こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。退院を控えた親御さんの介護を初めて担うことになった娘さんから、「ケアマネさんってどうやって見つければいいんでしょう。最近は数が減っていると聞いて不安で……」とご相談をいただきました。ちょうど気になるニュースが出ていたので、今日はそのお話から始めさせてください。
「ケアマネ事業所が8年連続で減少」というニュース
2026年7月31日、介護ニュースJointが厚生労働省の統計をもとに、ケアプランを作る「居宅介護支援事業所」の数が減り続けていると報じました。記事によると、事業所数は全国で3万5551ヵ所(2026年4月審査分)で、前の年より392ヵ所(1.1%)減り、これで8年連続の減少とのことです。ピークだった2018年からはおよそ11.3%減ったと伝えられています。
減っている理由としては、ケアマネジャーさんの高齢化やなり手不足、事業所を畳むケースの増加、そして事業所をまとめる主任ケアマネジャーさんの確保が難しいことなどが挙げられていました。数字だけを見ると、「相談できる人が減っているの?」と心配になってしまいますよね。わたしも最初にこの見出しを見たときは、少しドキッとしました。
ただ、現場で毎日ご家族とお会いしている立場から、少し補足させてください。統計上の事業所の「数」は減っていますが、それは「もうケアマネさんに頼めない」という意味ではありません。数値の細かい解釈や地域ごとの事情は自治体によって差がありますので、あくまで元記事に書かれた範囲のお話としてお読みいただければと思います。
そもそもケアマネージャーさんは何をしてくれる人?
介護がこれから始まるご家族にとっては、「ケアマネさん」という言葉自体がまだ耳慣れないかもしれません。ケアマネージャー(介護支援専門員)さんは、要介護認定を受けた方の生活を見て、どんな介護サービスをどう組み合わせるかという「ケアプラン」を作ってくれる、いわば介護の司令塔のような存在です。
- ご本人やご家族の希望をうかがって、必要なサービスを提案してくれる
- デイサービスや訪問介護、わたしたちのような福祉用具の事業者との橋渡しをしてくれる
- 介護保険の支給限度額の範囲でプランを調整してくれる
- 状態が変わったときにプランを見直してくれる
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、ご家族だけで「どのサービスをどれだけ使えばいいか」を判断するのはとても難しいものです。だからこそ、早めにケアマネさんとつながっておくことが、その後の介護をぐっとラクにしてくれます。
事業所が減っている今、ご家族はどう探せばいい?
「数が減っているなら、早い者勝ちで焦らないと」と思われるかもしれませんが、あわてなくて大丈夫です。順番にご説明しますね。
1. まずは地域包括支援センターに相談する
ケアマネさん探しの最初の窓口は、お住まいの地域を担当する「地域包括支援センター」です。千葉市の場合は各区にセンターがあり、担当エリアごとに高齢者のよろず相談を受け付けてくれます。ここで事情をお話しすると、近くの居宅介護支援事業所を紹介してもらえます。事業所が減っているエリアでも、センターが空き状況を把握していることが多いので、まずはここへ、と覚えておいてください。
2. 退院前なら病院の相談員さんに聞く
入院中の親御さんが退院して在宅介護に移るときは、病院の「医療ソーシャルワーカー(相談員)」さんが地域のケアマネさんとつないでくれることがよくあります。わたしが担当させていただいたお客様の中には、退院前カンファレンスの場でケアマネさんが決まり、そのまま福祉用具の手配まで一気に進んだ、という方もいらっしゃいました。
3. 相性が合わなければ変更もできる
ベテランの先輩によると、ケアマネさんとの相性はご家族の安心感を大きく左右するそうです。もし「話しづらいな」と感じたら、事業所やセンターに相談して変更することもできます。数が減っているからと遠慮しすぎず、長くお付き合いする相手として、ご家族が納得できる方を選んでいただきたいなと思います。
ケアマネさんが決まるまでに、ご家族ができる備え
事業所が探しにくい時期には、「決まるまでの数日〜数週間をどう過ごすか」も気になるところです。現場でよくいただくご質問なのですが、実は介護保険の要介護認定が下りる前や、ケアプランが正式に固まる前でも、暫定的な仕組みで福祉用具のレンタルを始められる場合があります。詳しい手続きはケアマネさんや自治体の窓口によって扱いが異なりますので、必ずご確認いただきたいのですが、「認定を待つ間、何もできずに困る」という事態はできるだけ避けたいところです。
また、この夏のように猛暑が続く時期は、ケアマネさんが決まるのを待つあいだも、ご自宅の環境づくりだけは先に進めておくと安心です。
- ベッドから立ち上がるときの手すりや、廊下・トイレの動線の見直し
- 室温をこまめに確認できる温度計の設置(高齢の方は暑さを感じにくいことがあります)
- 夜間のトイレが不安な場合のポータブルトイレの検討
こうした環境の整え方は、福祉用具専門相談員がご相談に乗れる部分です。先輩から教わったのですが、ケアマネさんと福祉用具の相談員がうまく連携できると、ご家族が同じ説明を何度もしなくて済み、負担がぐっと減るそうです。わたしたち相談員は、ケアマネさんの決定に沿って動くパートナーですので、「ケアマネさんが見つかるまでの下準備」も遠慮なくご相談ください。
数字に不安になりすぎないでいただきたいのです
ニュースの数字を見ると、「介護を支える人が減っている」と感じて心細くなるご家族もいらっしゃると思います。でも、目安として全国に3万5千を超える事業所があり、千葉市内にも地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、そしてわたしたちのような福祉用具の事業者がいます。「どこに相談すればいいか分からない」という最初の一歩さえ越えられれば、支えてくれる人は必ず見つかります。
わたしも訪問先で、「何から手をつけていいか分からなくて」というご相談を、よくいただきます。難しい制度の話が続くと混乱してしまいますよね。わたしも入社したての頃は、ケアマネさんと福祉用具事業者の役割の違いすら曖昧で、先輩に何度も聞き直したものです。一緒に、一つずつ整理していきましょう。
ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
参考:介護ニュースJoint
