんにご確認いただくと安心です。

現場から:ご家族に知っておいてほしい3つのこと

制度の話が続いたので、最後は千葉市でご家族と接しているわたしから、実際に役立つ視点を3つお伝えします。

  • 料金は「安さ」だけで選ばない:お体に合わない用具は、かえって転倒などのリスクにつながることがあります。合っているかどうかが第一です。
  • 定期点検・交換ができるのがレンタルの強み:レンタルなら、お体の状態が変わったときに別の商品へ交換できます。上限の範囲で、そのときに一番合うものを選び直せます。
  • 迷ったら遠慮なく相談を:「この料金って妥当?」という疑問こそ、わたしたち専門相談員が全国平均や上限を確認しながらお答えできる部分です。

わたしが担当させていただいたお客様の中には、退院を前に「介護なんて初めてで、料金の仕組みもさっぱり分からなくて…」と、ご家族がとても不安そうにされていた方がいらっしゃいました。お宅にうかがって、上限や平均価格のことを一つずつご説明し、実際に何点かお試しいただくと、「これなら見通しが立ちます」とほっとした表情になられて。玄関先で飼い犬がしっぽを振って迎えてくれたのも、今でもよく覚えています。制度は少し複雑ですが、こうして一緒に整理していけば、けっして怖いものではありません。

千葉市やその近隣で「今借りているものの料金が気になる」「新しい商品に変えたほうがいいのか知りたい」といったご相談があれば、いつでも声をかけてください。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。一緒に考えていきましょう。

参考:ケアマネタイムス

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