こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家族のお宅へ福祉用具のご相談にうかがっています。
先日、介護のニュースサイトを見ていて、ご家族に関わりの深い発表を見つけました。厚生労働省が2026年9月、行方不明になった高齢者の介護保険料の取り扱いを整理し、「全額免除としても差し支えない」「あとから払い過ぎとわかれば返還される場合がある」という考え方を示した、というものです(介護ニュースJoint 2026年9月9日)。少し硬いテーマに聞こえるかもしれませんが、認知症の親御さんがふらっと外に出てしまう――そんな不安を抱えるご家族にこそ、そっとお伝えしたい内容でした。
ニュースの要点をやさしく整理します
元記事によると、今回の整理のポイントは大きく2つです。
- 行方不明になっている間の介護保険料について、市町村の判断で「全額免除」とすることもできる、という考え方が示されました。
- もし後日、法律上の手続きを経てさかのぼって亡くなったとみなされた場合、その日の翌日以降にかかっていた保険料は無効となり、払い過ぎた分は市町村から返還される、という取り扱いです。
対象は65歳以上の第1号被保険者(65歳以上で介護保険料を納めている方のことです)。行方不明のご家族から「保険料はどうなるの?」という相談が寄せられたことがきっかけになったそうです。わたしも制度の細かい部分は最初に読んだとき混乱しましたが、要は「行方がわからない間の負担に、ご家族が一人で頭を抱えなくてもよいように」という配慮の整理だと受け止めています。
大切なのは「自分で判断しない」こと
ここで一つだけ注意です。実際に免除になるかどうか、いつから対象になるかは、お住まいの市町村の判断や個別の事情によって変わります。失踪宣告など法律にかかわる手続きの解釈は、わたしのような福祉用具の相談員がお答えできる範囲を超えます。具体的な手続きは、お住まいの自治体の介護保険窓口や、必要に応じて弁護士などの専門家にご相談ください。千葉市なら各区の介護保険担当窓口や地域包括支援センターが最初の相談先になります。
現場でよくいただく「外に出てしまう」というご相談
現場でよくいただくご質問なのですが、「認知症の親が一人で外に出てしまって、気づくと家にいない」というお悩みは本当に多いです。わたしが担当させていただいたお客様の中にも、夜間に玄関の鍵を開けて出てしまい、ご家族が眠れない日が続いた、という方がいらっしゃいました(場所やお名前が特定されないよう、ぼかしてお伝えしています)。
今回のニュースは「行方不明になったあとの保険料」の話ですが、ご家族の本音は「そもそも行方不明にならないように、早く気づけるように備えたい」ではないでしょうか。ここは、福祉用具でお手伝いできる部分があります。
徘徊に備える福祉用具の例
- 徘徊感知機器(離床・人感センサー): ベッドから起き上がったときや、玄関・部屋の出入りを察知して、ご家族の手元やチャイムでお知らせします。介護保険のレンタル対象になる品目もあります。
- 位置がわかるタイプの機器: 万一外に出てしまっても、居場所の手がかりを得やすくする仕組みです。国でも、通信機能のついた徘徊感知機器を給付の対象に含める動きが出ています。対象や条件は変わることがあるので、ケアマネさんにご確認くださいね。
- 玄関まわりの環境づくり: 段差でつまずかないようにする、夜間に足元が見えるようにするなど、出入りそのものを安全にする工夫も、転倒予防と合わせて大切です。
どの用具が合うかは、認知症の進み方やお住まいの間取り、ご家族の生活時間によって変わることが多いです。「センサーをつけたら安心」ではなく、「どう気づいて、どう動くか」までご家族と一緒に考えることが、ベテランの先輩によると何より大事なのだそうです。
いざという時に慌てないための、平時の備え
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、行方不明のような「もしも」の場面では、平時の準備がものを言います。目安として、次のようなことを家族で確認しておくと安心です。
- ご本人の最近の写真、身長や服装の特徴をすぐ出せるようにしておく。
- いなくなったと気づいたら、ためらわず警察に相談すること(早い連絡が手がかりにつながります)。
- お住まいの市町村の見守りネットワークやSOSの登録制度を、地域包括支援センターで確認しておく。千葉市でも高齢者を地域で見守る取り組みがあります。
- 介護保険や各種手続きの窓口が区役所のどこにあるかを、あらかじめ調べておく。
制度の話が続くと不安になりますよね。わたしも最初は「そんなに覚えられない」と思いました。でも、全部を一度に準備する必要はありません。まずは「気づく仕組み」と「相談先を知っておくこと」から。ご不安な気持ちに寄り添いながら、一緒に一つずつ整えていければと思っています。
ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。徘徊への備えや見守り機器のご相談も、いつでもお声がけください。一緒に考えていきましょう。
参考:介護ニュースJoint
