介護報酬改定で「サービス控え」が心配?限度額の枠と家族ができる備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。

朝晩の冷え込みが少しずつ強くなってきましたね。千葉市内でも、訪問先で「そろそろ電気毛布を出さなきゃ」というお話をうかがうことが増えてきました。

さて今回は、介護ニュースJointに2026年10月23日に掲載された、認知症の人と家族の会・代表理事の和田誠さんのコラムをきっかけにお話ししたいと思います。テーマは、来年度の介護報酬改定と「サービス控え」です。少し制度寄りのお話ですが、ご家族の家計やケアプランに関わる大切な内容なので、できるだけ噛み砕いてお伝えしますね。

ニュースのポイント|報酬が上がると「使える量」が減る心配

コラムで和田さんは、介護の現場を支えるために介護報酬を引き上げる必要性は認めつつも、その「やり方」に注意が必要だと指摘しています。

記事によると、ポイントは次のような内容です。

  • 各サービスの単価(介護報酬)が上がっても、「区分支給限度基準額」(介護保険で使える1か月の上限)が据え置かれると、枠内で使えるサービスの「量」が実質的に目減りしてしまう
  • 家計に余裕のないご家庭は、上限を超えた分を全額自己負担するか、必要なサービスの回数を減らすしかなくなる
  • その結果、適切な在宅ケアをあきらめざるを得なくなるおそれがある
  • そのため、報酬改定の際には限度額の適切な引き上げと、低所得の方へのきめ細かな負担軽減策をあわせて検討してほしい

なお、これはあくまで筆者の問題提起であり、来年度の限度額がどうなるかはまだ決まっていません。今後の国の議論を見守る必要があります。

そもそも「区分支給限度基準額」ってなに?

名前が長くて難しそうですよね。簡単にいうと、「介護保険を使って1か月に利用できるサービスの上限額」のことです。要支援1〜要介護5の認定区分ごとに上限が決まっていて、要介護度が重いほど上限も高くなります。

訪問介護、デイサービス、ショートステイ、そしてわたしたちがお届けしている福祉用具レンタルなど、在宅のサービスの多くはこの「枠」の中で組み合わせて使います。枠の中であれば、ご本人の負担割合(1割・2割・3割)の自己負担で利用でき、枠を超えた分は原則として全額自己負担になります。

イメージとしては、毎月決まった金額が入った「お財布」のようなものです。サービスの値段が上がると、同じお財布で買える量が減ってしまう――和田さんが心配しているのは、まさにこの点なんですね。

わたしも入社したばかりの頃は「単位」「限度額」「負担割合」がごちゃごちゃになって、何度も先輩に聞き直しました。最初は混乱して当然ですので、安心してくださいね。

現場で感じる「ギリギリのケアプラン」

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、要介護度が比較的軽い方で、デイサービスや訪問介護を週に何回も使っていると、限度額の枠がかなりいっぱいになっているケースがあります。

わたしが担当させていただいたお客様の中にも、「デイサービスをもう1回増やしたいけれど、枠が足りなくて」とご家族が悩まれていたことがありました。その時は、ケアマネさんと一緒にケアプラン全体を見直し、福祉用具の組み合わせを整理したうえで、ご本人にとって一番大切なサービスを優先する形に落ち着きました。

このように、報酬改定のあとは「今までと同じ使い方なのに、枠に収まらなくなった」ということが起こる可能性もあります。だからこそ、今のうちから備えておくことが大切だと感じています。

ご家族が今からできる4つの備え

1. 毎月の「サービス利用票」を確認する

ケアマネさんから毎月渡される「サービス利用票」や「別表」には、その月に使うサービスと、限度額に対してどのくらい使っているかが書かれています。目安として、枠に対して何割くらい使っているかを一度ご家族で確認しておくと、改定後の変化にも気づきやすくなります。

2. 「本当に必要なサービス」を家族で話し合っておく

もし枠が足りなくなった時に、どのサービスを優先したいか。ご本人の希望や、介護するご家族の負担も含めて、話し合っておくといざという時に慌てずに済みます。

3. 福祉用具の内容を定期的に見直す

福祉用具レンタルも限度額の枠の中で使うサービスです。退院直後に揃えた用具が、体の状態が落ち着いた今は使われていない、ということも現場ではよくあります。逆に、適切な用具を使うことで介助の手間が減り、ヘルパーさんの時間を他の支援に回せる場合もあります。わたしたち福祉用具専門相談員は定期的にご自宅を訪問して使い方や状態を確認していますので、「これ、まだ必要かな?」と感じたら遠慮なく声をかけてください。

4. 負担を軽くする制度を知っておく

介護保険には、1か月の自己負担が一定額を超えた時に払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」などの制度があります。ただし、限度額を超えて全額自己負担になった分は対象外になることが多いので注意が必要です。所得や世帯の状況によって使える制度は変わりますので、詳しくは市区町村の窓口や地域包括支援センターでご確認ください。千葉市にお住まいの方なら、各区の地域包括支援センター(あんしんケアセンター)でも相談できます。

「サービス控え」を一人で決めないで

お金の心配から、「デイを1回減らそうかな」「この用具は返そうかな」とご家族だけで判断してしまうことがあります。でも、サービスを減らしたことで転倒が増えたり、介護するご家族が疲れ切ってしまったりしては、結果的に負担が大きくなってしまうこともあります。

ベテランの先輩によると、「限度額の中でどう組み合わせるかは、ケアマネさん・福祉用具・ヘルパーさんみんなで考えると、意外と良い答えが見つかることが多い」そうです。サービスを減らす前に、まずはケアマネージャーさんに相談してみてください。体調の変化が気になる場合は、主治医にもご相談くださいね。

介護報酬の改定は、介護の現場で働く人を支えるためにも大切なものです。一方で、和田さんのコラムのように「利用する側」の目線からの声も、とても大事だとわたしは感じました。今後の議論で決まった内容は、このブログでもわかりやすくお伝えしていきます。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:介護ニュースJoint

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