こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家族のお宅へ福祉用具をお届けしたり、ご相談にのったりしている福祉用具専門相談員です。
先日、こんなニュースを目にしました。ある自治体で、委託していた業者の計算間違いによって、介護保険料が本来より多く請求されていた方が84人いて、その合計はおよそ269万円にのぼった、というものです(郡山市が2026年8月10日に発表・ケアマネジメントオンラインより)。しかも、同じような誤りがほかの自治体でも見つかっていて、その流れで調査をしたところ判明したそうです。
金額の大小はさておき、わたしがこのニュースを読んで思ったのは、「介護に関わるお金の通知って、ちゃんと見られている方は意外と少ないかもしれないな」ということでした。現場でよくいただくご質問なのですが、「この紙、何の書類ですか?」と、封筒に入ったまま置いてある通知を見せていただくことが本当に多いのです。今日は、このニュースをきっかけに、ご家族が“届いた通知”をどう確認すればいいかを、やさしくお話しします。
そもそも「介護のお金」は2種類あります
まず整理しておきたいのですが、介護保険に関わるお金は、大きく分けて2つあります。ここがごちゃ混ぜになりやすいポイントなので、わたしも最初は混乱しました。
- 介護保険料…65歳以上の方などが、サービスを使う・使わないにかかわらず納める「保険の掛け金」のようなお金です。今回のニュースで間違いがあったのは、こちらの「保険料」です。
- サービスを使ったときの自己負担…実際にデイサービスや訪問介護、福祉用具レンタルなどを使ったときに、かかった費用の1〜3割を負担するお金です。
「保険料」は、お住まいの市区町村から通知が届きます。金額は所得などによって決まり、目安として何段階かに分かれていることが多いです。一方の「自己負担の割合」は、毎年届く介護保険負担割合証という小さな紙で確認できます。この2つは、届く時期も見るところも違う、別々の書類だとおぼえておいていただくと安心です。
ご家族が確認したい3つのポイント
ニュースのような請求ミスは、けっして頻繁に起こることではありません。ただ、「届いた通知に一度は目を通す」という習慣は、こういうときに気づける力になります。ベテランの先輩によると、書類をきちんと見ているご家族ほど、いざというときの動きが早いそうです。わたしが現場でお伝えしているのは、次の3つです。
1. 保険料の通知は「金額」と「段階」をチェック
介護保険料の通知が届いたら、去年と比べて金額が急に大きく変わっていないか、そして「第◯段階」といった区分が本人の状況に合っていそうか、ざっと見てみてください。所得の変化などで金額が変わることは普通にありますが、「心当たりがないのに大きく増えた」ときは、確認のきっかけになります。
2. 負担割合証は「1割・2割・3割」と有効期間を確認
福祉用具のレンタル料にも直結するのが、この負担割合証です。同じ介護ベッドを借りていても、負担割合が1割の方と2割の方では、毎月お支払いいただく金額が変わってきます。有効期間は毎年8月から翌年7月までが目安で、この時期に新しいものが届きます。「去年は1割だったのに今年は2割になっていた」ということもあるので、届いたら割合と期間を必ず見ておきましょう。(負担割合が変わる理由については、以前このブログでも触れています。)
3. 「おかしいな」と思ったら、まず市区町村の窓口へ
もし通知の内容に「これで合っているのかな?」と感じたら、自己判断で放置せず、まずはお住まいの市区町村の介護保険課や、地域包括支援センターに問い合わせてみてください。千葉市であれば各区の窓口や区ごとの地域包括支援センターが相談先になります。保険料の金額や算定の詳しい根拠については、わたしたち福祉用具の相談員ではお答えできない部分なので、詳しくは自治体の窓口や専門家にご確認くださいね。
現場で感じる「書類を見ておく」ことの大切さ
わたしが担当させていただいたお客様の中には、退院をきっかけに、急にたくさんの手続きと書類が一度に押し寄せて、「何が何だか分からなくて、全部そのまま置いてしまっていた」という方が少なくありません。特に、親御さんの介護がある日突然始まったご家族にとっては、無理もないことだと思います。
先日も、あるお宅にうかがったとき、テーブルの隅に未開封の封筒が積み重なっていて、その中に負担割合証が入っていた、ということがありました。ご家族と一緒に一枚ずつ開けて、「これは福祉用具に関係する紙ですよ」「これは市役所に確認するといいですね」と仕分けしていくと、ご家族の表情が少しずつほぐれていったのが印象的でした。動物好きのわたしは、そのお宅の猫ちゃんにも癒されつつ、書類の山と向き合ったのを覚えています。
ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、こうした書類の整理は、ご家族だけで抱え込まなくて大丈夫です。介護保険のお金の細かい部分はケアマネさんや自治体、福祉用具のことはわたしたち相談員、と、それぞれ聞ける相手がいます。今回のニュースのように「請求が間違っていた」というケースも、誰かがどこかで気づけば、きちんと訂正される仕組みになっています。
福祉用具のレンタル料も、いっしょに見直しませんか
負担割合証を確認するタイミングは、いま借りている福祉用具が本当に体に合っているかを見直す、いい機会でもあります。「もう歩けるようになったのに、まだ借りっぱなしのものはないかな」「逆に、最近ヒヤッとする場面が増えたから手すりを足したいな」——そんなふうに、暮らしの変化に合わせて調整していけるのが、レンタルの良いところです。
料金についても、「いま毎月いくら負担しているのか」を一度整理しておくと、ご家族みんなが安心できます。負担割合や品目によって金額は変わりますので、目安を知りたい方は、遠慮なくお声かけください。一緒に確認していきましょう。
介護に関わる書類やお金の話は、最初はどなたも「難しそう」と身構えてしまうものです。わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
