高齢者の割合29.6%で過去最高|働く親・元気な親のうちに始める在宅介護の備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。

今週の月曜日は敬老の日でしたね。ご実家に顔を出したり、電話をかけたりしたご家族も多かったのではないでしょうか。わたしも市川の実家に帰って、柴犬の散歩ついでに近所をぐるっと歩いてきました。

この敬老の日にあわせて、総務省が高齢者の人口推計を公表したというニュースがありました。今日はこのニュースをきっかけに、「親はまだ元気で、働いてもいる。でも少し気になる」という段階のご家族にできる備えについてお話しします。

ニュースのポイント|高齢者の割合は29.6%で過去最高

信濃毎日新聞デジタルが2026年9月20日に配信した記事では、総務省の人口推計として次のような内容が紹介されています。

  • 65歳以上の高齢者は前年から2万人増え、3624万人。2022年・2024年と並んで過去最多
  • 総人口に占める高齢者の割合は29.6%で、過去最高を更新
  • 65歳以上で働いている人は22年連続で増え、943万人と過去最多。働く人のおよそ7人に1人が高齢者
  • 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2045年に高齢者は総人口の36.3%にあたる3945万人になる見込み

数字だけ見るとピンとこないかもしれません。でも「人口のおよそ3割が65歳以上」で、「働く人の7人に1人が高齢者」ということは、70代になっても仕事や地域の役割を続けている親世代がとても多いということだと思います。

「まだ元気だから大丈夫」が一番むずかしい時期

現場でよくいただくご質問なのですが、「親はまだ介護が必要なほどではないのに、相談してもいいんでしょうか?」と遠慮がちに聞かれることがあります。

わたしが担当させていただいたお客様の中には、70代で週に何日かお仕事を続けていたお父さまが、夕方の帰宅時に玄関の段差でつまずいて転倒し、そこから急に介護が必要になったというケースがありました。ご家族は「つい先週まで普通に出勤していたのに」と、とても驚いていらっしゃいました。

元気で活動的な方ほど、ご本人もご家族も「うちはまだ先の話」と思いやすいものです。けれど、外出する機会が多いぶん、疲れて帰ってきた夕方や、暗くなった玄関まわりで危ない場面に出会うこともあります。介護が始まる前の「元気なうち」こそ、住まいを見直しやすいタイミングなんです。

元気なうちに見ておきたい住まいのチェックポイント

先輩から教わったのですが、ご実家に帰ったときは「ご本人が一日の中で通る道すじ」をたどってみるのがコツだそうです。

玄関まわり

  • 上がりかまちの段差を、靴を脱ぎ履きしながら片足立ちで越えていないか
  • 靴を履くときに、壁や下駄箱に手をついていないか(つかまる場所が必要なサインのことが多いです)
  • 夕方以降、足元が暗くなっていないか

廊下・トイレ・寝室

  • 夜中にトイレへ行く道すじに、つまずきやすいマットやコードがないか
  • ベッドや布団から立ち上がるとき、何かにつかまっていないか
  • トイレで立ち座りするとき、ペーパーホルダーなど本来つかまる物ではない所に手をかけていないか

浴室

  • 浴槽をまたぐとき、ふらついていないか
  • 洗い場の床がすべりやすくなっていないか

「つかまっている場所」「ふらっとする場所」は、ご本人は無意識なことが多いです。ご家族がさりげなく見て、「ここ、手すりがあったら楽そうだね」と声をかけるだけでも、話し合いのきっかけになります。

介護保険の認定がなくても、相談はできます

福祉用具のレンタルに介護保険を使うには、要介護・要支援の認定が必要です。ただ、認定を受けていない段階でも相談すること自体はできます。

  • 地域包括支援センター:高齢者の暮らしの総合相談窓口です。千葉市では「あんしんケアセンター」という名前で、市内各地にあります。「介護申請をするほどか分からない」という段階の相談も受けてもらえることが多いです
  • 福祉用具専門相談員:手すりや段差まわりなど、「この家でどんな道具が合いそうか」を一緒に考えるのがわたしたちの仕事です
  • 主治医:最近つまずきが増えた、足腰が弱ってきたなど体の変化が気になるときは、まず主治医にご相談ください

要支援・要介護の区分や、使えるサービスの範囲は、お住まいの自治体や一人ひとりの状況によって変わることがあります。制度のくわしいことは、市区町村の窓口やケアマネさんに確認していただくのが安心です。わたしも入社したばかりの頃は、「要支援」と「総合事業」と「介護予防」の違いがなかなか整理できず、とても混乱しました。わからなくて当然なので、遠慮なく聞いてみてくださいね。

働く親を支える「ちょうどいい」道具選び

お仕事や趣味で外に出ることが多い親御さんの場合、「いかにも介護用品」という見た目を嫌がられることがよくあります。ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、ご本人の気持ちを置き去りにしないことがとても大切です。

  • 工事のいらない据え置き型の手すり:玄関や寝室に置くタイプは、賃貸やマンションでも取り入れやすいことが多いです
  • おしゃれなデザインの杖:外出時だけ使う、という取り入れ方もあります
  • 玄関用の踏み台:段差を2段に分けるだけで、上り下りがぐっと楽になる場合があります

道具は「できなくなったことを補う」だけではなく、「今の生活をできるだけ長く続ける」ためのものでもあります。実際に試してみて、ご本人が「これなら使ってもいいかな」と思えるものを選ぶのがいちばんです。

親子で話すきっかけに、ニュースを使ってみる

「転ばないように手すりをつけよう」と正面から切り出すと、「年寄り扱いしないで」と言われてしまうこともありますよね。そんなときは、今回のようなニュースを話題にしてみるのもひとつの方法です。

「高齢の人がこんなに働いてるんだって。お父さんもまだまだ現役だね。長く続けるために、玄関だけ楽にしておかない?」

こんなふうに、「続けるための準備」として伝えると、受け入れてもらいやすいことが多いです。千葉県内でも、駅から坂道を歩いて帰るご家庭や、段差の多い古い戸建てにお住まいの方はたくさんいらっしゃいます。お住まいの環境に合わせて、できるところから少しずつ始めてみてください。

まとめ

  • 総務省の推計では、65歳以上の割合は29.6%で過去最高、働く高齢者も943万人で過去最多と報じられました
  • 元気で活動的な親ほど、介護は「まだ先」と思いやすいものです
  • ご実家では、ご本人が一日に通る道すじをたどって「つかまる場所」「ふらつく場所」を見てみましょう
  • 認定前でも、地域包括支援センター(千葉市ではあんしんケアセンター)や福祉用具専門相談員に相談できます
  • 体の変化は主治医に、制度のくわしいことは自治体の窓口やケアマネさんにご確認ください

「まだ早いかな」と思う時期に動き出せると、いざというときの慌ただしさがずいぶん違います。わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:信濃毎日新聞デジタル

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