高額医療・高額介護合算療養費制度をやさしく解説

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「お父さんの介護費用だけでも大変なのに、医療費もかさんでいて……」——そんなご相談を受けることがあります。介護と医療の両方で費用がかかる場合に、ぜひ知っておいてほしい制度があります。それが高額医療・高額介護合算療養費制度です。

この制度は、医療保険と介護保険の自己負担を1年間合算して、一定の上限を超えた分を払い戻すしくみです。それぞれ単独では「高額療養費」「高額介護サービス費」の対象にならなかった場合でも、合算することで上限を超える可能性があります。

制度の概要

高額医療・高額介護合算療養費制度は、同じ世帯の医療保険と介護保険の自己負担額を1年間合算し、上限額を超えた分が支給される制度です。

たとえば、1か月あたりの介護費用が高額介護サービス費の上限には達しないが、医療費と合わせると年間の上限を超えるようなケースで有効です。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

合算の対象となるのは以下の自己負担分です。

  • 医療保険(健康保険・後期高齢者医療保険など)の自己負担額
  • 介護保険の自己負担額

食費・居住費・差額ベッド代・保険外費用などは対象外です。

なお、高額療養費や高額介護サービス費によって既に払い戻しを受けた分はその後の自己負担から差し引いて計算されます。

計算対象期間(8月〜翌7月)

この制度の計算対象期間は毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。暦年(1〜12月)ではない点に注意が必要です。

この期間内に発生した医療費と介護費用の自己負担を合算して、年間限度額を超えた分が支給されます。

所得区分別の自己負担限度額

限度額は所得区分によって異なります(以下は70歳以上の方の目安です。70歳未満は別途区分があります)。

所得区分 年間限度額の目安
現役並み所得III(年収約1,160万円以上) 212万円
現役並み所得II(年収約770万〜1,160万円) 141万円
現役並み所得I(年収約383万〜770万円) 67万円
一般(住民税課税で上記以外) 56万円
住民税非課税(II) 31万円
住民税非課税(I) 19万円

※上記はあくまで目安です。70歳未満の方は区分が異なります。詳細は市区町村や加入している健康保険組合にご確認ください。
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

わたしが訪問させていただいているご家庭の中にも、医療費と介護費用がそれぞれ単独では大きな金額にならないけれど、合算すると年間の上限を超えるケースがときどきあります。「知らなかった」と言われることが多い制度ですので、ぜひ一度確認してみてください。

申請の流れと窓口

申請先は医療保険と介護保険で異なるため、以下のような流れで手続きします。

  1. 介護保険の自己負担額を把握する:市区町村から毎月送られる「介護保険サービス利用明細書」などで確認します。
  2. 医療保険の自己負担額を把握する:加入している健康保険組合や後期高齢者医療広域連合に問い合わせます。
  3. 支給申請書を提出する:まず介護保険の窓口(市区町村)に申請し、「自己負担額証明書」を受け取ります。次にその証明書を医療保険の窓口(健康保険組合等)に提出します。
  4. 審査・支給:審査後、指定口座に払い戻し金が振り込まれます。

申請書類は市区町村・健康保険組合でそれぞれ入手できます。自治体によって書類の名称や書式が異なる場合があります。

申請の注意点

  • 期限がある:対象期間終了後(7月31日)の翌日から2年が時効です。早めに申請しましょう。
  • 世帯分離している場合:住民票上の世帯が分かれている場合は合算できないことがあります。
  • 後期高齢者医療と国民健康保険を使っている家族がいる場合:同じ世帯でも加入している医療保険が異なると合算できないケースがあります。詳細は各窓口へ。
  • 自動支給されない:高額療養費と異なり、この制度は申請が必要です。自動的には支給されません。

よくあるご質問

Q
高額介護サービス費と合算制度、どちらが先に適用されますか?
A
まず各単独の制度(高額療養費・高額介護サービス費)で払い戻しが行われ、それでも残った自己負担を合算して限度額を超えた分が合算制度で支給されます。
Q
合算制度の申請はどこですればよいですか?
A
まず介護保険の窓口(市区町村)で自己負担額証明書を取得し、その後医療保険の窓口(健康保険組合・協会けんぽ等)に提出する流れが一般的です。
Q
70歳未満の場合も対象になりますか?
A
はい、70歳未満の方も対象です。ただし所得区分の区分けが70歳以上とは異なります。
Q
世帯内の複数人の費用を合算できますか?
A
はい、同じ世帯に複数の介護保険・医療保険利用者がいる場合、世帯全員の自己負担額を合算して計算します。
Q
対象期間(8月〜7月)の途中から介護サービスを始めた場合はどうなりますか?
A
対象期間内に支払った分のみが合算対象になります。年間を通じた累計額で判定します。

参考にした情報

まとめ

  • 高額医療・高額介護合算療養費制度は、医療費と介護費用を1年間合算して限度額超過分を支給する制度
  • 対象期間は8月1日〜翌7月31日(暦年ではない)
  • 限度額は所得区分ごとに設定されており、一般区分で年間56万円(目安)
  • 申請は市区町村(介護保険)→健康保険組合等(医療保険)の順で行う
  • 自動支給ではないため申請が必要。時効は2年

単独ではなかなか上限に達しない方も、合算することで払い戻しが受けられる場合があります。ぜひ制度を活用してみてください。

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※本記事の情報は2026年時点のものです。制度の詳細・申請方法は市区町村または加入している医療保険の窓口にご確認ください。

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