10月10日は転倒予防の日|実家の転倒リスクを家族で点検するコツと福祉用具

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。10月に入って、千葉でもようやく朝晩が涼しくなってきました。日が暮れるのも早くなり、夕方にお客様のお宅へうかがうと、玄関先がもう薄暗いことも増えてきました。

そんな中、10月10日の「転倒予防の日」に合わせて、介護ポストセブンで「転倒を招くNG習慣」を紹介する記事が配信されていました。ご実家の親御さんを思い浮かべながら読んだ方もいらっしゃるかもしれません。今回はこのニュースをきっかけに、ご家族が実家で確認できる転倒対策と、福祉用具の使い方について、現場目線でお話しします。

10月10日は「転倒予防の日」

記事によると、10月10日は「転(てん)」「倒(とう=十)」の語呂合わせから、日本転倒予防学会が定めた日です。高齢の方に多い転倒事故や、それに伴う骨折・寝たきりを防ぐことが目的とされています。

記事では、厚生労働省の調査で「骨折・転倒」が介護が必要になる主な原因の上位に入っていることにも触れられていました。また、荷物を持ったままスリッパで階段を下りて転倒し、入院中の安静で筋力が落ちて、最終的に要介護認定を受けることになった方の例も紹介されています。

現場でよくいただくご質問なのですが、「うちの親はまだ元気だから大丈夫」というお声と、「転んでから慌てて相談した」というお声は、実はとても近いところにあります。転倒は、ある日突然、介護の入口になることがあるのです。

記事で紹介された転倒を招くNG習慣5つ

記事では、在宅介護の専門家が5つの習慣を挙げていました。要点をわたしなりにまとめると、次のとおりです。

  • 足に合わない靴を履いている(かかと周りが固めでフィットし、靴底にグリップ感のあるものがすすめられています)
  • 家の中でスリッパやツルツルした靴下を履いている
  • 荷物を持ったり、スマホを見たり、考え事をしながら歩いたり階段を下りたりする
  • 電源コードやラグ・マットの端など、足元に引っかかる物がある
  • 夜中のトイレで、暗い中を歩いている

どれも特別なことではなく、毎日の暮らしの中にある習慣ばかりです。だからこそご本人は気づきにくく、離れて暮らすご家族の目が役に立ちます。

実家に帰ったときに見てほしい3つの場所

先輩から教わったのですが、転倒のリスクを見るときは「どこで」「何をしているときに」「どの時間帯に」の3つで考えるとわかりやすいそうです。ご実家に帰ったときは、次の場所を親御さんと一緒に歩いてみてください。

1. 寝室からトイレまでの動線

夜中のトイレは、記事でも挙げられていた転倒の多い場面です。眠くて、暗くて、急いでいる。そうした条件が重なりやすい時間帯です。照明のスイッチの位置、途中の段差、廊下に置いてある物を、実際に夜の暗さで確かめてみると、思わぬ発見があることが多いです。足元灯(センサーライト)はホームセンターや家電量販店などで手に入り、介護保険とは関係なく始めやすい対策のひとつです。

2. 玄関と階段

靴の脱ぎ履きで片足立ちになる玄関や、荷物を持って上り下りしがちな階段も要注意です。腰かけて靴を履ける椅子があるか、手すりがつかみやすい位置にあるかを見てみてください。スリッパのまま階段を使っていないかも、さりげなく確認しておきたいところです。

3. リビングの足元

ラグのめくれや、こたつ・ヒーターのコードは、これからの季節に増えてくるものです。千葉は冬の冷え込みが比較的穏やかと言われますが、それでも晩秋になると暖房器具を出すお宅が多く、配線が床をはうことも増えてきます。コードを壁際にまとめる、ラグの四隅に滑り止めを貼るといった工夫は、今日からでもできます。

福祉用具でできる転倒対策

習慣を見直すことに加えて、福祉用具の力を借りるのもひとつの方法です。要支援・要介護の認定を受けている方であれば、介護保険を使ってレンタルできるものがあります。

  • 工事のいらない手すり(ベッドのそば、トイレ、玄関の上がり框などに、置くタイプや突っ張るタイプがあります)
  • 歩行器や、多点杖などの歩行補助つえ(屋内用か屋外用かで選び方が変わります)
  • 段差解消のスロープ(小さな段差でのつまずき対策に)

また、壁に取り付ける手すりや段差の解消、滑りにくい床材への変更などは、介護保険の住宅改修の対象になる場合があります。支給の上限は目安としておよそ20万円で、自己負担は所得に応じて1〜3割です。工事の前に申請が必要なので、まずはケアマネージャーさんに相談してください。細かな条件はお住まいの市区町村によっても確認が必要ですので、詳しくは自治体の窓口でご確認ください。

レンタル、購入、住宅改修と分かれていて、わたしも最初は混乱しました。ご家族がすべてを覚える必要はありません。「転ばないようにしたい」とケアマネさんや福祉用具専門相談員に伝えていただければ、そこから一緒に整理していけます。

まだ認定を受けていない方は、お住まいの地域の地域包括支援センターが最初の相談先になります。千葉市なら各区に窓口がありますので、気軽に問い合わせてみてください。

親御さんの気持ちに寄り添いながら進める

わたしが担当させていただいたお客様の中には、ご家族が手すりをすすめても「年寄り扱いしないで」と、最初はあまり乗り気でなかった方がいらっしゃいました。そこで、ご本人が「ここはちょっと怖いのよね」とおっしゃった玄関の上がり框に、置くタイプの手すりを1本だけお試しで置いてみることにしました。しばらくしてうかがうと、「これがあると靴を履くのが楽ね」と笑顔で話してくださり、そのあとはトイレの手すりもご自分から相談してくださいました。

転倒予防は、ご本人の「まだできる」という気持ちを大切にしながら進めることが大事だと感じています。「危ないからやめて」よりも「こうしたら楽になるかも」という声かけのほうが、受け入れていただきやすいことが多いです。

なお、ふらつきが急に増えた、薬が変わってから足元がおぼつかない、といった変化がある場合は、体の状態が関係していることもあります。気になるときは、まず主治医にご相談ください。

まとめ:「転ぶ前」の相談がいちばんの予防です

  • 10月10日は転倒予防の日。転倒・骨折は介護が必要になるきっかけの上位とされています
  • スリッパ、ながら歩き、足元の物、夜の暗さなど、毎日の習慣を家族で見直してみましょう
  • 寝室からトイレ、玄関・階段、リビングの足元を、実際に歩いて確かめるのがおすすめです
  • 手すりや歩行器などの福祉用具、住宅改修は、ケアマネさんや福祉用具専門相談員にご相談ください

連休や年末年始の帰省は、ご実家の様子を確かめるよい機会です。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:介護ポストセブン(Yahoo!ニュース配信)

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