65歳以上の介護保険料、高所得者の引き上げを検討|親の保険料の通知で確認したいこと

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉でも朝晩がすっかり涼しくなり、訪問の車の中で窓を開けると気持ちのいい季節になりました。

さて、9月18日に「65歳以上の介護保険料、高所得者の引き上げを検討」というニュースが報じられました。介護保険料というと、ご両親世代だけの話と思われがちですが、実は40歳以上のみなさんも納めている、身近なお金の話です。今日はこのニュースをきっかけに、親御さんの介護保険料についてご家族が知っておきたいことを、わたしなりに噛み砕いてお伝えしますね。

ニュースのポイント|何が検討されているの?

時事通信の報道によると、厚生労働省は18日の社会保障審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の部会に見直し案を示し、65歳以上が納める介護保険料について、2027年度から高所得の方を対象に引き上げる方向で検討に入ったそうです。記事に書かれている主な内容は次のとおりです。

  • 65歳以上の介護保険料は、市町村が定める「基準額」に所得に応じた倍率(乗率)を掛けて決まる仕組み
  • 基準額の全国平均は、2024〜26年度で月6,225円(記事による)
  • 所得に応じた区分は基準額の0.285倍〜2.4倍の13段階
  • 見直しでは、最も上の「年間所得720万円以上」の区分の倍率を引き上げることを検討
  • 年金の支給額が増えたことで、低所得の方の保険料が上がっていることが課題に。所得が低い層の区分を細かく分けるなど、急な上昇を抑える仕組みを設ける方向
  • 部会での議論を経て、年内に結論をまとめる予定

大切なのは、まだ「検討」の段階で、決まったわけではないということです。どの区分がどのくらい変わるのかは、これからの議論次第です。

そもそも介護保険料はどう決まるの?

介護保険料は、65歳以上の方(第1号被保険者)と、40〜64歳の方(第2号被保険者)で納め方が違います。40〜64歳のみなさんは、加入している健康保険の保険料と一緒に納めていることが多いです。今回のニュースは、65歳以上の方、つまり親御さん世代の保険料の話です。

65歳以上の方の保険料は、お住まいの市区町村ごとに「基準額」が決められています。そのため、同じ千葉県内でも、市町村によって金額は違います。その基準額に、本人の所得や世帯の住民税の状況に応じた倍率を掛けて、実際の保険料が決まる仕組みです。

「基準額」「乗率」「段階」……と言葉が並ぶと、わかりにくいですよね。わたしも最初は混乱しました。ざっくり言うと、「住んでいる市町村の基本の金額 × 所得に応じた倍率」と覚えておくとイメージしやすいと思います。

高所得の方だけの話?低所得の方にも関係があります

見出しだけ読むと「うちの親は高所得ではないから関係ない」と感じるかもしれません。でも、記事では低所得の方の負担についても触れられています。

共同通信の報道では、住民税非課税世帯は保険料が低く設定されている一方で、年金額が上がったことで非課税世帯から外れ、保険料が急に上がるケースがあると伝えられています。今回の見直しでは、こうした方の保険料の上昇を抑える方法もあわせて検討されるそうです。

つまり、年金収入だけで暮らしている親御さんにとっても、無関係とは言い切れないニュースなんです。

ご家族が今のうちに確認しておきたいこと

制度がどう変わるかは年内の結論を待つことになりますが、今からできる準備もあります。親御さんと一緒に、次のようなことを確認してみてはいかがでしょうか。

1. 介護保険料の通知書がどこにあるか

65歳以上の方には、毎年、市区町村から介護保険料の決定通知が届くことが多いです。年金から天引きされている方は、保険料を払っている実感が薄く、通知書をしまい込んでしまっていることもあります。まずは「どこに保管しているか」を一緒に確認しておくと安心です。

2. 「保険料」と「サービスの自己負担」は別物

現場でよくいただくご質問なのですが、「介護保険料」と、サービスを使ったときの「自己負担(1割・2割・3割)」を混同されている方が少なくありません。保険料は毎月納めるもの、自己負担はサービスを使ったときに支払うもので、それぞれ別の書類で確認します。自己負担の割合は「介護保険負担割合証」に書かれています。

3. 年金額や世帯の状況が変わったとき

年金額が変わったり、同居する家族が変わったりすると、住民税の状況が変わり、保険料の段階が変わる場合があります。「急に保険料が上がった」と感じたら、ひとりで悩まずに、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせてみてください。

現場で感じる「お金の不安」との向き合い方

先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。福祉用具の契約のご説明をしていると、娘さんが「母の保険料って、いくら払っているんでしたっけ?」と引き出しから書類を探し始めました。出てきたのは負担割合証と、数年前の保険料の通知。お母さまも「年金から引かれているから、よくわからないのよ」と笑っていらっしゃいました。

こういう場面は、実はとても多いです。介護が始まると、ベッドや手すりの準備、ケアマネさんとの打ち合わせなど、目の前のことで手一杯になりますよね。だからこそ、ニュースで話題になっている今が、親御さんのお金の書類を一度見直すよいタイミングかもしれません。

わたしたち福祉用具専門相談員は、保険料そのものの計算や判断はできませんが、「福祉用具のレンタルで毎月どのくらい自己負担がかかりそうか」といった目安のご説明はさせていただいています。レンタル料の自己負担は、介護保険の負担割合によって変わります。家計全体の見通しを立てるときの材料にしていただければうれしいです。

制度の細かいところは、窓口や専門家に

今回の見直しは、2027年度の介護保険制度改正に合わせて適用される予定と報じられていますが、具体的な金額は、国の目安を参考にして各市区町村が決めることになります。千葉市をはじめ、県内の各市町村でどのような保険料になるかは、決まり次第、市区町村から案内が出ると思います。

ご家庭ごとの保険料や、所得区分の細かい判断については、お住まいの市区町村の窓口や専門家にご確認ください。介護サービスの使い方やケアプランについては、担当のケアマネさんに相談するのがいちばんの近道です。

まとめ

  • 厚生労働省が、65歳以上の高所得者の介護保険料を2027年度から引き上げる方向で検討を始めた(年内に結論の予定)
  • 年金が増えて保険料が急に上がる低所得の方の負担を抑える案も検討されている
  • 「保険料の通知書」と「負担割合証」を親御さんと一緒に確認しておくと安心
  • 個別の保険料は市区町村の窓口へ、サービスの相談はケアマネさんへ

制度の話はどうしても難しく感じますが、少しずつ知っておくだけでも、いざというときの安心につながります。わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:時事通信(時事ドットコム)

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