身寄りのない親の「終身サポート」とは|横浜市の事業者公表から考える千葉での備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。先日、「横浜市が『終身サポート』の事業者を独自の基準で評価して、条件を満たした業者を市のホームページで公表する」というニュース(福祉新聞Web・2026年8月21日)を目にしました。

記事によると、横浜市内では高齢の方のおよそ10人に1人、約8万7千人が『いざという時に頼れる親族がいない』状況にあるそうです。この数字を見て、わたしも思わず背筋が伸びました。訪問先でも、遠くに住むご家族から「うちの親は一人暮らしで、この先が心配で…」というお声を、本当によくいただくからです。今日は、この『終身サポート』とは何なのか、そして千葉で暮らすご家族が備えるときにどこへ相談すればよいのかを、わたしなりにお話しさせてください。

『終身サポート』ってどんなサービス?

『終身サポート』は、身寄りのない高齢の方が安心して暮らせるよう、日常生活の支援から、亡くなった後の手続き(死後事務)までをまとめてお手伝いするサービスのことを指すことが多いです。具体的には、次のような場面で頼りにされます。

  • 入院や施設に入るときの身元保証・連絡先
  • 買い物や通院の付き添いなど、日常生活のサポート
  • お亡くなりになった後の葬儀や役所への届け出、家財の片づけといった死後事務

これまで当たり前のようにご家族が担ってきた役割を、事業者が代わりに引き受けてくれる、というイメージです。わたしも最初にこの仕組みを知ったときは、「そんなサービスがあるんだ」と少し驚きました。おひとりで頑張ってこられた親御さんにとっては、心強い選択肢になり得ます。

横浜市のニュースが教えてくれること

今回横浜市が始めるのは、こうした事業者を市が評価して、基準を満たしたところを公表するという取り組みです。国のガイドラインをもとに24項目の独自基準を設け、「寄付や遺贈を受け取ることの禁止」「前払い金を原則受け取らない」「事業を続けられる体制の確保」といった、利用する側を守る視点が盛り込まれているそうです。事業者の申し込みは9月25日午後5時まで、12月中に連携協定を結んで公表する予定と報じられています。

ここで大切だなと感じたのは、「どの事業者を選ぶか」がとても難しい、という点です。前払いのお金や、財産のゆくえに関わることもあるサービスですから、選び方を間違えるとご本人もご家族も困ってしまいます。だからこそ、行政が基準を示して『安心して選べるようにする』動きが出てきたのですね。ベテランの先輩によると、こうした身元保証や死後事務に関わるご相談は年々増えているとのことでした。

千葉で暮らすご家族は、どこに相談すればいい?

「うちの親も一人暮らしだけど、千葉ではどうすればいいの?」と気になりますよね。今回のニュースは横浜市の取り組みですが、お住まいの自治体でも似た支援や情報提供が始まっている場合があります。まずは次の窓口をたどってみるのがおすすめです。

  • お住まいの区・市の地域包括支援センター…高齢の方の暮らし全般の相談窓口です。千葉市なら6区それぞれに、市川市・船橋市・松戸市などにも担当エリアごとに設置されています。
  • 市区町村の高齢福祉の担当課…身元保証や終身サポートに関する地域の制度・情報を教えてくれることがあります。
  • 契約や財産に関わる細かい点…これは法律に関わる大切な部分ですので、弁護士や司法書士などの専門家、そして自治体の窓口にご確認ください。わたしたち福祉用具の相談員がお答えできる範囲を超えるところは、正直に「専門家におつなぎしますね」とお伝えするようにしています。

制度のお話は、わたしも最初は用語が多くて混乱しました。ですから、いきなり全部を理解しようとせず、まずは地域包括支援センターに「一人暮らしの親のことで相談したい」と一本お電話してみるところから始めて大丈夫です。

「備え」は、暮らしの安全を整えることから

終身サポートのような制度面の備えと同じくらい、わたしが現場で大切にしているのが『今の暮らしを安全にしておく』ことです。おひとりで暮らす親御さんの場合、ちょっとした段差やふらつきが、転倒・骨折、そして入院につながってしまうことが少なくありません。

わたしが担当させていただいたお客様の中にも、遠方のご家族が「離れていても、できる備えを」と、手すりや歩行器を早めに整えられた方がいらっしゃいました。玄関や廊下の手すり、夜間のポータブルトイレ、滑りにくい環境づくりなど、福祉用具のレンタルで無理なく整えられる部分もあります。目安として、要介護度によって借りられる品目は変わりますので、そこはケアマネージャーさんやわたしたちにご相談いただければと思います。

「制度の備え」と「暮らしの備え」は、どちらも親御さんの安心につながる両輪です。一度にすべてを抱え込まず、できるところから少しずつ整えていきましょう。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で35年お手伝いしてきました。おひとりで暮らす親御さんのことでご不安があれば、福祉用具のことはもちろん、「どこに相談したらいいか分からない」という段階でも、いつでもお声かけください。一緒に考えていきましょう。

参考:福祉新聞Web

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