エンディングノートと介護|書いておきたい項目を解説

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「エンディングノートは死の準備」というイメージを持たれている方が多いのですが、実はそれだけではありません。介護が始まったときに家族が困らないための「生活の引き継ぎノート」としての側面もあります。

訪問先でご家族から「急に入院になったとき、薬の名前も主治医の電話番号も何もわからなかった」というお話を聞くことがあります。こうした事態を少しでも防ぐために、エンディングノートに書き留めておいてほしい情報がいくつかあります。

この記事では、特に介護の観点から「書いておくと助かる」項目を中心にご紹介します。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、自分が将来介護が必要になったとき、あるいは万が一のときに備えて、大切な情報・希望・意思を書き留めておくノートです。遺言書とは異なり、法的な効力はありませんが、家族にとって「本人の意思を知る手がかり」として非常に役立ちます。

市販のエンディングノートは書店や百貨店で購入できるほか、一部の自治体や地域包括支援センターでも配布していることがあります。特定の形式はなく、ノートに手書きでも、PCで作成しても構いません。

「人生の終末期に向けた備えや自分の意思を表明しておくことの重要性が、高齢社会において広く認識されるようになっています。」
(出典:内閣府「令和5年版高齢社会白書」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

医療情報(主治医・持病・薬)

介護・医療の観点から最も重要な情報のひとつが医療情報です。急な入院や救急搬送の際、これが書き留めてあると家族や医療スタッフが迅速に対応できます。

書いておきたい主な項目

  • かかりつけ医の名前・医療機関名・電話番号
  • 現在通院中の医療機関(科目・担当医・頻度)
  • 持病・既往症(糖尿病、高血圧、心疾患、腎臓病など)
  • 現在服用中の薬の名称・用量(お薬手帳のコピーを挟んでおくと便利)
  • アレルギーの有無(薬剤・食品)
  • 血液型

「お薬手帳をそのまま挟んでおく」方法が最も漏れが少なくて便利なことが多いです。薬が変わったら一緒に更新するように習慣づけておくとよいでしょう。

介護に関する希望

本人の「介護されたい場所・してほしいこと・してほしくないこと」をあらかじめ書き残しておくことで、家族がより本人の意思を尊重した介護の選択ができます。

書いておくと役立つ主な項目

  • 在宅介護を希望するか、施設入所でも受け入れられるか
  • 特に希望する住環境(地元を離れたくない、海の近くに住みたいなど)
  • 日常の介護で大切にしてほしいこと(食事の好み、宗教的な配慮、ペットのことなど)
  • 延命治療に対する考え方(積極的に希望する・自然な経過を望むなど)
  • 終末期をどこで迎えたいか(自宅・病院・施設)

延命治療に関する意思は「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」とも呼ばれ、医療・介護の場でも重視されています。ただし書いた後に考えが変わることもありますので、定期的に見直すことをおすすめします。

緊急連絡先

もしもの際にすぐに連絡できるよう、緊急連絡先を整理しておくことは非常に重要です。

書いておきたい連絡先

  • 家族・親族(氏名・続柄・住所・電話番号)
  • 近くに住む知人・友人(緊急時に来てもらえる人)
  • ケアマネージャー(担当者名・事業所名・電話番号)
  • かかりつけ医・専門医
  • 弁護士・司法書士(後見制度などに関わる場合)
  • 民生委員の名前と連絡先

一人暮らしの方は特に、緊急連絡先の整備が重要です。地域包括支援センターや市区町村でも「見守り登録」などの制度が設けられていることがあるので、あわせて確認してみてください。

財産・保険の概要

介護が長期化する中で、資金の流れを把握しておくことも重要です。ノートには「詳細」ではなく「どこに何があるかの概要」を書く程度でかまいません。

書いておくと役立つ項目(概要程度でOK)

  • 預貯金口座がある金融機関名(番号・残高は不要)
  • 加入している生命保険・医療保険・介護保険の保険会社名と証書の保管場所
  • 不動産の概要(土地・建物の所在地、権利証の保管場所)
  • 年金の種類と受給状況

