こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。朝晩はすっかり涼しくなり、千葉市内のカフェでも温かい飲み物を頼むことが増えてきました。
10月は、福祉用具に関わる人にとって大事なイベントがある月です。自動車関連のニュースサイト「CAR CARE PLUS」で、10月7日(水)から9日(金)に東京ビッグサイトで開かれる「第53回 国際福祉機器展H.C.R.2026」に、自動車メーカーが福祉車両や歩行領域モビリティ(歩くくらいの速さで近くまで移動するための乗り物)を出展するという記事が紹介されていました。
今回はこのニュースをきっかけに、「新しい福祉用具が気になった時、ご家族はどう確かめればいいの?」というお話をしたいと思います。
ニュースのポイント|福祉機器展に福祉車両や新しいモビリティが並びます
記事で紹介されていた内容を、かんたんにまとめます。
- 国際福祉機器展H.C.R.2026は、2026年10月7日から9日まで東京ビッグサイトで開かれる
- ダイハツは、車いすのまま乗れる『タント』などの福祉車両や、送迎業務を支えるシステムなどを展示する予定
- 2025年8月に発売された歩行領域モビリティ「e-SNEAKER」は、2026年4月に「福祉用具情報システム(TAIS)コード」と「福祉用具貸与マーク」を取得した
- 2026年10月から、フランスベッドが大阪エリアで、このモビリティを介護保険の福祉用具レンタルとして試行(トライアル)する予定
個別の商品の良し悪しをお伝えすることはできませんが、「車の会社が、歩く領域の福祉用具にも関わり始めている」というのは、時代の変化を感じるニュースだと思いました。
国際福祉機器展ってどんな場所?
国際福祉機器展(H.C.R.)は、介護ベッドや車椅子、歩行器、入浴用品、福祉車両など、たくさんの福祉用具が一度に見られる大きな展示会です。毎年秋に開かれていて、介護の仕事をしている人だけでなく、ご家族や当事者の方が見に来られることもあります。
千葉方面からだと、京葉線とりんかい線を乗り継いで行くことができます。入場方法や事前登録の有無などは、お出かけ前に必ず公式サイトでご確認くださいね。
実物にさわったり、座ったりできるのが展示会の良いところです。一方で、会場ではたくさんの商品を見ることになるので、「どれも良さそうに見えて、かえって迷ってしまった」というお声を聞くこともあります。
新しい福祉用具を見つけたら確かめたい3つのこと
1. 介護保険のレンタル対象の種目かどうか
介護保険で借りられる福祉用具は、車椅子・特殊寝台(介護ベッド)・歩行器など、国が決めた種目に限られています。新しい商品でも、どの種目にあてはまるかによって扱いが変わります。
今回の記事に出てきた「TAISコード」は、公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具の情報データベースに登録された商品の番号のことです。福祉用具の現場では、商品を確認するときの目印のひとつとしてよく使われています。
ただし、ここが大事なところなのですが、コードやマークがあるからといって、どなたでも介護保険で借りられるわけではありません。わたしも最初は混乱しました。
2. ご本人の要介護度で使えるかどうか
先輩から教わったのですが、車椅子や介護ベッドなど一部の品目は、要支援1・2や要介護1の方は原則として介護保険の対象外になります。ご本人の状態によっては例外として認められる手続きもありますが、ケアマネージャーさんや市区町村との確認が必要です。
「展示会で見たものを借りたいのに、要介護度の関係で難しかった」ということもあり得ますので、気になる商品があれば、まずはケアマネージャーさんに相談してみてください。
3. ご本人の体と、暮らしの場所に合っているか
どんなに新しい福祉用具でも、ご本人の体や住まいに合っていなければ、十分に役立ちません。たとえば屋外で使う乗り物なら、
- ご自宅の前の道の坂や段差
- 置き場所や充電する場所があるか
- ご本人が操作の方法を覚えられるか
- ご家族が付き添えるか、ひとりで使うのか
といった点を、実際の暮らしに当てはめて考えることが大切です。千葉市内でも、坂道の多い住宅地と、平らな埋立地の住宅地とでは、合う用具が変わることがよくあります。
現場でよくいただくご質問から
現場でよくいただくご質問なのですが、「テレビや展示会で見た新しい商品を、うちでも借りられますか?」と聞かれることがあります。
先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。ご家族が雑誌の切り抜きを見せてくださり、「父の外出にこれが使えないかと思って」とお話しくださいました。一緒に、お父様の歩き方や、普段の外出の行き先、ご自宅の前の道の様子を確認しながら、ケアマネージャーさんにも相談し、まずは今の状態に合ったものを試していただくことになりました。
「新しいもの=ベスト」とは限らず、ご本人に合うかどうかが一番大切だと、そのとき改めて感じました。ご家族が情報を集めてくださること自体がとても心強いので、どうぞ遠慮なくお話を聞かせてくださいね。
展示会に行けないご家族へ
平日開催なので、お仕事やご介護で会場に行くのは難しい、という方も多いと思います。そんな時は、次のような方法もあります。
- 担当のケアマネージャーさんに「こういう用具が気になっている」と伝える
- 福祉用具専門相談員に、カタログや似た種類の用具を見せてもらう
- レンタルの前に試用できるか相談してみる
- お住まいの地域包括支援センターに相談する
福祉用具の世界は、少しずつ新しい商品が増えています。でも、選ぶときの基本は「ご本人の体」と「暮らしの場所」に合わせること。ここは変わりません。
なお、制度上の扱いや、新しい商品が介護保険の対象になるかどうかは、時期や地域によって変わる場合があります。詳しくはケアマネージャーさんや、お住まいの自治体の窓口にご確認ください。また、体の状態から「この用具を使っても大丈夫か」が心配な場合は、主治医にご相談ください。
まとめ
- 10月7日から9日まで、東京ビッグサイトで国際福祉機器展H.C.R.2026が開かれます
- 新しい歩行領域モビリティが福祉用具の情報データベースに登録され、介護保険レンタルのトライアルが始まる地域もあります
- コードやマークがあっても、要介護度やご本人の状態によって介護保険で借りられるかは変わります
- 気になる用具は、まずケアマネージャーさんや福祉用具専門相談員に相談してみましょう
わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
