介護費用が初の12兆円超え|ご家族が知っておきたい自己負担と備え

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉市を中心に、ご家庭へ福祉用具のご相談にうかがっている福祉用具専門相談員です。

先日、厚生労働省の発表として「介護保険の年間費用が初めて12兆円を超えた」というニュースが流れました(介護ニュースJoint・2026年8月27日)。要介護・要支援の認定を受けた方も過去最多の721万人にのぼったそうです。数字が大きすぎて、正直わたしも最初は「うーん…」とピンとこなかったのですが、ご家族にとって本当に気になるのは『わが家の負担はどうなるの?』というところですよね。今日はそのあたりを、現場の目線で噛み砕いてお話しします。

ニュースの中身をやさしく整理します

報道されていた主な数字は、次のようなものでした。

  • 介護保険の年間費用額が12兆952億円で、制度が始まって以来はじめて12兆円を超えた
  • 実際にサービスに使われた給付費が11兆1826億円で、こちらも初めて11兆円を上回った
  • 要介護・要支援の認定を受けた方が721万人で、過去最多を更新した
  • 高齢者に占める認定者の割合は19.7%(前の年度より0.3ポイント上昇)

ざっくり言うと、「介護を必要とする方が増え、それを支える制度全体のお金も増えている」というお話です。制度の細かな見通しや今後の改正がどうなるかは、わたしの立場で断定できることではありませんので、詳しくは自治体の窓口や専門家にご確認いただければと思います。ここでは、ご家族が身近に感じられる部分だけをお伝えしますね。

「費用が増えている=わが家の負担も急に増える」ではありません

ニュースを見て「じゃあうちの支払いもどんどん上がるの?」とご心配になる方が多いのですが、ここは落ち着いて分けて考えたいところです。ニュースの12兆円は日本全体の合計額で、みなさんお一人おひとりの毎月の自己負担とは別のお話です。

介護保険を使ったときのご本人の自己負担は、原則として1割で、所得に応じて2割・3割となる場合があります。どの割合になるかは、毎年お手元に届く「介護保険負担割合証」に書かれています。ここが変わると毎月の支払いに響いてきますので、更新の時期に一度確認しておくと安心です。わたしも制度の話は最初とても混乱したので、「まずは負担割合証を見てみましょう」とご家族にお伝えするようにしています。

費用の見通しで押さえておきたい3つのポイント

  • 支給限度額…要介護度ごとに、1か月に介護保険で使えるサービスの上限が決まっています。目安として、要介護度が上がるほど枠は大きくなります。
  • 高額介護サービス費…自己負担が所得ごとの上限を超えた分が、あとから払い戻される仕組みがあります。申請が必要な場合が多いので、対象になりそうなときはケアマネさんに一度ご相談ください。
  • 福祉用具のレンタル…介護ベッドや車椅子などは、購入ではなくレンタルなら月々の自己負担で使えることが多く、費用の見通しが立てやすくなります。

福祉用具は「費用を抑える」うえでも心強い味方です

費用のお話になると、つい「なるべくサービスを減らして節約しよう」と考えてしまいがちです。でも現場でお会いすると、無理に減らした結果、転倒してしまって入院…という残念なケースも耳にします。ベテランの先輩によると、こういうときこそ「必要なところにきちんと備える」ことが、結果的にご本人にもご家族にも優しいのだそうです。

たとえば、わたしが担当させていただいたお客様の中には、退院してすぐの時期だけ介護ベッドと手すりをレンタルし、体調が安定してきたら手すりだけに切り替えて、月々の負担を調整された方もいらっしゃいます。福祉用具はレンタルなら、状態の変化に合わせて増やしたり返したりできるのが良いところです。「一度そろえたら終わり」ではなく、そのときのご様子に合わせて見直していけます。

先日も、あるお宅で「介護って、想像していたよりお金がかかるものなんですね」とご家族がぽつりとおっしゃいました。制度が大きくなっているというニュースを見ると、なおさら不安になりますよね。そんなときは、ひとりで抱え込まず、まずはお近くの地域包括支援センターやケアマネージャーさんに相談していただくのがいちばんの近道です。千葉市内でも各区に相談窓口がありますので、「どこに聞けばいいか分からない」というときは、わたしたち福祉用具専門相談員にも遠慮なくお声がけくださいね。

今日のまとめ

  • 介護保険の年間費用が初めて12兆円を超え、認定者も721万人と過去最多になった
  • ただし全国の合計額と、わが家の毎月の自己負担は別物。まずは負担割合証を確認
  • 支給限度額・高額介護サービス費・福祉用具レンタルを上手に使うと、負担の見通しが立てやすい
  • 個別の判断はケアマネさん・主治医・自治体の窓口へ。無理な節約より「必要な備え」を

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:介護ニュースJoint

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