「高齢者の財産管理に関する問題は、介護と密接に絡み合っており、事前の備えが家族トラブルや権利侵害の防止につながります。」
(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

保管場所と家族への共有

エンディングノートを書いても、誰も場所を知らなければ意味がありません。保管場所と存在を信頼できる家族・知人に伝えておくことが必須です。

保管のポイント

  • すぐに取り出せる場所(引き出し・本棚の一角など)に保管する
  • 場所を少なくとも一人の家族・信頼できる人に伝えておく
  • デジタルデータで作成した場合は、パスワードの伝え方も考えておく
  • 年に1回程度、内容を見直して更新する

訪問させていただいたあるお宅では、ご高齢の方が「引き出しの一番上に入れてあるよ、全部書いてあるから」とにっこり笑いながら教えてくれました。ノートの中身を見てみると、薬の名前から連絡先まで丁寧に整理されていて、「こんなにしっかり準備してくださっているなら、安心してサポートできます」と感じたことがあります。

まず始めやすい書き方のコツ

「何から書けばいいかわからない」という方は、以下の順番で少しずつ書いてみてください。

  1. まず医療情報(お薬手帳のコピーを挟むだけでも◎)
  2. 緊急連絡先を書く
  3. 介護の希望を思いつくまま箇条書きにする
  4. 財産・保険の概要を記録する

完璧に書き上げることよりも、「少しでも書いてある」ことのほうが大切です。書いた後に考えが変わってもかまいません。定期的に見直して、その都度更新していく「生きたノート」として活用してください。

よくあるご質問

Q
エンディングノートと遺言書の違いは何ですか?
A
遺言書は法的な効力を持つ文書で、財産の分配などに関して法律に定められた形式が必要です。エンディングノートに法的拘束力はありませんが、本人の意思や情報を伝える手段として広く使われています。
Q
市販のエンディングノートでなくても構いませんか?
A
普通のノートや紙でも構いません。書きやすい形式で始めることが大切です。ただし、市販のノートには項目が整理されているものが多く、抜け漏れを防ぎやすいという利点があります。
Q
書いた内容を誰かに見せる必要がありますか?
A
存在と保管場所を信頼できる家族・知人に伝えておけば十分です。中身を全部見せる必要はありませんが、「このノートに必要なことが書いてある」ということだけは共有しておきましょう。
Q
デジタル(PCやスマートフォン)で管理してもいいですか?
A
問題ありません。ただしパスワードがわからないと家族がアクセスできなくなるため、ログイン情報の引き継ぎ方を別途考えておく必要があります。
Q
書いた内容を後から変えることはできますか?
A
いつでも変更できます。気持ちや状況が変わったら、その都度更新することをおすすめします。遺言書とは異なり、形式にとらわれる必要はありません。
Q
認知症が進んでからでも書けますか?
A
認知症の進行具合によっては、意思を正確に表現することが難しくなる場合があります。できれば認知症の症状が出る前、または初期の段階で書き始めておくことをおすすめします。

参考にした情報

まとめ

  • エンディングノートは「死の準備」だけでなく、介護が始まったときの引き継ぎノートでもある
  • 最優先で書くべきは医療情報(主治医・持病・薬)と緊急連絡先
  • 介護の希望(在宅か施設か、延命治療の考えなど)を記しておくと家族の判断を助けられる
  • 財産・保険の概要(どこに何があるか)も書き添えると後々役立つ
  • 書いたら保管場所を家族に伝え、定期的に更新することが大切

「まずお薬手帳のコピーを挟むだけ」から始めても大丈夫です。一歩踏み出してみてください。何かご不明な点や介護の相談があれば、シルバーとっぷにお気軽にご連絡ください。

千葉県で介護の準備・福祉用具のご相談は株式会社シルバーとっぷへ。
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※本記事の情報は2026年5月時点のものです。制度・サービスの詳細は変更になる場合があります。最新情報は厚生労働省・各自治体にご確認ください。本記事はエンディングノートの作成を推奨するものですが、法律上の効力については専門家にご相談ください。

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