こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市内でも朝晩はすっかり涼しくなりました。わたしは訪問の合間に、カフェで温かい飲み物を頼むことが増えてきました。
今回は、ニュースで気になる話題を見かけたのでご紹介します。介護の専門メディア「ケアマネタイムス」が、厚生労働省の2026年版『厚生労働白書』について書いた記事です。介護の現場でテクノロジーを使うことを、一般の人がどう受け止めているのかが紹介されていました。
ニュースのポイント|介護テクノロジーへの期待は大きい
記事で紹介されていた白書の内容を、わたしなりにまとめると次のとおりです。
- 介護の現場で先進技術を使うことに「賛成」「やや賛成」と答えた人は、目安として7〜8割にのぼった
- なかでも「利用者の見守りを助けるために、センサーなどを使うこと」への抵抗感が一番少なかった
- 期待されていることで最も多かったのは「介護職員の負担を減らすこと」で、「そう思う」がおよそ49.5%。「ややそう思う」も合わせると8割を超えた
- 一方で、「より安全で質の高いサービスにつながる」に「そう思う」と答えた人は、およそ26.3%にとどまった
記事では、多くの人が期待しているのは「職員の負担が減る→職員に余裕ができる→サービスが良くなる」という間接的な効果だと指摘していました。テクノロジーが使う人本人にどう役立つのかは、まだ十分に伝わっていない、ということです。
白書やアンケートの詳しい内容は、厚生労働省が公表している資料もあわせてご覧ください。
「見守りセンサー」って、そもそも何?
「見守りセンサー」と聞いても、ピンとこない方も多いと思います。福祉用具の世界では、こんな機器を指すことが多いです。
- ベッドセンサー:マットの下や上に置き、起き上がりやベッドから離れたことを知らせる
- マットセンサー:ベッドの脇や玄関の床に置き、踏んだときに知らせる
- 人感・ドアセンサー:部屋の出入りや玄関の開け閉めを知らせる
介護保険では、認知症の方が外に出たことなどを家族に知らせる機器が「認知症老人徘徊感知機器」としてレンタルの対象になっています。基本的には要介護2以上の方が対象で、要支援・要介護1の方は、例外として認められる場合に限られることが多いです。カメラで撮影するタイプや、スマートフォンへの通知機能のついたものなどは、介護保険の対象外になることもあります。
どれが対象になるかは、お住まいの市町村やケアマネさんの判断にもよりますので、まずはケアマネさんに相談してみてください。……と書きながら、わたしも入社したばかりのころは「どこまでが保険で、どこからが自費?」とずいぶん混乱しました。ややこしく感じるのは当然なので、安心してくださいね。
在宅介護では「家族の安心」と「本人の気持ち」の両方が大切
白書では職員の負担を減らすことが期待されていましたが、在宅介護に置きかえると、それはご家族の負担を減らすことだと思います。夜中に何度も様子を見に行く、トイレに起きる足音が気になって眠れない……。そんな毎日が続くと、介護する側の体も心も疲れてしまいます。
ただ、ここで忘れたくないのが、ご本人がどう感じるかです。「見張られているみたいで嫌だ」「まだ一人で大丈夫」と思われる方も、少なくありません。ニュースで「利用者にとってのメリット」が問われていたのと同じで、家庭でも「本人にとってどう良いのか」を伝えることが大切だと感じています。
わたしが担当させていただいたお客様の中に、夜トイレに行くときにふらつきが出てきた方がいらっしゃいました。最初にご家族がセンサーの話をしたときは「そこまでしなくていい」と断られたそうです。そこで伝え方を変えて、「娘さんが夜にぐっすり眠れるように」「転んでも、すぐに気づいてもらえるように」とお話ししてみると、「それなら試してみようか」と受け入れてくださいました。見張るための道具ではなく、お互いが安心して暮らすための道具として話すと、受け止め方がやわらぐことが多いように思います。
見守りセンサーを検討するときの4つのコツ
1. まずは「何が心配か」を書き出す
夜中のトイレ、玄関から一人で出てしまうこと、ベッドからの転落など、心配ごとによって合う機器は変わります。「なんとなく不安」のままではなく、「いつ・どこで・何が」心配なのかを書き出しておくと、ケアマネさんや相談員とのお話がスムーズに進みます。
2. 通知が「誰に・どこに」届くかを確認する
同じ家に住んでいるのか、離れて暮らしているのかで、必要な仕組みはまったく違います。たとえば、隣の部屋の受信機が鳴るタイプでも、ご家族が2階で寝ていると気づけないことがあります。先輩から教わったのですが、設置する前に、実際に寝る部屋で音が聞こえるかを試してみることが大切だそうです。
3. 「鳴りすぎ」にも注意する
センサーが敏感すぎると、寝返りのたびに通知が鳴り、かえってご家族が眠れなくなることがあります。ベテランの先輩によると、置く場所や感度を調整するだけで、ずいぶん楽になるケースも多いそうです。使い始めてから「ちょっと合わないな」と感じたら、遠慮なくご相談ください。
4. センサーは「見守りの一部」と考える
センサーは知らせてくれるだけで、転倒そのものを防ぐわけではありません。手すりや床に置くタイプの段差解消、ベッドの高さ調整、ポータブルトイレなど、ほかの福祉用具や訪問サービスと組み合わせて考えるのがおすすめです。ふらつきや夜間の頻尿が気になる場合は、体の状態について主治医にも一度ご相談ください。
千葉で見守りを考えるご家族へ
千葉市やその周辺でも、日中は一人で過ごす親御さんや、高齢のご夫婦だけで暮らす世帯が多いと感じています。お仕事をしながら介護をしている40〜60代のご家族からは、「離れていても様子がわかる方法はある?」というご相談をよくいただきます。
地域包括支援センターでも見守りについて相談できますし、市町村によっては独自の見守りサービスを用意しているところもあります。内容は自治体ごとに違うので、詳しくはお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
まとめ
- 2026年版厚生労働白書を紹介した記事によると、介護テクノロジーには7〜8割の人が前向きで、見守りセンサーへの抵抗感が一番少なかった
- 一方で、利用者本人にとってのメリットはまだ伝わりきっていない、と指摘されている
- 在宅では「家族の安心」と「本人の気持ち」の両方を大事にして、伝え方を工夫する
- 心配ごとの整理、通知の届き方、感度の調整、ほかの用具との組み合わせがポイント
- 介護保険が使えるかどうかや、どの機器を選ぶかは、ケアマネさんに相談を
新しい技術はどんどん出てきますが、大事なのは「その家族にとって、ちょうどいい形」を見つけることだと思います。わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
参考:ケアマネタイムス
