こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家族のお宅へ福祉用具の相談にうかがっている福祉用具専門相談員です。
2026年9月1日、あるニュースが目に留まりました。デイサービスの利用者さんやご家族、担当のケアマネージャーさんを、「介護保険の外側」にある生活支援サービスへつなぐ新しいサービス「暮らしサポート」が始まった、という発表です(trends/PR TIMES配信)。宅配のお食事や、買い物・通院の付き添い、見守り、家事のお手伝いなど、介護保険だけではカバーしきれない日常の困りごとを、専門の会社と橋渡しする仕組みだそうです。
この記事の細かな内容そのものより、わたしが「ご家族に届けたいな」と思ったのは、「介護保険で使えるサービスと、保険の外側にある暮らしの困りごとは、実は別モノなんですよ」という視点です。今日は、そのお話をご家族目線で噛み砕いてみますね。
「介護保険の外側」って、どんな困りごとでしょう?
親御さんの介護が始まると、多くのご家族がまず介護保険の申請をされます。要介護認定が出れば、ケアマネージャーさんがケアプランを立て、デイサービスや訪問介護、そしてわたしたちがお届けする福祉用具レンタルなどが使えるようになります。
ところが、いざ暮らしが始まると「これは介護保険で頼めるのかな?」と迷う困りごとが、次々と出てきます。現場でよくいただくご質問なのですが、たとえばこんな場面です。
- 庭の草むしりや、大掃除、電球の交換をお願いしたい
- ペットのお世話や、お墓参りに付き添ってほしい
- 本人が食べたいものを一緒に買いに行ってほしい
- ご家族が留守の間、見守っていてほしい
こうした「生活の細かな困りごと」は、実は介護保険の訪問介護(ヘルパーさん)では対応できないことが多いのです。ヘルパーさんが行えるのは、あくまで本人の日常生活に直接必要な範囲。同居のご家族がいるお宅の家事や、本人以外のためのお手伝いは、原則として保険の対象外になります。わたしも入社したての頃は、この線引きに「え、それはダメなの?」と最初は混乱しました。
だからこそ「保険外サービス」という選択肢があります
そこで登場するのが、今回のニュースにあったような「介護保険外(自費)の生活支援サービス」です。保険を使わない分、費用は全額自己負担になりますが、その代わり使い方の自由度が高いのが特徴です。「庭の手入れ」も「本人の趣味の外出への付き添い」も、保険のような細かい制約を受けずにお願いできる場合があります。
ニュースでは、こうした保険外サービスをオンラインの窓口から案内し、ご家族やケアマネージャーさんの手間を減らそうとしている、と紹介されていました。「探す・つなぐ」ところに時間がかかっている、という現場の実感が背景にあるのだと思います。
費用は「目安」で考え、まずはケアマネさんに相談を
保険外サービスの料金は、内容や会社によってさまざまです。だいたいの目安として1時間あたり数千円程度から、というお話をうかがうことが多いのですが、これはあくまで一例です。地域や時間帯でも変わりますので、金額の細かいところは、必ず各サービスの窓口や、担当のケアマネージャーさんにご確認くださいね。
福祉用具は「保険内」でご家族の負担をぐっと減らせます
ここで、福祉用具専門相談員としてお伝えしたいのが、「保険外サービスにお金をかける前に、まず介護保険で使える福祉用具を見直してみませんか?」ということです。
わたしが担当させていただいたお客様の中には、「毎日の付き添いが大変で、いっそ自費のサービスを増やそうか」と悩んでいらしたご家族がいました。ですが、お宅にうかがってお話を聞くうちに、まだ手すりや歩行器を使っていないことがわかったのです。玄関や廊下に手すりをつけ、ご本人に合った歩行器をお試しいただいたところ、一人で移動できる範囲が広がり、付き添いの負担がずいぶん軽くなりました。
介護保険でレンタルできる福祉用具は、要介護度によって使える品目が決まっていますが、たとえば次のようなものがご家族の手間を減らしてくれます。
- 手すり・スロープ…転倒の不安を減らし、見守りの緊張をやわらげます
- 歩行器・杖…ご本人が自分で動ける範囲を広げます
- ポータブルトイレ・見守りセンサー…夜間のトイレ介助や、目を離せない不安を減らします
保険外サービスと福祉用具は、どちらか一方ではなく「組み合わせて考える」のがコツです。福祉用具でご本人ができることを増やし、それでも足りない部分を保険外サービスで補う。そんな順番で考えると、ご家族の負担もお金の負担も、バランスよく整えやすくなります。
ケアマネさんの「見えない仕事」も知っておくと安心です
今回のニュースでもう一つ印象的だったのが、ケアマネージャーさんの負担軽減という視点でした。記事の中では、本来の業務を超えた支援に時間がかかっている、という調査データにも触れられていました。
ケアマネージャーさんは、ケアプランを作るだけでなく、ご家族の「これ、どこに頼めばいいの?」という細かな相談にも、日々ていねいに応えてくださっています。ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、「保険外のことまで抱え込んでしまって手が回らない」というお声は、現場でも本当によく耳にします。
ですから、ご家族の側も「これは保険内かな、外かな」を少し意識して相談すると、ケアマネージャーさんも動きやすくなります。福祉用具のことなら、わたしたち福祉用具専門相談員が直接お手伝いできますので、ケアマネージャーさんの負担を分け合う気持ちで、遠慮なく声をかけていただけたらうれしいです。
千葉市で「どこに相談すれば?」と迷ったら
「保険内のこと」「保険外のこと」が入り混じって、どこに聞けばいいか分からなくなる——これは、親の介護が始まったばかりのご家族なら、みなさんが通る道です。
千葉市にお住まいでしたら、まずはお住まいの区の地域包括支援センターが総合的な相談窓口になります。介護保険の使い方から、保険外の生活支援の情報まで、幅広く教えてもらえます。すでにケアマネージャーさんがついている場合は、その方に相談するのがいちばんの近道です。
そして、福祉用具のことでしたら、わたしたちのような福祉用具専門相談員に直接ご相談いただけます。ご自宅の段差や間取りを見ながら、「この場面ならこの用具が合いそうですね」と一緒に考えていくのが、わたしの仕事です。
制度の細かな解釈や、金額の正確なところは、自治体の窓口や各サービスの担当者にご確認いただくのが確実です。無理にすべてをご家族で抱え込まず、頼れる人に少しずつ分けていく——それが、在宅介護を長く続けるいちばんのコツだと、現場で感じています。
ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。一緒に考えていきましょう。
