こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!
「階段が怖い」「立ち上がるときに支えがほしい」——手すりのご相談は、わたしが担当させていただく中でも特に多いご要望のひとつです。手すりは設置場所や使い方によって効果が大きく変わりますし、「工事が必要か不要か」で利用できる制度も異なります。
この記事では、介護用手すりの種類・設置場所別のポイント・介護保険や住宅改修費の活用方法について解説します。
工事不要タイプと工事必要タイプの違い
介護用手すりは大きく「工事不要タイプ」と「工事必要タイプ」に分けられます。どちらを選ぶかによって使える制度が変わってきます。
| 種類 | 概要 | 適した場所 | 利用できる制度 |
|---|---|---|---|
| 床置き型(突っ張り型) | 床から天井を突っ張って設置 | トイレ・ベッドサイドなど | 介護保険レンタル |
| 置き型・据置型 | 床に置くだけの手すり台 | ベッドサイド・立ち上がり補助 | 介護保険レンタル |
| 挟み込み型 | 浴槽のふちや家具に固定 | 浴室・玄関框など | 介護保険レンタル(種類による) |
| 壁付け型(工事あり) | 壁に穴を開けてアンカーで固定 | 廊下・浴室・トイレなど | 介護保険住宅改修費 |
| 手すり棒の設置(工事あり) | 玄関・階段に固定設置 | 玄関・階段 | 介護保険住宅改修費 |
工事不要タイプ
床から天井を突っ張って設置するタイプや、床に置くだけのタイプが代表例です。壁に穴を開ける必要がないため、賃貸住宅でも使いやすく、設置・撤去が簡単というメリットがあります。介護保険の福祉用具貸与(レンタル)の対象です。
工事必要タイプ
壁にアンカーを打ち込んで固定する壁付け型や、階段に専用の支柱を設置するタイプです。しっかりと固定されるため安定性が高い一方、設置には工事費用が発生します。介護保険の住宅改修費(最大20万円まで)の対象となります。
介護保険レンタルと住宅改修費の制度
介護保険の福祉用具レンタル(工事不要タイプ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象要介護度 | 要支援1以上(要支援1・2、要介護1〜5) |
| 費用負担 | 月額レンタル料の1〜3割(所得に応じて異なります) |
| 対象の手すり | 工事を伴わない手すり(突っ張り型・置き型など) |
介護保険の住宅改修費(工事あり)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象要介護度 | 要支援1以上 |
| 支給上限額 | 20万円(自己負担1〜3割を引いた額が支給) |
| 工事内容 | 手すりの取り付け、段差の解消、滑り止め設置など |
| 手続き | 工事前に市区町村へ事前申請が必要 |
住宅改修費は原則として、同じ住居での改修は20万円を上限に1回限り(要介護度が3段階上がった場合などはリセットされることがあります)です。まずはケアマネージャーさんにご相談ください。
(出典:厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html)
設置場所別の選び方
玄関・上がり框
玄関の上がり框は段差が大きく、転倒事故が起きやすい場所です。框の脇に縦型の手すりを設置すると、立ち座りの動作をサポートしやすいです。玄関ドア開閉の妨げにならない位置を確認して設置します。賃貸の場合は壁に穴を開けられないため、置き型・突っ張り型が選ばれることが多いです。
廊下・階段
廊下や階段には連続した横型の手すりが有効です。特に階段は転落リスクが高いため、両側に手すりがあるのが理想的と言われますが、スペースや費用との兼ね合いで片側だけになるケースも多いです。その場合は、降りるときの利き手側(多くの場合右手側)に設置することが多いです。
トイレ
トイレは立ち座りの動作が繰り返される場所です。縦型+横型の組み合わせが標準的です。便器の横壁に固定する壁付け型のほか、工事不要の据置型・突っ張り型も多く使われます。突っ張り型は天井と床の強度が必要なため、設置前に確認が必要です。
浴室
浴室は濡れた環境での使用になるため、防水・防錆素材が必須です。浴槽の出入り(縦型)・浴室全体の移動(横型)の両方に対応できると理想的です。浴室の壁に固定する場合は住宅改修費の対象になります。工事不要の浴槽用手すり(グリップ)は特定福祉用具販売の対象品目もあります。
ベッドサイド
ベッドからの立ち上がりを補助するために使います。フレームをベッドに差し込むタイプや床置き型などがあります。ベッドとの固定方法・ベッドの高さとの相性を確認することが大切です。
設置時の確認ポイント
- 壁の強度:石膏ボードだけの壁には壁付け型を固定できません。柱や下地材がある場所への設置が必要です
- 高さの調整:手すりの高さの目安は、立った状態で手を自然に下ろしたときの手首の高さ(目安として床から75〜85cm程度)が使いやすいと言われることが多いです
- 握りやすさ:手すりの径の目安は直径28〜35mm程度が握りやすいとされています
- 動線の確認:ドアや引き出しの開閉を妨げていないか確認します
現場でのエピソード
あるご利用者のお宅を訪問した際、「トイレに手すりをつけたいけれど、賃貸だから壁に穴を開けられない」というご相談を受けました。突っ張り型の手すりを検討しましたが、天井が高めで突っ張りが難しいとわかりました。
そこで床置き型の据置手すりを試していただいたところ、「これが一番使いやすい」とおっしゃっていただきました。工事不要でレンタルできるため、身体状況が変わったときに別の種類に変更しやすいのもメリットのひとつだとあらためて感じた訪問でした。
よくあるご質問
参考にした情報
- 厚生労働省「福祉用具貸与・特定福祉用具販売」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yougu/index.html (2026年5月時点)
- 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具情報システム」 https://www.techno-aids.or.jp/ (2026年5月時点)
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html (2026年5月時点)
まとめ
- 介護用手すりは工事不要タイプ(介護保険レンタル対象)と工事必要タイプ(住宅改修費20万円まで)の2種類
- 工事不要タイプは要支援1以上が対象でレンタルで使える
- 設置場所は玄関・廊下・トイレ・浴室・ベッドサイドで目的・動作に合わせて選ぶ
- 壁の強度・手すりの高さ・径・動線を必ず確認する
- 住宅改修費の申請は工事前の事前申請が必要
「どのタイプが合うかわからない」という場合は、現地に伺ってご確認します。ぜひお気軽にご相談ください。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。
