こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。親御さんの介護が始まったばかりのご家族から、「うちの親は要介護1だけど、福祉用具って借りられるの?」というご質問を、現場でよくいただきます。
そんな中、2026年9月10日に開かれた国の会議(社会保障審議会 介護給付費分科会の意見交換会)で、要介護1・2の方について気になる議論があったと報じられました。関係団体から「要介護1・2の方を一律に『総合事業』へ移すのではなく、今の介護給付を続けてほしい」という要望が出された、という内容です。少しむずかしい言葉が並びますが、ご家族の暮らしに関わる大切なテーマなので、わたしなりに噛み砕いてご紹介しますね。
そもそも「総合事業」と「介護給付」って何が違うの?
ニュースに出てくる「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」と「介護給付」。わたしも入社したてのころは、この2つの違いに最初は混乱しました。ざっくりお伝えすると、次のようなイメージです。
- 介護給付…要介護1〜5の方が使う、全国共通のルールで運営される介護保険サービスです。福祉用具レンタルや訪問介護などが含まれます。
- 総合事業…市区町村ごとに運営される、介護予防や生活支援のための事業です。要支援の方や、認定を受けていなくても対象になる場合があります。
今回の議論は、「要介護1・2という比較的軽度とされる方の一部サービスを、全国共通の介護給付から、市区町村ごとの総合事業へ移していこう」という以前からの検討に対して、「一律に移すのは慎重にしてほしい」という声が上がった、というものです。あくまで“議論の段階”で、制度が変わったわけではありません。
要介護1・2でも福祉用具は借りられます(今の仕組み)
まず安心していただきたいのが、今の制度では、要介護1・2の方も介護保険を使って福祉用具をレンタルできるという点です。要介護1・2で対象になりやすい品目には、目安として次のようなものがあります。
- 手すり(工事のいらない置き型タイプなど)
- スロープ(段差解消用)
- 歩行器・歩行補助つえ
介護ベッドや車椅子は、原則として要介護2以上が対象になりますが、要介護1でもお身体の状態によっては「例外給付」として認められる場合があります。判断はケアマネージャーさんや主治医の意見が関わりますので、「うちの場合はどうかな?」と思ったら、まずはご相談ください。
現場でよくいただくご質問
わたしが担当させていただいたお客様の中には、要介護1でも、ひとり暮らしや老老介護で「玄関の一段が怖い」「夜のトイレでふらつく」といった、介護度の数字だけでは見えにくいお困りごとを抱えた方が少なくありません。福祉用具は、そうした“あと少しの不安”を支える道具でもあるんです。手すり一本で、ご本人の「自分で歩けた」という笑顔が戻ることもあります。
なぜ「一律移行」に慎重論が出ているの?
今回の会議で慎重な声が出た背景には、報道によると「要介護1・2でも、認知症・独居・老老介護など、介護度だけでは捉えきれない課題を抱えた方がいて、専門職による継続的な支援が必要な場合がある」という考え方があるようです。また、総合事業は市区町村ごとの運営のため、「住む地域によってサービスに差が出るのでは」という心配も指摘されています。
ただ、これはまだ来年度以降の制度をどうするかを話し合っている途中の段階です。細かい制度の解釈や今後の見通しについては、断定できる立場ではありませんので、詳しくはお住まいの自治体の窓口や、ケアマネージャーさんなど専門家にご確認くださいね。
ご家族が今できること
制度の議論は、正直に言うとご家族が追いかけ続けるのは大変だと思います。わたしも先輩から「制度は毎年少しずつ動くから、必要なタイミングで確認すればいい」と教わりました。今できる備えとして、次の3つをおすすめしています。
- 今使っている(または使いたい)福祉用具が、何の介護度で借りられているのか、担当のケアマネさん・相談員に一度確認しておく
- お住まいの市区町村の総合事業の中身を、地域包括支援センターで聞いておく
- 制度改正の話題が出たら、「うちの親に影響はありますか?」とその都度たずねる
千葉市・千葉県での相談先
千葉市にお住まいの場合、まずお近くの地域包括支援センターが心強い相談先になります。市内は区ごとに担当エリアが分かれていますので、「どこに聞けばいいの?」と迷ったら、お住まいの区役所やセンターにお問い合わせください。すでにケアマネージャーさんがついている方は、担当の方に相談するのが一番スムーズです。
わたしたちシルバーとっぷは、千葉市を中心に、福祉用具の選び方や「うちの介護度でも借りられる?」といったご相談を無料でお受けしています。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。一緒に考えていきましょう。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
参考:社会保険研究所
