軽くて折りたためる電動車椅子が話題|外出を諦めない在宅介護の備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。先日、あるニュースが目に留まりました。折りたためて片手でも扱いやすい、とても軽い電動車椅子の新しいモデルが発表された、という記事です(介護ニュースJoint・2026年9月3日)。バッテリーを除いた重さが18.6kgと、これまでよりぐっと軽くなり、車への積み込みや持ち運びがしやすくなったそうです。

このニュースを読んで、わたしがまず思い浮かべたのは、訪問先でよくいただく「もう外に連れて出てあげられないのかしら」というご家族の声でした。今日は、この話題を入口に、電動車椅子と外出について、ご家族目線で一緒に考えてみたいと思います。

「外出をあきらめる」は、案外はやく訪れます

親御さんの介護が始まると、多くのご家族が「まず室内を安全に」と考えます。もちろんそれはとても大切なことです。でも、少し落ち着いてくると、次に出てくるのが「外出」の悩みなんです。

わたしが担当させていただいたお客様の中には、「歩くのがつらくなってから、病院とデイサービス以外はほとんど家から出ていない」という方が少なくありません。ご本人が「もういいよ」とおっしゃることもあります。でも、少し話をうかがうと、本当は「お墓参りに行きたい」「近所の桜をまた見たい」という気持ちを持っていらっしゃることが多いんです。

外に出る機会が減ると、体を動かす場面も、人と話す場面も減ってしまいます。ベテランの先輩によると、外出の機会は気持ちの張りにもつながるので、無理のない範囲で続けられる形を一緒に探すことが大事なのだそうです。

電動車椅子は「歩けないから乗るもの」ではありません

「電動車椅子」と聞くと、寝たきりに近い方が使うもの、というイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。でも実際は、少し違います。

現場でよくいただくご質問なのですが、「自分の足で少しは歩けるのに、電動車椅子なんて大げさでは」とおっしゃるご家族がいます。実は、短い距離は歩けても、坂道や長い距離になると疲れてしまう、途中で休む場所がなくて不安、という方にこそ、外出の手段として役立つ場合があります。

千葉市内でも、稲毛区や若葉区のように坂道や段差の多いエリアがあります。「駅までは行けるけれど、帰りの上り坂がしんどい」というお声は本当によくうかがいます。そうした場面で、移動の負担を減らす一つの選択肢になるのが電動車椅子です。

ご家族の負担も軽くなることがあります

今回のニュースで注目されていたのは「軽くて折りたためる」という点でした。これはご本人だけでなく、送り出すご家族にとっても大きな意味があります。

  • 車のトランクに積んで、少し離れた場所へ一緒に出かけやすくなる
  • 玄関先での持ち運びや、ちょっとした移動がしやすくなる
  • 「車椅子を押し続ける」介助の負担が減る場面がある

もちろん、機種によって重さや折りたたみ方はさまざまです。どんな車に積むのか、誰が扱うのか、保管場所はあるか。こうした暮らしの実際に合わせて選ぶことが、いちばん大切だとわたしは思っています。

介護保険でレンタルできる場合があります

電動車椅子は、条件に当てはまれば介護保険を使ってレンタルできる福祉用具の一つです。今回のニュースでも、新しいモデルが介護保険レンタルにも対応できると紹介されていました。

ただ、ここは少しだけ注意が必要です。電動車椅子(電動車いす)は、目安として要介護2以上の方がレンタルの対象になることが多い品目です。要支援や要介護1の軽度の方の場合は、原則として対象外になることがあり、心身の状態によって例外的に認められるケースもあります。この判断は、ケアマネージャーさんや主治医の意見をふまえて決まっていきます。

「うちの親は使えるのかしら」と気になったら、まずはケアマネージャーさんにご相談ください。担当のケアマネさんがまだ決まっていない場合は、お住まいの地域包括支援センターが入口になります。千葉市の場合は、6つの区それぞれに担当のセンターがあります。

わたしも制度のこまかい要件は、最初は混乱しました。「対象になるかどうか」は状態や地域によって変わる部分があるので、ご自身だけで判断せず、詳しくは自治体の窓口や専門家にご確認いただくのが安心です。

選ぶ前に、試せることも多いんです

先輩から教わったのですが、電動車椅子のように操作に慣れが必要な用具ほど、いきなり決めずに、実際に触れて動かしてみることが大事です。

  • ご本人が操作レバーを無理なく扱えるか
  • いつも通る道の段差や坂を、安全に越えられるか
  • ご自宅の玄関や廊下を通れるサイズか

わたしたち福祉用具専門相談員は、こうした点を一緒に確認しながらご提案します。カタログの数字だけでは分からないことが、実際に使ってみると見えてくるものです。

まずは「行きたい場所」を一つ思い出すことから

外出の話は、つい「安全かどうか」から入りがちです。でもわたしは、「どこに行きたいか」から一緒に考えるようにしています。目的があると、必要な用具や準備が具体的になり、ご本人の表情も変わることが多いからです。

親御さんが「あそこにまた行きたいな」と言える暮らしは、ご家族にとっても支えになります。福祉用具は、その気持ちをかなえるための道具の一つです。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。電動車椅子のことでも、外出の相談でも、ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:介護ニュースJoint

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