ALS患者の在宅介護に必要な福祉用具と環境整備

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、全身の筋肉を動かす神経が侵されていく疾患で、進行とともに身体機能が段階的に変化していきます。「今使っている用具がすぐに合わなくなった」「家族だけで対応できなくなってきた」という状況が生じやすく、先を見越した準備と多職種での連携が特に重要です。

この記事では、ALSの進行段階に応じた福祉用具の選定の考え方から、意思伝達装置・難病医療費助成制度・多職種連携まで、在宅で生活を続けるうえで役立つ情報をまとめてお伝えします。

ALSの進行段階と福祉用具の変化

ALSの症状進行には個人差がありますが、一般的に次のように機能が変化していく傾向があります。

段階 主な状態 必要となる主な用具・サービス
初期 手足の力が落ちてきた・ろれつが回りにくい 杖・歩行器・手すり・自助具
中期 歩行困難・上肢の動きが制限される 車椅子・電動ベッド・コミュニケーション補助
進行期 座位保持困難・嚥下・呼吸機能の低下 電動車椅子・体圧分散マットレス・吸引器・意思伝達装置

大切なのは「今の状態だけを見て用具を選ぶ」のではなく、次の段階を想定しながら先を見越した準備を進めることです。担当のケアマネージャーや医療チームと相談しながら、用具の見直しタイミングを計画しておくことをお勧めします。

初期〜中期に活用する用具

歩行補助用具

初期は杖や歩行器で歩行を補助します。握力が低下する場合は、グリップが太めのものや前腕支持型を選ぶことがあります。

車椅子

歩行が困難になってくる時期には車椅子の導入を検討します。自走型から始め、進行に合わせて電動車椅子へ移行するケースが多いです。介護保険レンタルの対象です(要介護2以上が原則)。

ベッド・体位保持用具

特殊寝台(電動ベッド)は起き上がり・立ち上がりを助けます。姿勢保持クッションも体への負担を軽減します。

自助具

手指の筋力低下に対して、太柄の食器・ユニバーサルカフ・レバー式ドアノブカバーなどの自助具が役立ちます。

訪問先で「用具を早めに揃えたおかげで、ご本人も家族も心の準備ができた」という言葉をいただいたことがあります。早期からの準備が安心につながることを感じています。

進行期に必要な用具

体圧分散マットレス(床ずれ防止用具)

動きが制限されると皮膚への圧迫が増し、床ずれのリスクが高まります。エアマットレスによる体圧分散が重要です。介護保険レンタル対象(要介護2以上が原則)。

電動車椅子・電動リクライニング車椅子

上肢の力が弱くなっても操作できる電動車椅子や、体幹を倒してリクライニングできるタイプが選ばれます。状態に応じて頭部支持・体幹保持のオプションを追加することもあります。

移動用リフト

移乗介助の負担が増してきたタイミングで導入を検討します。介護保険レンタル対象(要支援1以上)。

吸引器・排痰補助装置

嚥下・呼吸機能が低下してくると必要になる医療機器です。訪問看護や在宅医療チームと連携して手配します。

(出典:厚生労働省「高齢者の介護」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html

意思伝達装置・コミュニケーション機器

ALSが進行すると発話が困難になることがあります。ご本人の意思をできる限り尊重するために、コミュニケーション支援機器の活用が重要です。

  • 文字盤・透明文字盤:指や目の動きで文字を指し示すシンプルな方法
  • 音声出力コミュニケーションエイド(VOCA):ボタンを押すと音声が出る機器
  • 視線入力装置:視線の動きでコンピュータを操作する高機能機器。わずかな眼球運動だけでも操作可能
  • スイッチ入力式機器:わずかな筋肉の動きでスイッチを押してコンピュータや電気機器を操作

意思伝達装置は、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度の対象となる場合があります。市区町村の障害福祉担当窓口またはALS支援センター・難病相談支援センターへご相談ください。

難病医療費助成制度について

ALSは国の指定難病(指定難病2)に認定されています。難病医療費助成制度を申請することで、医療費の自己負担が軽減されます。

  • 申請先:都道府県・指定都市の窓口
  • 対象:ALSと診断された方(重症度分類の基準を満たす場合)
  • 自己負担の上限:所得に応じた月額上限が設定される

(出典:厚生労働省「難病・小慢対策について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

また、障害が確認された場合は、障害者手帳の取得や障害福祉サービスの利用も可能です。介護保険と障害福祉サービスを組み合わせて利用できる場合があります。

多職種連携の重要性

ALSの在宅介護では、一つの専門職だけでは対応が難しいケースが多く、多職種チームでの連携が不可欠です。

専門職 役割
在宅医(訪問診療医) 定期的な病状管理・医療処置の指示
訪問看護師 医療的ケア・症状観察・家族への指導
理学療法士・作業療法士 リハビリ・用具選定のアドバイス
言語聴覚士 嚥下・コミュニケーション機能の評価と訓練
ケアマネージャー サービス全体の調整・計画
福祉用具専門相談員 用具の選定・手配・定期確認
訪問介護員(ヘルパー) 日常生活のケア

地域のALS・難病支援センターや難病相談支援センターも、情報収集や精神的サポートの面で頼れる存在です。

よくあるご質問

Q
ALSと診断されたばかりですが、まず何から準備すればよいですか?
A
まずはケアマネージャーへの相談と介護保険の申請手続きから始めてください。ALSは介護保険の特定疾病に含まれるため、40〜64歳でも申請できます。
Q
難病医療費助成の申請先はどこですか?
A
都道府県・指定都市の難病担当窓口(保健所など)です。かかりつけ医の診断書(臨床調査個人票)が必要です。
Q
意思伝達装置はどこで相談できますか?
A
市区町村の障害福祉窓口や補装具費支給の担当部署に相談してください。難病相談支援センターやALS協会の支部もサポートしています。
Q
電動車椅子は介護保険で借りられますか?
A
電動車椅子も介護保険レンタルの対象品目(車椅子)に含まれます。ただし、状態や要介護度によって対象となるかが変わります。ケアマネージャーに確認してください。
Q
家族だけでの介護に限界を感じています。どうすればよいですか?
A
訪問介護・訪問看護・ショートステイ(短期入所)など、複数のサービスを組み合わせることで在宅生活を継続できることがあります。担当のケアマネに相談してみてください。

参考にした情報

まとめ

  • ALSの福祉用具は進行段階を見越して早めに準備・見直しすることが重要
  • 初期は杖・歩行器・自助具、進行期は電動車椅子・体圧分散マットレス・リフト
  • 意思伝達が困難になる前に意思伝達装置・コミュニケーション機器の導入を検討する
  • 難病医療費助成制度の申請で医療費の自己負担を軽減できる
  • 在宅医・訪問看護・リハビリ・ケアマネ・福祉用具相談員などの多職種チームで支える

千葉県でALSの方の在宅介護用具について相談したい方は、株式会社シルバーとっぷへ。関係機関と連携しながら、きめ細かくサポートします。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。ALSの状態や制度の詳細は個人・地域によって異なります。担当の医師・ケアマネージャー・各種相談窓口にご確認ください。

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