こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、福祉用具専門相談員としてご家族のお宅へうかがっています。
先日、気になるニュースが目に留まりました。千葉県警のまとめで、2026年1月から6月までの「電話de詐欺(特殊詐欺)」の被害額が、県内で過去最悪の約68億円にのぼったというのです。わたしが担当させていただくお客様は高齢の方が多く、「これは介護のご家族にも関わるお話だな」と感じましたので、現場目線で少し噛み砕いてみたいと思います。
千葉県で何が起きているの?ニュースの内容
まずは元記事に書かれている範囲で、事実だけを整理します。千葉テレビ放送(チバテレ+プラス)の報道によると、ポイントはこのようになっていました。
- 2026年1月〜6月の被害額は約68億3600万円で、前年の同じ時期より12億円ほど増え、過去最悪だったこと
- 手口の内訳では、「SNS型投資詐欺」が約27億円、警察官を名乗る「ニセ警察詐欺」が約21億円と大きな割合を占めたこと
- この期間に105人が検挙され、前年より13人増えたこと
- 千葉県警は「詐欺の電話に出ないこと」を対策の一つとして呼びかけていること
数字はあくまで報道された目安ですが、身近な千葉県内でこれだけの被害が出ていると聞くと、はっとしますよね。制度や手口の細かいところは、お住まいの警察署や自治体の窓口が正確ですので、詳しくはそちらへご確認いただくのが安心です。
なぜ在宅介護のご家族に関係するの?
「詐欺の話と福祉用具って関係あるの?」と思われるかもしれません。でも訪問の現場に立っていると、実はとても近いところにあるテーマだと感じます。
わたしが担当させていただくお客様の中には、日中はおひとりで過ごされている方や、少し物忘れが出てきた方もいらっしゃいます。ご家族が仕事や遠方にお住まいで、日中はどうしても目が届きにくい——そんなお宅は珍しくありません。先輩から教わったのですが、こうした「日中独居」の状態は、在宅介護でご家族がいちばん不安を感じる場面の一つなのだそうです。
先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。手すりの点検をしながらお茶をいただいていると、ご本人が「知らない番号からよく電話がかかってくるのよ」とぽつり。ご家族に伝えると、とても驚いていらっしゃいました。福祉用具のご相談でおじゃましたのに、暮らし全体の安心の話に広がることは、現場では本当によくあります。介護が始まると、身体の安全だけでなく「暮らしをどう見守るか」という視点が、ご家族に自然と芽生えてくるのだと思います。
訪問先で感じる、ご家族ができる「見守り」の備え
詐欺そのものへの対応は、警察や自治体、専門の相談窓口が頼りになります。ここでは、わたしが現場でご家族とよくお話しする「見守りの体制づくり」という角度から、できることを整理してみます。
1. まずは「連絡と声かけ」の仕組みを
いちばん基本になるのは、ご家族との日々のつながりです。電話でもメッセージでも、「昨日こんな電話があった」と気軽に話せる関係があるだけで、あやしい話に一人で抱え込まずに済むことが多いです。遠距離で毎日は難しいという場合でも、曜日を決めて連絡する、ご近所やケアマネージャーさんと情報を共有しておく、といった工夫がよく効くと感じます。
2. 固定電話まわりの対策
千葉県警も「詐欺の電話に出ないこと」を呼びかけています。留守番電話を活用して知らない番号にはいったん出ない、といった備えは、ご家庭でも取り入れやすい方法です。具体的な機器や特殊詐欺対策の仕組みについては、警察署や市区町村の窓口で最新の情報を案内してもらえますので、一度ご相談されると安心だと思います。
3. 見守り機器という選択肢
福祉用具の世界にも、暮らしを見守る道具があります。たとえば、認知症のある方が一人で外に出てしまうことを知らせる「認知症老人徘徊感知機器」は、介護保険でレンタルできる品目に含まれています。人感センサーやマットタイプなど種類もいろいろで、ご本人の状態やお住まいに合わせて選べます。
ただし、これらが介護保険の対象になるかどうかは要介護度によって変わり、目安として要介護2以上の方が対象になることが多いです。わたしも最初は「どこまで借りられるのかな」と混乱しましたので、対象になるかどうかは担当のケアマネージャーさんにご確認いただくのがいちばん確実です。詐欺を直接防ぐ道具ではありませんが、「ご本人の様子に早く気づける環境」をつくるという意味で、見守りの一助になることがあります。
4. 地域包括支援センターを頼る
千葉市には各区に地域包括支援センターがあり、高齢者の暮らしの困りごとを幅広く相談できます。「最近ちょっと様子が心配で」といった段階でも大丈夫です。ケアマネージャーさん、地域包括、ご家族、そしてわたしたち福祉用具の担当が連携すると、見守りの網の目が細かくなり、変化に気づきやすくなります。ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、こうした「チームで見守る」形が、在宅介護を長く続けるうえで大きな支えになります。
「安心して家で暮らす」を一緒に考えましょう
今回のニュースは詐欺被害のお話でしたが、根っこにあるのは「離れていても、家族が安心して家で暮らせるように」という願いだと思います。福祉用具は身体を支える道具であると同時に、ご家族の心の負担を少しやわらげる道具でもある——訪問を重ねるほど、そう感じます。
ご本人の状態や制度の判断が必要なことは、主治医やケアマネージャーさん、自治体の窓口など、それぞれの専門家にご相談いただくのがいちばんです。そのうえで、「家での見守りをどう整えるか」という部分は、わたしたちもお手伝いできます。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。一緒に考えていきましょう。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
