大腿骨骨折からの退院準備|必要な福祉用具と環境整備

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

大学2年の頃、祖母が脳梗塞で倒れた際に在宅介護の準備で家族が苦労した経験から、退院直前になって慌てて用具を揃えることがいかに大変かを身近に感じてきました。大腿骨骨折も同様で、「退院が決まってから急いで準備を始めた」という声を訪問先でよくお聞きします。

大腿骨骨折は高齢者に多い骨折で、手術・入院・リハビリを経て退院するケースがほとんどです。退院後も一定期間は歩行が不安定なことが多く、自宅での転倒リスクに注意が必要です。

この記事では、大腿骨骨折後に退院する際に必要な福祉用具の選び方と、住まいの環境整備・準備の進め方を詳しくお伝えします。

大腿骨骨折後の特徴と注意点

大腿骨(太ももの骨)の骨折は、転倒をきっかけに高齢者に多く見られます。特に大腿骨頸部骨折(股関節近くの骨折)と大腿骨転子部骨折が多く、ほとんどの場合は手術が行われます。

退院後の主な注意点は次のとおりです。

  • 手術後は患側(骨折した足)への荷重制限がある期間があります
  • 歩行が不安定で転倒・再骨折のリスクが高い状態が続くことが多いです
  • 長期臥床による筋力低下(廃用症候群)が起きやすいです
  • 術後のリハビリ継続が大切で、外来または訪問でのリハビリが見込まれます

ケアマネへの早期相談が重要な理由

入院中、なるべく早い段階でケアマネージャー(居宅介護支援事業所)への相談をお勧めします。なぜなら、介護保険の認定を受けていない方でも入院中に申請でき、退院時に間に合うよう手続きを進めることができるからです。

(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

ケアマネへの相談が早いほど、次のメリットがあります。

  • 退院前に福祉用具の選定・手配が完了する
  • 住宅改修(手すり工事など)の申請手続きに時間的余裕が生まれる
  • 訪問介護・訪問リハビリなどのサービスを退院当日から開始できる

退院前訪問指導・カンファレンスの活用

退院前訪問指導とは、退院前に病院のリハビリスタッフや医療ソーシャルワーカーが自宅を訪問し、生活環境を確認して必要な改善点を指摘してくれるサービスです。多くの病院で実施されており、多職種が集まる「退院前カンファレンス」とセットで行われることもあります。

この機会に確認しておきたいことは以下のとおりです。

確認項目 詳細
歩行能力の目標 退院時点で歩行器・杖のどちらが必要か
荷重制限の有無 患側への荷重が可能かどうか
入浴方法 浴槽への出入りが可能か・シャワーのみか
段差の状況 玄関・トイレ・浴室の段差の高さ
寝室の環境 和室か洋室か、ベッドの有無

訪問先のあるご家族は「退院前訪問でリハビリの先生に来てもらったとき、『廊下の段差がこんなに危険だとは思わなかった』と気づいた」とおっしゃっていました。専門家の目で確認してもらうことで、家族だけでは気づけない点が見えてきます。

退院後に必要な福祉用具リスト

大腿骨骨折後に多く必要とされる福祉用具をまとめました。ご本人の状態によって必要なものは異なりますので、あくまで参考としてください。

用具 目的 介護保険区分
歩行器(固定型・交互型) 歩行の安定と転倒予防 レンタル(要支援1以上)
多点杖・T字杖 歩行補助 レンタル(要支援1以上)
特殊寝台(介護用電動ベッド) 起き上がり・立ち上がり補助 レンタル(要介護2以上が原則)
手すり(置き型・突っ張り型) 立ち上がり・歩行補助 レンタル(要支援1以上)
スロープ 玄関の段差解消 レンタル(要支援1以上)
シャワーチェア(入浴用椅子) 入浴時の転倒防止 特定福祉用具購入
浴槽台・バスボード 浴槽への出入り補助 特定福祉用具購入
補高便座(洋式便座の高さ上げ) 立ち座り動作の補助 特定福祉用具購入

(出典:厚生労働省「高齢者の介護」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html

歩行器の種類について

歩行器には大きく分けて固定型(4本足すべてを持ち上げて使う)と交互型(左右交互に前へ進める)があります。荷重制限がある時期は固定型が安定しやすいことが多いですが、リハビリの進行に合わせて変更することもあります。

自宅の環境整備のポイント

福祉用具の設置に加え、自宅の環境を整えることも大切です。

段差解消

  • 玄関の上がりかまち:スロープ設置または手すりを取り付ける
  • トイレ・浴室の段差:スロープや敷物(つまずき防止)で対応
  • 和室と廊下の境目:見逃しやすいため注意が必要です

転倒防止

  • じゅうたんやラグマットはめくれてつまずく原因になるため、固定または撤去を検討する
  • 電源コードなどの障害物を通路から除く
  • 夜間の転倒防止に足元灯を設置する

寝室の整備

  • 和室で床に布団を敷いていた場合、介護用ベッドへの変更を検討する(立ち座りが格段に楽になります)
  • ベッドの高さは膝の高さ程度が目安です

退院準備の流れ

  1. 入院後なるべく早く:ケアマネージャーへの相談・介護保険申請(未申請の場合)
  2. 退院の2〜3週間前:退院前カンファレンス・退院前訪問指導の調整
  3. 退院の1〜2週間前:福祉用具の選定・住宅改修の工事手配
  4. 退院2〜3日前:福祉用具の搬入・設置確認
  5. 退院当日:訪問介護・訪問リハビリ開始(必要な場合)

よくあるご質問

Q
まだ要介護認定を受けていないのですが、退院前に福祉用具を準備できますか?
A
認定申請中でも「暫定利用」として介護保険サービスを先行利用できる場合があります。担当のケアマネージャーに相談してください。
Q
歩行器はどれくらいの期間使うことになりますか?
A
リハビリの進み方や術後の状態によって異なります。杖に移行できる方もいれば、長期的に歩行器を使い続ける方もいらっしゃいます。定期的な見直しをおすすめします。
Q
介護用ベッドのレンタルは要介護2以上でないと難しいと聞きました。どうすれば使えますか?
A
大腿骨骨折後の場合、主治医の意見書等をもとに「例外給付」として要介護1でもレンタルが認められることがあります。ケアマネージャーにご相談ください。
Q
住宅改修とレンタル用具の手すりは何が違いますか?
A
住宅改修は壁に固定する工事を伴う手すりで、介護保険の住宅改修費(上限20万円)で対応します。レンタルは工事不要の置き型・突っ張り型が対象です。用途や設置場所によって使い分けます。
Q
退院後にシャワーのみで対応する場合、何が必要ですか?
A
シャワーチェア(背もたれ・肘掛けつき)と浴室内の手すりが基本です。浴室の広さに合わせたサイズ選びが大切です。

参考にした情報

まとめ

  • ケアマネへの早期相談が退院準備をスムーズにする最大のポイント
  • 退院前訪問指導・カンファレンスを活用して自宅環境の課題を洗い出す
  • 歩行器・介護ベッド・手すり・シャワーチェア・補高便座などを状態に合わせて選定する
  • 段差解消と転倒防止の環境整備が再骨折リスクを下げる
  • 退院当日に間に合うよう2週間前には手配を開始するのが理想

千葉県で大腿骨骨折後の退院準備にお困りなら、株式会社シルバーとっぷへ。退院前から一緒に準備をお手伝いします。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。福祉用具の選定・制度の利用については担当の医師・ケアマネージャー・福祉用具専門相談員にご相談ください。

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