デイの共同送迎が拡大へ|送迎を安心して使うために家族が整えたい玄関まわり

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。

親御さんがデイサービスに通い始めると、朝の送迎の時間はご家族にとって小さな「勝負の時間」になりますよね。着替えは間に合うか、靴は履けるか、玄関の段差を無事に降りられるか。わたしも訪問先で、送迎まわりのご相談をよくいただきます。

今回は、デイサービスの「送迎」についてのニュースをきっかけに、ご家族が玄関まわりで整えておきたいことをお話しします。

ニュースのポイント:デイの共同送迎、同乗できる人の範囲を広げる案

介護ニュースJointによると、厚生労働省は2026年10月14日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、来年度の介護報酬改定に向けた提案を行いました。

デイサービスの送迎では、今もほかの介護事業所や障害福祉サービス事業所の利用者さんが同じ車に乗る「共同送迎」が認められています。今回の案は、同乗できる人の範囲を、子どもの通園・通学や地域の買い物支援などにも広げるというものです。

  • 対象:通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護(通所リハビリも同じ方向で検討)
  • 前提:雇用契約や業務委託契約で、責任の所在をはっきりさせること
  • 背景:職員不足や、人件費・燃料費・車両費の上昇。地域の送迎の車を有効に使い、事業所の負担を軽くしながら住民の移動も支える狙い

審議会では賛成の声がある一方で、責任や費用負担をはっきりさせること、安全管理の徹底、職員体制の確保を求める意見も出たそうです。年内に大枠を固める予定とのことで、まだ決定ではなく「案」の段階です。

実際にどう運用されるか、お住まいの地域やご利用中の事業所で何が変わるかは、今後の決定を待つ必要があります。詳しくはケアマネさんや自治体の窓口にご確認ください。

送迎のかたちが変わっても「玄関から車まで」は変わりません

制度の話を聞くと「うちの親の送迎はどうなるの?」と心配になりますよね。わたしも最初にこのニュースを読んだときは、正直ちょっと混乱しました。

ただ、現場の目線で一つ言えるのは、どんな車が来ても、ご本人が玄関を出て車に乗り込むまでの数メートルは、ご家族とご本人の暮らしの中で起きるということです。ここが安全に、時間どおりに動けるかどうかで、送迎の安心感はずいぶん変わります。

先輩から教わったのですが、送迎でのヒヤリとする場面は、車の中よりも「玄関の上がり框(かまち)」「ポーチの段差」「車までのアプローチ」で起きることが多いそうです。送迎の車にほかの方が乗っていると、ドライバーさんも時間を気にしがちです。だからこそ、ご自宅側で動きやすい環境を整えておくことが大切だと感じています。

ご家族が今のうちに見直したい玄関まわりのチェックポイント

1. 靴を履く場所に「座れる場所」と「つかまる場所」があるか

立ったまま靴を履くのは、高齢の方にとってバランスを崩しやすい動作です。玄関用の椅子や、つかまれる手すりがあるだけで、だいぶ落ち着いて準備ができることが多いです。工事のいらない据え置き型の手すりは、介護保険で借りられる場合があります。

2. 上がり框やポーチの段差を越えられるか

千葉市内でも、昔ながらの戸建てでは上がり框が高めのお宅や、道路から玄関までに数段あるお宅をよく見かけます。段差には、踏み台や手すりの組み合わせ、車椅子の方ならスロープなど、いくつか選択肢があります。段差の高さや幅、ご本人の歩き方で合うものが変わるので、実際に見せていただいてからのご提案になります。

3. 車までの通路に物が置かれていないか、夜露や雨で滑りやすくないか

自転車や植木鉢、雨の日の傘立てなど、ふだんは気にならない物が送迎の朝には障害物になることがあります。これからの季節は朝晩の冷え込みで足元が濡れやすい日もあるので、滑りにくいマットなども検討してみてください。

4. 車椅子・歩行器は「家用」と「送迎用」で考える

デイに歩行器や車椅子を持っていく場合、車への積み込みやすさも大切です。たたみやすさや重さは機種によって違います。今お使いのものが送迎で負担になっていないか、デイの職員さんにも聞いてみると、思わぬ気づきがあるかもしれません。

現場で感じた「送迎の朝」を楽にする工夫

わたしが担当させていただいたお客様の中に、送迎の時間になるといつも玄関で慌ててしまう方がいらっしゃいました。お話を最後までうかがってみると、靴を履くときにつかまる場所がなく、ドアノブを頼りに立ち上がっていたことがわかりました。

ケアマネさんと相談して、玄関に据え置き型の手すりと椅子を置いたところ、ご本人が「座ってゆっくり履けばいいのね」と安心された様子で、ご家族からも「朝の声かけが減りました」とうかがいました。大きな工事をしなくても、ちょっとした道具で朝の流れが変わることがあります。

送迎について事業所に伝えておきたいこと

共同送迎が広がると、同じ車にいろいろな方が乗る場面も考えられます。ご家族からデイの事業所へ、次のような情報を伝えておくと安心です。

  • 玄関から車までの段差や通路の状況
  • 乗り降りのときに介助が必要な動作(立ち上がり、足の持ち上げなど)
  • 使っている福祉用具と、積み込みが必要かどうか
  • 体調がすぐれない日の連絡方法

ケアマネージャーさんからもよく相談を受けるのですが、送迎の情報はケアマネさん・デイ・福祉用具の事業所の間で共有しておくと、用具の見直しもスムーズです。ご本人の体の状態について気になることがあれば、主治医にもご相談ください。

まとめ:制度の動きは見守りつつ、ご自宅側の準備を

デイサービスの共同送迎の拡大は、人手不足やコスト高の中で地域の移動を支えようという案です。まだ議論の途中なので、決まった内容は今後の発表を確認していく必要があります。

一方で、玄関から車までを安全に動けるようにする準備は、今日からでも始められます。手すりやスロープなど、どんな用具が合うかわからないときは、ケアマネさんや福祉用具専門相談員に気軽に声をかけてください。

わたしも訪問先で、よく同じご相談をいただきます。一緒に考えていきましょう。ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。

雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。

参考:介護ニュースJoint

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