こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。
親御さんの介護が始まると、いちばん身近な相談相手になるのがケアマネジャー(介護支援専門員)さんです。そのケアマネさんの「資格のしくみ」が大きく変わりそうだというニュースが、10月26日に報じられました。
「担当のケアマネさんが変わってしまうの?」「家族が何か手続きをしないといけないの?」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。今日はこのニュースを入口に、ご家族にとって何が変わり、何が変わらないのかを、わたしなりに整理してみます。
ニュースの概要|ケアマネ資格の「更新制」がなくなる方針
介護ニュースJointの報道によると、10月26日に開かれた国の審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で、厚生労働省がケアマネジャーの資格の新しいルールと、移行の進め方を示しました。記事に書かれているおもな内容は次のとおりです。
- 施行日は2027年(来年)12月1日とされています
- ケアマネジャーの資格証(介護支援専門員証)の有効期限をなくし、恒久的な資格にする
- 主任ケアマネジャーも含めて、資格の更新制を廃止する
- そのかわり、実際に仕事をしているケアマネジャーには、5年ごとの「定期研修」の受講を義務づける
- 研修はオンライン・オンデマンドを基本とし、分けて受けることもできる
- 育児休業や離職している期間は、5年の期間に数えない
また、すでに働いているケアマネジャーは、原則として2033年3月末までに初めての定期研修を受けること、来年度に今の制度での研修を終えた人は2030年3月末まで免除されること、といった経過措置も示されたそうです。
なお、これは審議会で示された方針の段階の情報です。細かな運用はこれから決まっていく部分もありますので、最新の情報は国や自治体の発表をご確認ください。
ご家族にとって何が変わる?何が変わらない?
現場でよくいただくご質問なのですが、こうした制度のニュースが出ると「うちは何か手続きが必要ですか?」と心配されるご家族が少なくありません。
今回のニュースは、あくまでケアマネジャーさん側の資格と研修のルールについてのものです。記事の範囲では、ご家族や利用者さんが新たに手続きをする、という内容は書かれていません。ですので、今すぐ何かを準備しなければ、と慌てる必要はないことが多いと思います。
一方で、ご家族の目線で知っておくと安心なこともあります。
- ケアマネさんは、これからも一定の間隔で研修を受けながらお仕事を続けることになります
- 研修はオンライン中心・分割受講が基本とされているので、研修のために長く連絡がつかなくなる、という場面は起こりにくくなるのかもしれません
- 育休などで一時的に現場を離れる方も、期間の数え方に配慮されるしくみが示されています
わたしも最初にこのニュースを読んだときは、「更新がなくなる」「でも研修は義務」「経過措置もある」と情報が多くて、少し混乱しました。ご家族としては、「担当のケアマネさんとの関係は、基本的にこれまでどおり」と受け止めておけば十分なことが多いと思います。具体的な影響が気になる場合は、担当のケアマネさんご本人に「何か変わりますか?」と気軽に聞いてみてくださいね。
現場で感じる「ケアマネさんとの相性」の大切さ
わたしが担当させていただいたお客様の中には、退院が決まってから慌ててケアマネさんを探し、最初は「何をどこまで相談していいのか分からない」と戸惑っていたご家族がいらっしゃいました。お母さまの介護ベッドと手すりの相談で一緒に打ち合わせを重ねるうちに、ご家族から「ケアマネさんに夜のトイレのことも話してみたら、ポータブルトイレの提案につながった」と、ほっとした表情でお話しいただいたことがあります。
制度がどう変わっても、在宅介護を支えるのは結局「人と人とのやりとり」なんだな、とそのとき感じました。ケアマネさんは、介護保険のサービス全体の計画(ケアプラン)をまとめる、いわば介護の「司令塔」のような存在です。だからこそ、ご家族が遠慮せずに情報を伝えられる関係づくりが大切だと思っています。
ご家族ができること|ケアマネさんと上手に付き合う4つのコツ
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、ご家族からの情報があると、ケアプランも福祉用具の提案もぐっと具体的になります。今回のニュースをきっかけに、次のようなことを見直してみてはいかがでしょうか。
1. 連絡手段と連絡しやすい時間を確認しておく
電話・メール・連絡ノートなど、どの方法がつながりやすいかを確認しておくと、いざというときに安心です。お仕事をしながら介護をされているご家族は、ご自身の連絡しやすい時間帯も伝えておくとスムーズです。
2. 小さな変化もメモして伝える
「最近、立ち上がりに時間がかかる」「夜中に起きる回数が増えた」など、ちょっとした変化がケアプランを見直すヒントになることがあります。体調の変化そのものについては、主治医にご相談くださいね。
3. サービス担当者会議にはできるだけ参加する
ケアマネさん、ヘルパーさん、わたしたち福祉用具専門相談員などが集まる会議です。ご家族の「本当はこう暮らしてほしい」という思いを直接伝えられる貴重な場なので、短い時間でも参加していただけると、みんなで同じ方向を向きやすくなります。
4. 困ったときの相談先も知っておく
ケアマネさんとの相性がどうしても合わない、担当の変更を考えたい、という場合もあると思います。そんなときは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談できます。千葉市では「あんしんケアセンター」という名前で各区に設置されています。制度の細かな取り扱いについては、詳しくは自治体の窓口や専門家にご確認ください。
福祉用具専門相談員から見たケアマネさんとの連携
先輩から教わったのですが、福祉用具は「ケアマネさんがまとめた暮らしの目標」に沿って選ぶことで、はじめて力を発揮するそうです。たとえば「トイレまで自分で歩けるようにしたい」という目標があれば、歩行器や手すりの置き場所まで一緒に考えます。
千葉市内でも、坂道の多い住宅地、エレベーターのない集合住宅、広い戸建てなど、住まいの形はさまざまです。ケアマネさんとわたしたちが情報を共有しながら、ご家族のお話をうかがうことで、その方らしい在宅生活に近づけることが多いと感じています。
ケアマネさんの研修や資格のしくみが変わっても、わたしたち福祉用具専門相談員の役割は、ケアマネさんやご家族と一緒に「暮らしやすさ」を考えることです。気になることがあれば、ケアマネさんにも、わたしたちにも、遠慮なくお声がけください。
まとめ
- 厚労省は、ケアマネ資格の更新制を2027年12月1日に廃止し、5年ごとの定期研修に切り替える方針を示しました
- 記事の範囲では、ご家族側に新たな手続きが求められる内容は書かれていません
- 担当のケアマネさんとの関係は基本的にこれまでどおり。気になることは本人に聞いてみるのが安心です
- 日ごろの情報共有や担当者会議への参加が、より良いケアプランや福祉用具選びにつながります
わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
参考:介護ニュースJoint
