介護テックの活用を在宅でも報酬で後押しへ|来年度改定でご家族の暮らしはどう変わる?

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。

10月に入り、千葉でも朝晩はだいぶ涼しくなってきました。季節の変わり目は、親御さんの体調や暮らしぶりが気になる時期でもありますよね。

今回は、介護ニュースJointが10月1日に伝えた「介護テクノロジーの活用を在宅サービスでも報酬で後押しする」という厚生労働省の案を取り上げます。「テクノロジー」や「報酬」と聞くと、事業者向けの難しい話に思えるかもしれません。ですが、親の介護が始まったご家族にとっても無関係ではない話です。わたしなりに噛み砕いてご紹介しますね。

ニュースのポイント|施設中心だった評価が在宅にも広がる案

記事によると、厚労省は社会保障審議会・介護給付費分科会で、来年度の介護報酬改定に向けた案を示しました。主なポイントは次のとおりです。

  • AI(人工知能)を含む介護テクノロジーの活用について、訪問介護・通所介護(デイサービス)・居宅介護支援(ケアマネジャーさんの事業所)など、居宅系サービスも対象に含めることが明記された
  • これまで施設系サービスが中心だった評価を在宅系サービスにも広げ、生産性向上に取り組む事業所を加算で新たに評価することが検討されている
  • 職員の負担軽減とサービスの質の向上がねらいで、年内にアウトラインを固める予定
  • 小規模な事業所の導入負担をどう軽くするかが焦点になっている

「介護報酬」とは、介護サービスを提供した事業所に支払われるお金のことです。「加算」は、一定の取り組みをしている事業所に上乗せされる部分です。どの事業所が、どんな条件で、いくら評価されるのかといった細部は、記事の時点ではまだ決まっていません。今後の議論を見守る段階です。

わたしも入社したばかりのころは「報酬」「加算」「改定」が頭の中でごちゃごちゃになって、ずいぶん混乱しました。今は「在宅で働くヘルパーさんやケアマネさんも、テクノロジーを使った工夫を後押ししてもらえるかもしれない」とつかんでおけば十分だと思います。

在宅介護のご家族にはどう関係するの?

ヘルパーさん・ケアマネさんとの情報共有が変わるかもしれません

在宅系サービスでテクノロジーの活用が進むと、記録や連絡の方法が変わっていく可能性があります。たとえば、紙の連絡ノートだったものがタブレットやスマートフォンでの共有に変わる、といった形です。

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、在宅介護では「ヘルパーさん・デイサービス・ケアマネさん・福祉用具の事業所・ご家族」の情報がばらばらになりがちです。職員さんの事務負担が軽くなれば、そのぶん親御さんと向き合う時間が増える場合もあります。こうした流れは、ご家族にとっても前向きな面があると感じています。

自己負担への影響は、決まってから確認を

加算は、介護保険サービスの利用料の一部としてご利用者にもご負担いただく仕組みになっていることが多いです。ただし、今回の案がどんな形になり、利用料にどう反映されるのかは、まだ決まっていません。正式な内容が出たら、ケアマネさんや利用している事業所から説明があるはずです。気になることは遠慮なく聞いてみてくださいね。制度の細かい解釈については、お住まいの市区町村の窓口や専門家にご確認ください。

ご家庭でできる「テクノロジー」もあります

事業所の取り組みとは別に、ご家庭で使えるテクノロジーや福祉用具もあります。福祉用具専門相談員の目線で、よくご相談いただくものをご紹介します。

  • 見守りセンサー・徘徊感知機器:ベッドから起き上がったときや、玄関から出ようとしたときにご家族へ知らせる機器です。認知症の方の徘徊感知機器は、条件を満たせば介護保険でレンタルできる場合があります。
  • 介護ベッドのリモコン操作:背上げや高さの調整ができるので、起き上がりや立ち上がりを助けてくれます。介助するご家族の腰の負担も減らしやすくなります。
  • 保険外の見守りサービス:家電の使用状況やカメラで、離れて暮らす親御さんの様子を確かめられるサービスもあります。介護保険の対象外のことが多いので、費用は事前に確認しましょう。

先日、お客様のお宅にうかがった時のことです。夜中に親御さんがトイレに起きるたび、ご家族が心配で眠れない、というお話でした。ケアマネさんと相談して、起き上がりを知らせるセンサーを試していただきました。しばらくして、「鳴った時だけ見に行けばいいと思えて、気持ちがずいぶん楽になりました」と話してくださいました。機械がすべてを解決するわけではありません。それでも、ご家族の「ずっと気を張っている状態」を少しゆるめる助けになることがあります。

機器を選ぶときに気をつけたいこと

見守り機器や福祉用具は、たくさんあればよいというものではありません。現場でよくいただくご質問なのですが、選ぶときは次の点を一緒に確認するようにしています。

  • 本人の気持ち:「見張られているようでいや」と感じる方もいます。どこに、何のために置くのかを、できるだけご本人にも話しておくと安心です。
  • 誰に通知が届くか:同居のご家族なのか、離れて暮らすご家族なのか。夜間に通知が来ても駆けつけられない場合は、別の備えも考えておく必要があります。
  • 使いこなせるか:スマートフォンの設定や充電が負担になるケースもあります。操作が簡単なものから始めるのがおすすめです。
  • 介護保険の対象かどうか:同じような機器でも、介護保険でレンタルできるものと、自費になるものがあります。要介護度によって使える品目が変わる場合もあるので、ケアマネさんに確認してみてください。

体の状態や、認知症の症状に関係する判断が必要な場合は、主治医にご相談ください。

千葉で最新の介護機器にふれる機会も

ちなみに、10月7日から9日には、幕張メッセで「第9回 介護・福祉EXPO」が開かれる予定です。見守りAIなどの新しい技術が集まる展示会です。主に事業者向けのイベントなので、来場の条件は公式サイトでご確認ください。わたしたち福祉用具の事業所も、こうした新しい情報を学びながら、ご家庭に合うものを提案できるよう努めています。

まとめ|テクノロジーは「ご家族が無理をしない」ための道具

今回の厚労省案は、在宅で働く介護職の負担を減らし、サービスの質を上げることをめざすものです。細部はまだこれから決まりますが、在宅介護の現場でもテクノロジーを上手に使う流れが進みそうです。

ご家庭でも、見守り機器や福祉用具をうまく取り入れることで、ご家族の気持ちや体の負担を軽くできる場合があります。「うちの場合は何が合うんだろう」と迷ったら、ケアマネさんや、わたしたち福祉用具専門相談員に気軽に声をかけてください。

わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。

参考:介護ニュースJoint

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